とにかく書いておかないと

すぐに忘れてしまうことを、書き残しておきます。

劇団チョコレートケーキ「ブラウン管より愛をこめて -宇宙人と異邦人-」を見ました。

2023-07-02 11:13:09 | 演劇
東京の「シアタートラム」で劇団チョコレートケーキの「ブラウン管より愛をこめて -宇宙人と異邦人-」を見ました。ウルトラセブンのオマージュ作品で、現代の差別や言論状況を見事に描いた作品でした。

私はちょうど「ウルトラセブン」世代です。子供のころ「ウルトラセブン」をいつも見ていました。子供向けの作品でありながら、テーマが大人びていて、勧善懲悪ではない回も何度かありました。人間社会を批判している作品もあります。このあたりは沖縄県出身の金城哲夫さんの影響力が大きかったようですが、当時の円谷プロの雰囲気でもあったような気がします。「ウルトラQ」も社会性の高い番組でした。(「ウルトラマン」はどちらかというと子供向けの番組ということを意識して、勧善懲悪の傾向が強いものでした。)

この演劇は、「ウルトラセブン」のような社会性の強いヒーローものを作ろうとしたプロダクションを描きます。作品のテーマは「差別」です。人間の差別の醜さを描こうとします。つまり人間批判です。最初はそれを認めていたテレビ局もいざとなると内容の変更を要求します。現代の言論状況が見事に描かれます。

関わった人たちのそれぞれの思いが描かれ、同時に作品の内容が劇中劇として描写されます。忖度はびこる言論状況の中で自分たちの主張や表現にこだわることができるのか。今の私たちに突き付けられたテーマが顕在化してきます。

わかりやすく、しかもうまく構成されたすばらしい演劇でした。しかもなつかしさもあり、いい作品、いい劇団と出会えたことができ、うれしい気持ちになりました。

ただし、LGBTQのテーマが唐突に出てくることに違和感を覚えました。最近の映画、ドラマ、演劇はLGBTQがなければいけないと思い込んでいるような気がします。それがきちんと描かれているのならいいのですが、この演劇では唐突です。LGBTQに対するあざとさといったものが、私にはどうしても感じてしまいます。口幅ったいようですが、一言申し添えさせていただきました。


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする