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北タイ陶磁の源流考・#18<インドシナ各地の窯構造・#8>

2017-02-10 07:44:56 | 北タイ陶磁
<続き>

5.北タイの窯構造
一時中断していた北タイ陶磁の源流考を再開する。今回はパーン諸窯の窯構造を確認する。パーンには3つの古窯址群が存在する。ひとつ目はバン・チャンプー古窯址群、二つ目はポンデーン古窯址群、三つ目はポンデーンに近いサイカーオ古窯址群である。いずれも破壊が進み原形を留めていない。
従って今回は、チェンマイ国博に移設復元展示されているポンデーン窯と、破壊が進んでいるサイカーオ窯の窯構造を確認する。

5-5.ポンデーン窯
(出典:当該ブロガーがチェンマイ国博にて撮影)
●所在地
 チェンライ県パーン郡
●平面プラン
 地上式楕円形
●窯諸元(諸元についてはJ・C・Shaw氏の書籍より転載)
 全長:6m
 全幅:3.5m
●開窯時期
 14世紀ー16世紀
●出土陶磁器
 青磁
●轆轤回転方向
 左右混在
●特記事項
 ・煉瓦構築で地上窯、昇焔壁高さは約1mと高い
 ・轆轤の回転方向は左右混在で、東南アジアでは珍しい存在。これは北ベトナムの
  ドゥオンサーとサンカンペーンでみることができる

5-6.サイカーオ窯

タイ芸術局の案内ボードが立っているので、調査報告書が発行されていると思うが、入手していないので窯の諸元等の詳細不明だが、煙道は比較的よく残っており地上式の窯である。


                                   <続く>