まっしゅ★たわごと

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名古屋でマリス・ヤンソンスを聴く!

2008年11月16日 22時27分16秒 | 音楽

 

名古屋滞在残り2週間となった今日、今年の5月にチケットをゲットしていたコンサートを聴きに行ってきた。きっと名古屋に在住してなければ行くこともない、しかも居住地から徒歩10分圏内にある愛知県芸術劇場コンサートホールである。

 

第26回名古屋クラシックフェスティバル

   ・ロイヤルコンセルトヘボウ管弦楽団

   ・指揮:マリス・ヤンソンス

   ・曲目:ブラームス「交響曲第3番」

        ムソルグスキー(ラヴェル編曲)「展覧会の絵」

 

今回は14000円のB席で、舞台の後方第一列目のちょうど、指揮者の顔が見える所に座って聴いていたのだけど、感じた事を簡単に書いてみることにする。そういえば、すごく久しぶりに音楽ネタを書くような気がする。

ブラームス「交響曲第3番」

第1楽章、展開部の盛り上がり方が素敵だね。さすが、このくらいの楽団となるとブラームスの演歌を美しくそしてごく自然に謳い切っている感がある。第2楽章では、なんとなく終楽章の動機が聴こえるような気がしたけど、気のせい?この曲はあまり解説本など読んだこと無いからその辺は知らない。ちょっと、調べてみようかな?と思った。そして、第3楽章のホルンの主旋律には萌えた!柔らかくて温かくて揺らぎの無い音に心が揺れた瞬間だった。更に、待望の終楽章、冒頭は若干遅めに感じたけれど展開部では逆に勢いが増し、その対照的な印象にググッと来た。特に中間部のダイナミクスの素晴らしさに感動。総じて良い演奏だと思った。

ムソルグスキー(ラヴェル編曲)「展覧会の絵」

冒頭「プロムナード」の出だし・・・若干上ずったトランペットはその次の音でミストーンをしてしまった。これは相当致命的なミスだ。すぐにトロンボーンの旋律が被ったけど、曲全体としては出鼻を挫かれた感じ。そのせいなのかどうなのか、木管楽器を中心にミストーンが目立ち、緊張感の無い演奏が続く。名門オケだから、凄くレベルの高い演奏をしているにも関わらず、聴く側の印象としては「たとえそれがアクロバティックな演奏であったとしても、ともすれば、ただの危なっかしい演奏にしか聴こえない」こともあるのだなあということを知る。終盤の「バーバヤーガ」辺りからやっと緊張感を持ち直し、「キエフの大門」で大団円を迎えたものの、今ひとつしっくりとこない演奏だったように思う。

アンコール:ハンガリー舞曲第1番

オーケストラを後方から望む席に座るときのメリットは「指揮者の表情が見える」ということであるが、逆にデメリットとして「アンコールの曲目がわかってしまう」ということが挙げられる。まあ、それはいいとして、これは実に素晴らしい演奏であった。きっと十八番なんだろうね。一糸乱れぬスピード感と緊張感に私の心は圧倒されてしまった。場内空間のそれら全てがブラームス色に染まりながら素晴らしい響きに包まれた。ある意味、今回の演目でいちばん完成度の高い演奏だったような気がした。

オーケストラを後方から望んだときにもう一つ感じたのが、ステージ上にいる彼等はリアル西欧人だということである。つまり、皆、外国語で会話をしているということ。しかも、何を話しているのか全くわからない。でも、彼等の話している言葉はわからなくても、彼等の奏している音楽はよくわかるのだ。すごく不思議なことなんだけど、改めて音楽ってスゴイなぁと感じたひとときでもあった。

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