新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

7月27日 #2 今年のNPBの野球 2回目

2019-07-27 16:08:16 | コラム
続・今年のNPBの野球:

前回は7月19日だったので、思いがけずに間が空いてしまった。そこで残りの7球団を冷静なる評論家の目で分析してみよう。いきなり弁解をすれば、どうしてもテレビの中継が読売巨人軍(以後「読売」とする)を中心にセントラルリーグに偏っている傾向があるので、パシフィックリーグの球団についての味方は底が浅くなってしまうことを予めご了承賜りたい。例によって順序不同で行こうと思う。

広島東洋カープ:
新井貴浩と丸佳浩が抜けてしまった為にあれほど不安定なテイームになってしまうとは予想していなかった。だが、3番打者だった丸のアナは7月になっても埋め切ることが出来ず、一部には新井という精神的な支柱を失って事も堪えているという見方があるようだ。そこにあの田中広輔の打撃不振が加わっただけに止まらず、私の評価がそもそも低かった大瀬良大地と野村祐輔がピリッとしていないのもマイナス材料だったと見ている。それに今年はジョンソンにも冴えがないので、投打ともに中心となっている者がいないのが弱点だろう。

高校からポッと出の小園海斗に頼っていては仕方がないとも言いたい。それにローテーションの中にいる言わば将来は期待出来そうだった二番手の若手たちも伸び悩んでいるのも痛いと思う。早く3番打者を安定というか固定させ、外野でも松山や野間のような不安定な者を使わないで済むようにしないと、世にも希なFA読売球団に追い付いてリーグ4連覇などは「夢のまた夢」に終わってしまうと危惧する。俗に「弱り目に祟り目」と言うが、こんな状態だから緒方監督が誰かを殴ったことなどがすっぱ抜かれるのだ。「しっかりせよカープ」で締めておこう。

埼玉西武ライオンズ:
ここも何だかスッキリしない存在になってしまった気がしてならない。26日夜の日本ハム戦で7対0から一気に5点を取って追い付いた辺りは「流石ライオンズ」と評価する気になったが、その後が余りにも締まりがない負け方をした。この球団も浅村栄斗と炭谷銀仁朗に出て行かれたのが痛手だったと思えてならない。投手陣も締まりがなく多和田信三郞に前年の冴えがなく誰がエースなのかも不明だ。甲子園の優勝投手はプロでは伸びないという典型的な例のような高橋光成も頼りにはないし、今井達也も同様。

攻める方でも外崎修汰に3番を打たせていては、いくら秋山翔吾がヒットを沢山打って山川穂高や中村剛がホームランを量産しても勝ち運には恵まれないのだ。今年は辻監督は逆境には弱いのではないのかと思わせられる負け方が多いと見た。何時までも栗山巧をレギュラーの座を獲られていては仕方がないと若手が奮起すべきだろう。この状態では多くの故障者を抱えても首位にいるソフトバンクホークスに追い付いて連覇をするのは覚束なくなると懸念する。

東京ヤクルトスワローズ:
7月26日の時点でビリなのは仕方があるまいと思う体たらくだ。兎にも角にもこれという投手がいないのが先ず問題だ。39歳になってしまった石川雅規に頼っているようでは仕方がないし、小川泰弘にも現れた当時の神通力が消えてしまったのも痛手だと見る。かくなる上は何処かの球団のようにFA市場から古手を買ってくるか、高校から甲子園に出ておらずに使い減らされていなかった前途有望な者をドラフトで入れてじっくりと育てることでも考えないと前途はないとすら言いたくなる。

打つ方でもマスコミがトリプルスリーと称える山田哲人君よりも37歳になってしまった青木宣親の方が遙かに頼りになると思わせる。それは山田君は杉村コーチに付きっきりで育てられていた頃のスエーしないで綺麗に振れていたバッテイングを忘れたのか、スエーはするは力任せ的に振り回しているとしか見えない状態であるし、筒香嘉智と同じで「ここぞ」と言う時は70~80%の確率で打ってくれないのだ。マークされていることもあるだろうが、あれほど雑になって悪球に手を出していては困る。バレンティンも良いが外国人独特の気まぐれの面があるので困る。

オリックスバファローズ:
一番感じることはスターではなかった地味な選手だった人の監督が続いていること。不思議なことにテイームまでが地味になってしまったとしか思えない。オールスターは兎も角として全日本代表に選ばれそうな者が何名いるかとすら思わせられる。吉田正尚のような豪快に振ってホームランを打ってくれる打者はいるが、後他に誰がいるかと問いかけられた時に答えにくいのだ。私は山岡泰輔などは切れ味があって良い投手かと思ったが、未だそれほど勝ってはいないような状況。

申し訳ないことにテレビ観戦が頼りの冷静なる評論家としては、この球団にはこの程度のことしか言えないのだ。

千葉ロッテマリーンズ:
ここにもオリックスバファローズと似たような印象しかない。井口資仁を選手からいきなり監督にしたが、高橋由伸とは内容は異なるとは思うが成績が余りパッとしていないと思う。私はその原因の一つに涌井秀章に老成してしまったというか、西武ライオンズの頃の切れ味がなく勝ち星に恵まれていないことを挙げたい。その他には折角荻野貴のように首位打者への道を走っている者がいても、後に付いていく者が少ないと思う。鈴木大地も良いとは思うが今の使われ方は「便利屋」の如きだ。

この球団には誰に奮起を求めるべきかが解り難いのだ。監督なのか選手なのかという意味だ。

東北楽天ゴールデンイーグルス:
ここも強いのか弱いのかが解り難い。名選手ではなかった平石洋介を監督に任じたので、名監督になってテイームを立派に強化したかと見せた後に連敗したりするので困る。則本昂大が故障していただけが成績が上がったり下がったりしてきたことの原因ではないとは思う。ここでも球団結成以来の者がいるが、テイームの顔となるとか圧しも圧されもしない中心選手が不在なように思える。あれもこれも田中将大を大決断でアメリカに送り出してしまったことが原因のように思えるのは誤りだろうか。

阪神タイガース:
最後になって申し訳ないが、ズバリと言って矢野新監督は未だ何をどうすべきか迷っておられるようだし、「1回にノーアウトランナー一塁の場面で送りバントをする」ような野球をやっていてはプロの面白さがない。何時まで高校野球の真似をする気かと言いたい。まさか同じ甲子園で野球をやっているからではあるまいな。読売にさえ勝っておけば良いのが野球ではないはずだ。それに大山悠輔に4番を打たせておくというか、あの程度の打率しか残せない者しかいない選手層の薄さが問題だ。何時までも福留孝介や糸井義男に頼っていては埒があかないと思う。

近本光司、糸原健斗、木浪聖也、梅野隆太郎等々次代を担いそうな者たちも良いが、皆小粒に見える気がしてならない。大山にしたところで精々中粒にしか見えない。全員奮起せよと言って終わる


自分の国は自分の手で守れ

2019-07-27 08:12:13 | コラム
野党を責めるべきでは:

トランプ大統領が安保条約の破棄までを声高に3度も(?)主張して以来、我が国では多くの有識者と専門家の間で「国民が憲法9条と安保に依存した平和を貪っていては駄目で、自国は自らの手で守るべきだと自覚し認識すべき時が来たのだ」トランプ大統領の警告を肯定する意見を表明された。私如きでもこの見解にはさして異論を挟む予知がないと思っている。だが、有識者等の方々は何故国民の意識不足を責められるだけで、憲法改正の阻止に不当な全力を傾ける野党や朝日新聞等をお切りにならないのかと不満なのである。

彼らが憲法改正反対にどれほどの時間と労力を投入してきたかを、私がここに云々する必要はあるまいと思う。枝野如きは一度は改憲に賛成するかの如き駄文を発表していたにも拘わらず、立憲民主党とやらを小池百合子のお陰で設立してからは見事に「憲法改正の阻止」の旗頭になってしまった。安保法制改革の際にも彼らは全力で反対した。そこに今度はホルムズ海峡海峡での安全運航問題が生じてアメリカからは“coalition”への参加を要望されたが、恐らく野党どもは憲法と安保法制を持ち出して反対するに決まっていると、今から予想している。

私も国民の1人だと思っているが、有識者と専門家の方々に言われずとも、これくらいの事の認識も理解もあると思っている。私が言いたいことは「責められるべきは何処の国の国会議員かも解らないような枝野を始めとする不心得な野党の議員だ」という点である。マスコミの連中だってこれくらいの良識というか認識はあるのだろうと勝手に考えているが、自発的に「自国は自分で守る態勢を整えよう」と論じたのでは面白くないとでも考えているのかも知れない。だから有識者の口を借りているのではないのか。

私は後難を恐れて言うが「coalitionを結成せざるを得なくなったのはトランプ大統領が核合意からの離脱を実行されたことに起因しており、イランとの関係が悪化した為ではないのか」と思っている。宮家邦彦氏も指摘されたように“coalition”を何処かの何方かが「有志連合」などと訳したからこの事全体おかしくなったのだとも本気で考えている。であるから、本文中でも“coalition”(「コアリション」に近いのが英語の発音)として、「有志連合」を使っていないのだ。

27日の産経新聞では元自衛艦隊司令官の香田洋二氏が「coalitionに参加しない選択もある」等の四つの選択肢を論じておられる。産経ならではの一面の記事だ。


7月26日 その2 韓国はWTOに提訴すると言うが

2019-07-26 16:22:31 | コラム
「日本憎し」で凝り固まっているのか:

この「輸出手続きの変更」を韓国が問題にし始めて以来、細川昌彦中部大学教授を始めとする多くの専門家の方々が「韓国はWTOにこの件を問題として提起し、更に提訴するとの意向まで示している。だが、その場合に仮に言わば二審まで行ったとすると結審までは数年かかってしまうことがあり得る。その間に新たな方式で輸入を申し入れたとすると、マスコミが言うような90日も要することはなく精々1ヶ月以内で通ってしまうだろう。そうすれば提訴しながら輸入を続けることになってしまうのだが・・・」と疑問を呈しておられた。

25日夜のTBSの「報道1930」でも松川参議院議員他の出席者もこの点を指摘しておられた。私にも如何に文在寅大統領が反日と残渣整理だったかに政治生命を賭けて取り組んでおられるにしても、この専門家たちが指摘されたように輸入が進行したとすれば、仮にというかもしもWTOで敗訴に終わったらどうする気なのかが不明だとしか思えないのだ。また、例えば数年をかけて勝訴になったとしても、その頃には文在寅氏は青瓦台にはいないかも知れないのだ。

経産省は26日にTwitterで韓国に反論して「WTOでは韓国の主張に賛同した国はなかった」とあらためて指摘した。私は午前中に僅か時間があったので、ジムのサロンでNew York Timesをさっと見出しだけ拾い読みしたが、WTOに関する記事は1行もなかったと思った。これはアメリかでは、我が国で過大に評価されているとしか思えない大手地方紙でも、この件に関心がないと見て良いのかと判断した。

タフネゴシエーター(a tough negotiator)

2019-07-26 07:58:09 | コラム
手強い交渉相手となる為には:

実は、私は永年この「タフネゴシエーター」という表現がカタカナ語なのか、本当に英語の表現なのか確認してこなかった。というのも、アメリカの会社に勤務していた間に彼らが使っていたかどうかの記憶が定かではなかったからだ。そこで今回初めて検索してみると、英辞郎でもWeblioでも英語の表現として使われているという解説になっていた。

そこで、現在我が国が例によって例の如き韓国が「輸出手続きの変更」を巡ってごてている時なので、我が国の代表がWTOで彼らに対して手強い交渉相手になって欲しいとの願いを込めて、この際我々が交渉相手として極めて手強いと痛感していた2人の我が国の「タフネゴシエーター」を語って見ようと思うに至った。

ここに採り上げるお二方はアメリカ人を震え上がらせた凄い交渉人であり論客だった。始めに採り上げるのがW社の全世界最大の製造業界の得意先だったN社のM部長だった。仄聞するところでは慶応大学では弁論部に所属しておられたとかで「なるほど」と思わせられた極めて手厳しい交渉相手だった。

M氏はその部署を離れられた後で、交渉の仕方として以下のように個人的に語られたのだった。それは「前日までに如何に討論を進めるかを熟慮して検討し、どのようにして相手をこちらの論旨の罠に嵌めて行くかを練り上げて臨む。そして上手くそこに嵌めて狙い通りの結果が出た時が快感なのである」だった。論旨の組み立てには全く隙がなく付け入る予知がなかった。同氏は英語では語られず、通訳している方が「ここから先にどう展開されるのか」とハラハラさせられたし、我が方の敏腕副社長等がどのように論争するかも正直なところ、興味を持って通訳していた。

1985年10月に私がシアトルで交通事故の被害に遭った時に折悪しく工場側の大失態で大クレームが起きてしまった。その解決の長期化した話し合いの際にM氏は最悪は我が社を切らざるを得ないことも念頭に置かれて、それは厳しい論旨で問題の解決と補償の交渉を進められた。だが、切り捨てることが問題解決にはならないとばかりに副社長に「御社は不手際を起こした工場の担当の責任者をクビにするようなことをしてはならない。君等は直ぐそういう措置を講じるがそれは誤り。責任者はその地位に止めて失敗から学ぶことを思い知らせない限り、また同じ過ちを犯す危険性があると知れ。君等は『失敗から学習することを知るべきだ』と語気鋭く詰め寄られた。

更に最終的には半年の交渉期間を経て、取引は継続と判断(決断)された上で「我が国には『雨降って地固まる』という諺がある。この失敗に懲りて二度と繰り返さないように地面を固めてこい」と我が社を諭されたのだった。余談だが、1986年4月に最終的に交渉が纏まった後では、私は当時住んでいた藤沢市の小田急の駅までは何とか辿り着いたが、交通事故の大怪我から立ち直ったばかりの私には大役を果たした精神的疲労もあって、900 m程離れた自宅まで歩く体力が残っていなかった。

もう一人は京大の経済学部の某ゼミで歴史に残る秀才だったという某総合商社の部長(当時)T氏。彼は英語でまくし立てるタイプではなかったが、短い文章を繋いでいく論旨の組み立て方が非常に巧妙で、その論旨と語気の余りの鋭さに「また彼と交渉することになるのか」と、言わば拒否感をも見せたマネージャーもいたほど手強さだった。また、話し合いが終わって「彼は何であれほど頭が良いのか」と驚嘆した技術者もいた。論争と対立を恐れない論理的なアメリカ人たちが反論する隙がない頭脳だった。彼の交渉術を見る時に明らかだったのは「交渉の成否は英語力の問題ではない」という紛れもない事実である。

英語の問題にも触れておこう。私は「文法を間違えるのは致命傷で軽蔑されて相手にされない」と主張してきたが、交渉事でもこの点を重視すべきなのである。往年のW社はそういう階層の者が管理職の地位にあったのであり、上場企業ではそういう点を誠に厳格に重要視しているのだ。実例を挙げれば。ある時、関係先から引き抜いた牛乳パックの印刷加工と乳業工場での充填機の操業でアメリカで五指に入る高卒の技師が、客先に依頼された技術指導の席で黒板に書いた英語の文法とスペルに微妙な誤りがあった。

その時にこの技師を連れてきた技術サービスマネージャー(勿論、大卒)が“Hey, Bill. It's pidgin. Correct it right away.”と満座の中で指示した。私はお客様には何を指示したのか解らなかったとは思ったが、Billは素直に直ちに訂正した。これがある一定の階層以上にあるアメリカの会社ではごく普通に行われている自国語に対する厳しさなのだ。私は日本式の英語教育やTOEICで高い点数を取ることでで対応出来る問題ではないと危惧するものだ。


7月25日 その2 英語の問題ではない

2019-07-25 13:24:47 | コラム
WTOでの発言:

プリゼンテーションの技法であるとも言えることだ。先ほど外務省の対外的交渉乃至はプリゼンテーションの際の英語の質を問題にするようなことを述べたが、誤解を避ける意味でも補足しておく。


問題は英語が上手いか下手かだけではないのだ。勿論、native speakerたちと比較しても遜色がない英語力がある方が良いに決まっている。だが、そこで経験上も指摘出来ることは「如何に緻密に論旨を組み立てて、説得力があり、聞き手を引き入れるか、聞こうとさせるかが重要で肝腎な点なのである。換言すれば、ペラペラと英語でまくし立てるだけで説得力がなければ、無意味だと言うこと。

以上、念の為に申し上げておく次第だ。