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北タイ陶磁の源流考・#19<インドシナ各地の窯構造・#9>

2017-02-12 07:25:56 | 北タイ陶磁
<続き>

5.北タイの窯構造
今回はカロン諸窯より三つの窯について紹介する。カロンの開窯時期は一般的に14世紀と云われているが、以下に紹介する窯の諸元と開窯時期については、サーヤン教授の著書「CERAMICS IN LANNA Sayan Praichanjit」より転載した。

5-7.カロン:トゥンマン・ポーター窯
(写真出典:現地にて撮影)
●所在地
 チェンライ県ウィアンパーパオ郡
●平面プラン
 地下式楕円形
●窯諸元
 全長:3.85m
 燃焼室長:1.55m
  焼成室長:1.9m
  煙道径:0.4m
 全幅:1.9m
 昇焔壁高:0.5m
●開窯時期
 15世紀
●出土陶磁
 白磁、緑彩陶、青磁鉄絵、褐色陶

5-8.カロン:フェイパヨーム・ポーユエン窯
(写真出典:現地にて撮影)
●所在地
 ランパーン県ワンヌア郡
●平面プラン
 地下式楕円形
●窯諸元
 全長:4.6m
  燃焼室長:2.2m
  煙道径:0.4m
 全幅:1.5m
 昇焔壁高:0.45m
●開窯時期
 16世紀
●出土陶磁
 白磁、青磁刻花

5-9.カロン:メーフェウ・サオケーウ窯
(写真出典:現地にて撮影:下段窯)
(写真出典:現地に撮影:上段窯)
(写真出典:現地にて撮影:下段窯の煙道が上段窯の燃焼室に繋がる)
以下、下段窯について記載する
●所在地
 ランパーン県ワンヌア郡
●平面プラン
 地下式楕円形
●窯諸元
 記載なし
●開窯時期
 15世紀
カロン諸窯の轆轤回転方向は、サンカンペーン諸窯と同様に左右混在で、一つの特徴となっている。




                                  <続く>