まっしゅ★たわごと

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ビブリア古書堂の事件手帖 (6) ~栞子さんと巡るさだめ~ を読んだ。

2015年01月25日 20時16分27秒 | おすすめ


ビブリア古書堂の事件手帖 (6) ~栞子さんと巡るさだめ~ を読んだ。前作のあとがきで作者氏自身が語っているように、シリーズももうすぐ大詰めにさしかかってきているようである。今回は3つの本の題名が提示されているがいずれも太宰治である。さらにそのうちの一冊は第一巻に出てきた「晩年」である。あんまり書くとネタバレになってしまうから言えないけれど、第一巻から続く物語がオーラスに向かっていることが感じられる。しかも、これまでの作品には無かったようなちょっとしたトリックが施されていて楽しめた。そうきたか!!

ビブリア古書堂の事件手帖 (6) ~栞子さんと巡るさだめ~ (メディアワークス文庫)

ビブリア古書堂の事件手帖 ~栞子さんと奇妙な客人たち~ (メディアワークス文庫)
ビブリア古書堂の事件手帖2 ~栞子さんと謎めく日常~ (メディアワークス文庫)
ビブリア古書堂の事件手帖3 ~栞子さんと消えない絆~ (メディアワークス文庫)
ビブリア古書堂の事件手帖4 ~栞子さんと二つの顔~ (メディアワークス文庫)
ビブリア古書堂の事件手帖 (5) ~栞子さんと繋がりの時~ (メディアワークス文庫)






























人物相関図を作ってみると祖父母の代から3代続く因縁の構図が見えてくるのがわかる。これがつまり、本書のサブタイトルにもなっている『栞子さんと巡るさだめ』のことなのだろう。

ビブリア古書堂シリーズは数年前にドラマ化されているのであるが、篠川栞子の妹が弟に改悪されていたり、背取り屋の志田がビブリア古書堂の居候に改悪されていたり、はたまた主人公の栞子が剛力というあってはならない配役になっていたりと散々だった。しかしながら唯一良いなあと思われるのが栞子の母親・智恵子が安田成美であったことである。そこのところだけは小説を読み進めて行ってもしっくりくるのである。そして、物語の終盤に智恵子の産みの親が某古書店主の愛人だったのでは無いかという含みを持たせて終わっており、更に本書のあとがきにおいて作者氏が次か次の次でビブリア古書堂シリーズが終了することを示唆していることから、今回のお話は、それらに向けた壮大な伏線なのではないかとも勘ぐってしまうとおろである。早くも次回作が楽しみである。