今日、映画『STAR TREK』を見てきた。
予告編といい、前売り券のデザインといい、何と言うか隠れトレッキー(スタートレックファン)である私の心は大きく揺さぶられていたのだ。これまでには無い感じ・・・いままでは何とも緩い感じの宣伝しかしてなかった同シリーズだったが、今回はメディアに対して、監督がキャストがTOC(The Original Series)のことをケチョンケチョンに言っているのがとても印象的で、その辛辣な感じがビビッと来たのである。
案の定、想像以上、期待以上に面白く素敵だった・・・とは言え、新型インフルエンザの『とりあえず安心安全』宣言の出たばかりの神戸三宮の映画館だったからなのかどうなのかは未知だが、観客は日曜の昼間にも関わらず、わずか30人ほどだった・・・。jこれでも実は多い方で、その昔、私は同シリーズの某映画を夏の昼下がりい梅田のOS劇場で10人に満たない観客と共に見たことがある。
だけど、ホントにファンには垂涎の設定ばかりで、これは名作だと個人的には思うのである。だから、ココから先はネタバレ必至なので注意されたいところである。
☆エンタープライズ
地上で築造されている風景がとてつもなく新鮮。この宇宙船が接地しているのを見た事がないからである。設定はTOSより以前の設定なのだけど、1979年の映画『スタートレック』におけるエンタープライズ並みに美しいのは、今回の劇中で明らかにされる「実はTOSのパラレルワールド」であるという設定なので、鑑賞後にはその違和感は払拭されている。
☆カーク
TOS同様に女ったらしぶりは変わってない。しかもニンゲンだけでなく宇宙人だろうが何だろうがグラマラスなら何でも有りというカークその人の本質をさりげなく表現しているところがにくい。映画版よりも野心的に見えるのは、若さゆえというところなのだろうか。いずれ、彼が手に入れる誉れはこの野心の賜物なのかもしれない。
☆スポック
面長・耳が長い・眉毛が吊り上がっている・オカッパ頭である・感情が無い。以上。いや、初期のTOSとよく似せてあるように思う。でも、ちょっとばかし目玉が大きいような気がする。しかし、本作品で搭乗する幼少の頃のスポックもまた目玉が大きく、当映画の中では辻褄が合っている。これもまたネロの所為によるパラレルワールドだからなのか?時間軸のパラドックスは全宇宙にまで影響することなのだろうか?いずれにしても、新生スポックは目がクリクリしていてかわいらしい。
☆ウフーラ
何とも魅力的な女性である。そして、スポックと・・・。更にカークまでも・・・。
☆パイク
おっとこまえである。しかも、カッコイイ。最後にはTOSにうまい事繋がるように車椅子になってしまうんだけど、TOSに出てくる車椅子の妖しい老人とは似ても似つかわしくないほどの指揮官であった。
☆マッコイ
いいねぇ。TOSで見せている人懐っこさと燃えたぎる若さが綺麗に調和している感じがいいね。
☆スールー
TOSではミスター加藤と呼ばれていた。ミスター加藤だった頃はジョージ・タケイという日系人がキャスティングされていたが、スールーはアジア系士官として紹介されているの留まっている。だがしかし、野心的な目と機敏な行動力と的確な判断力には将来の活躍が期待されるところである。続編があるとすれば楽しみである。
☆チェコフ
TOSでは今ひとつ感情移入がしにくかったキャラクターだったが、今回では愛すべきキャラクターとして搭乗・・・いや登場している。若干17歳という若さには目を見張るものがある。幼い少年そのままの行動と10代にしてブリッジ要員になるべくしてなった天才肌のミスマッチな感じが素晴らしい。しかも、素敵なロシア訛りに感動。
☆スコッティ
いつかあのヒゲ面のおじさんになるんだろうなあ、この人は。TOSでは割と好きなキャラだったんだけど、チェコフとは逆に今回はあまり感情移入しにくい登場の仕方であった。これも次回作に期待かな。
☆サレック
スポックの父親なのに、まだ父親的な威厳は感じられず、何となく精神的に「若いな、この人は」と思ってしまう。これはきっと、「未来のスポック」が同じスクリーンに登場しているからなのかもしれないと何となく思った。
☆未来のスポック
いやあ、貫禄たっぷりである。しかも、キーマンだ。いい役どころである。終盤、若きスポックに後ろから「お父さん!」と声をかけられる。確かに並んで立っていると親子みたいである。むしろ本映画のサレック氏よりも、より父親的な貫禄までも感じられる。そして、「長寿と繁栄を」は「幸運を」に置き換えられる。やはり、スポックが純潔なヴァルカン人でないことの証なのである。
☆サントラ、そして、総括
全く新しい音楽が用意されている。しかし、偉大な宇宙に捧げられているような壮大なメインテーマである。しかし、最後の最後でアノ語りが入り、『おやおや?』と思っているところへ、TOSの懐かしき楽曲が挿入される。そこで考えさせられる、『ああ、こういう風に物語りは繋がっていくんだぁ』と、実に感慨深い瞬間である。懐かしき楽曲はやがて今回のメインテーマにとって変わり、また、懐かしき楽曲が見え隠れする。自然な感じで、そしてシンクロするかのように・・・エンドロールが流れ全ての一番最後に、ジーン・ロッデンベリーに捧げられる旨の文字が綴られる、アノ懐かしき電子音と共に。
いやあ、「全く新しい物を作った」と言っている割には、相当なところがTOSに捧げられていると感じた。オリジナルのオリジナル性はそのままにしつつも、新しい世界を作っている。スタートレックの何たるかを知らない人たちには、新しいスペースアドベンチャーとして、スタートレックを熱愛する人たちには、懐かしい友人たちと再開するような心地でこの作品を楽しめる事が出来るのである。
そして冒頭、ロミュラン人ネロによってもたらされたパラレルワールドという設定を修復させず、エンディングを迎える事で、暗に次回作への期待を膨らませてしまうそんな憎い演出にも完敗、いや乾杯である。これらのキャストでの次回作を切に願いたい所である。
宇宙戦艦ヤマトみたいだったなぁ、というのが素朴な感想。
突っ込むところはいっぱいある映画でした。
あの曲を最後に持ってきたのは心憎いですよね。改めて TOS見直したいなぁ~
往年のTOSファンとしては、劇場の観客動員
の少なさにもどことない懐かしさを感じます。
「スタートレック88」から爆発的ヒットと
なった「ネクストジェネレーション」ですが、
ちょうど大学生の頃からか、スタートレック
が我々世代の中にも浸透し始めた時の寂しさは
今でも忘れられません。
なので、ましゅ的にはTOS万歳って感じです!