とにかく書いておかないと

すぐに忘れてしまうことを、書き残しておきます。

「他者から贈られる自分」

2016-06-25 07:41:00 | 折々のことば
  今日の朝日新聞の「折々のことば」から。

 「ひとは自分が思っているほど、自分のために生きているわけではない  平川克美」

 これに対し鷲田清一さんが「自分がここにあることの意味は他者から贈られる。」と解説している。考えさせられる言葉である。

 自分が生きている意味なんて本当は自分ではわからないのだ。他者との関係の中でしか自分は存在しえない。なんとなくわかるような気がする。
 
 他者に認められたくて私たちは必死なのだ。そのために自分のできることを探して、自分が一番できることをやり、何かを成し遂げたいと思う。この必死さの中でいつの間にか他者の存在を見失う。これは情けないことだ。しかしそれが人間である。

 頑張り続け、そして倒れていく人間たちに「そんなにがんばらなくてもいい。」というのは簡単である。しかし、それでもそんな言葉を無視して頑張る人はたくさんいる。そういう人を愚かだと思う。しかしそれ以上にそういう人を美しいと思う。それが人間であるということだ。
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イギリスのEU離脱と自由主義経済の限界

2016-06-24 17:44:45 | 社会
 イギリスの国民投票でEU離脱派が勝利した。衝撃的であり世界が動揺している。しかしこの結果は覚悟していた側面もある。自由主義経済が大きな曲がり角にきているというのは多くの人から指摘されていたからである。

 自由主義経済は経済力のある先進国が自分たちの製品を発展途上国にうることによって成立していた経済である。しかし発展途上国はいつまでも発展途上ではない。経済力を持ち始め先進国と同等の力になれば、さらに経済力の低い国に自分たちの製品を売りつけれることになる。このように一種のねずみ講のような構造であったのだ。だからいつかは行き詰る。行き詰りの結果先進国がこれまでのような裕福さを先天的に与えられていたような状況ではなくなる。もともと身分の高かった人が、一般庶民になってしまったのである。

 アメリカはそれに気が付き、自分らの利益を最大限に確保するような装置を考え出した。それがTPPである。TPPはおそらくアメリカのメチャクチャ頭のいい人が考えた、他国をだまくらかして、結局アメリカが楽して得する仕掛けが施されている装置なのだと思う。

 話をもどそう。イギリスはもはや先進国ではなくなった。しかし、古き良き時代を知っている人たちは、自分たちがかつてと比べて生きにくい世の中で生きなければならないのはEUのせいだと思い始める。EUのせいで移民が増え、自分たちの職が失われていくと。もとをただせば自分たちの経済政策のせいだったのにも関わらずである。

 今回のイギリスの国民投票の衝撃は一時的なショックにとどまらないかもしれない。自由主義経済の終焉への序章となる可能性もある。
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「トットてれび」すごい

2016-06-23 11:17:01 | TV
 「トットてれび」はすごいドラマでした。

 「トットてれび」は黒柳徹子さんの回想記をもとにして作られたドラマです。日本のテレビ局の始まりから現在まで第一線で活躍した黒柳徹子さんを中心に描かれています。テレビの創世記にまわりで活躍したたくさんの森繁久彌さんや渥美清さんなどの役者さん、親友でもあった向田邦子さん、そして坂本九さんなどのさまざまなエピソードがちりばめられた、古き良き時代の青春の物語でした。
 
 しかも、それがすばらしい脚本、演出、そして構成あらゆる力を結集して、そして豪華なキャスティングで、さらにおそらく時間を十分にかけて、奇跡のような作品を作り上げていました。

 これだけの歴史を作り上げてきたテレビの仲間たち(戦友たち)はみんな「死」によっていなくなっていきます。後半の回はひとりひとりなくなっていきます。テレビの終わりを意味しているような気もします。最後の花火なのでしょうか。しかし黒柳徹子さんは最後まで歌い続けます。絶対にテレビは終わらないぞというNHKドラマチームの意地を感じます。

 満島ひかりさんの非凡さも感じました。
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安倍晋三はなぜこんなに下劣にみえるのだろう

2016-06-22 06:57:47 | 政治
 安倍晋三は日本の代表である。だから自分の信念をゆるぎなく語っていればいい。なのになんでヘラヘラヘラヘラしゃべるのだろう。

 参議院選挙前の党首討論をテレビでやっている。論点がかみ合わないのはしょうがない。しかし一番腹がたつのは安倍晋三が「簡潔に」と言いながらヘラヘラヘラヘラ長くしゃべることである。しかも共産党の悪口さえ言っていれば失敗はないとばかりに共産党とは違うということばかりを強調する。この人は共産党批判という失敗しないしゃべりを手に入れたものだからもういい気になってしゃべりまくっているのだ。

 こんな人が我が国のリーダーだということに絶望を感じてしまう。

 なぜこんな人が党首で自民党が選挙に勝ってしまうのだろう。わたしには理解できない。あるいはこういう能天気な無神経な人間しか日本の首相はつとまらないのだろうか。

 失礼なことを書いてしまったが、安倍晋三も政治家としていい部分ももっているのだと思う。だからこそ総理大臣にみんなが推したのである。だったらもっとしっかりと言うべきことをしっかり言い、いらないことは言わないようにしてもらいたい。日本のリーダーなのだから横綱の品格を備えた真のリーダーの姿になってもらいたい。

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「重版出来! 」の再放送を

2016-06-21 19:04:13 | TV
 以前にも書きました「重版出来!」というドラマは大変いいドラマでした。奇をてらってはいませんが、それでいていつも発見がある、そんなドラマだったと思います。役者さんたちがそれぞれ個性があり、人物が生きていました。

 主人公の黒木華さんは、天真爛漫で前向きな編集者を見事に演じていました。ちょうどこの前WOWOWで「グーグーだって猫である」が始まりました。その中で黒木さんは漫画家志望のアシスタントを演じていました。まったく逆の立場です。しかもそのドラマの中の黒木さんは暗くてジメジメしていてとても陰湿だけども努力家を演じていました。この落差には驚かされました。この人本当にすごいなあと感じました。自分なりの方法論を持っている人なのではないかと思います。

 さて「重版出来!」ですが、こういういい作品が埋もれていくのはやっぱりもったいないと思います。いまはDVDでの販売でみるか、オンデマンドでの配信となるのでしょうが、それよりも、もっと再放送をふやすべきなのではないかと思います。NHKの朝ドラとか、大河ドラマとかが復活してきたのも、再放送を恐れないからだったのではないでしょうか。スポンサーの事情とか、視聴率の事情とかあるのかもしれませんが、BSでの再放送などをやったほうがテレビの活性化につながるのではないかと思うのです。

 どうもテレビはマイナス思考に陥っているように感じられます。たまたま視聴率が高くなく評価されなかっただけのいいドラマなんてたくさんあります。そういういい素材をできるだけ広めていってほしいと思うのです。

 映画館に人がもどってきたように、テレビにも人はもどってくるはずです。テレビ世代としてはテレビの活躍を期待しています。

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