新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

名優 高倉健逝く

2014-11-19 06:56:06 | コラム
解散にも優先する話題だった:

昨日は何処の局を見ても高倉健を悼むニュースばかりで些か食傷気味だった。その過剰気味の追悼番組を敢えて非難する気はない。それはテレビ局というものはそういう為の存在であって、それ以上でも以下でもないことを総力を挙げて立証していただけだから。もしも特記したい驚きがあれば、古館の報道ステーションでさぞかし真っ先に安倍総理の解散表明を採り上げて、朝日新聞のゲスト解説者共に何か言うかと期待したら何と高倉健が先で「解散には後で触れる」と来たことだろう。

私と雖も高倉健という立派(なのだろう、勲章まで貰っているようだから)な俳優がいたことは承知していた。だが、50歳台(1993年まで)は自分の事業部の製品が我が国の市場で最大のシェアー・ホールダーになる為に粉骨砕身の努力をし続けていたので、何らの精神的と時間的な余裕がなく、映画と言えば飛行機の中で見ていたアメリカの映画ばかりだった。だが、ブラックレインだけは何処か劇場で見たかのような記憶がある。

と言ったような極めて個人的な事情で、幾ら彼の死を悼め、追悼せよと攻め立てられても如何ともしようがないのだ。

そこで我が映画鑑賞歴、それも1990年代を回顧してみよう。この頃は年間にアメリカ出張が年間5~6回はあったので、往復の機内で見る映画の本数が4~6本程度に加えてアメリカの国内線でもこれと同じくらいは見ていた気がする。だから、”Back to the Future”等は全4本連続だったか覚えていないが全部見ていたし、何本かの「カラテキッド」も全部見た記憶がある。合計すれば年間に20本以上は見ていた計算になる。

しかし、国内の映画については何故か極道ものはテレビで相当な数を見ていたので、金子信雄(こんな字だったか)や菅原文太や松方弘樹等のこの分野での名優?は顔を見ても解る程度の知識がある。だが、この種の映画に高倉健が出ていたかどうかも知らない。

何れにせよ、テレビ局というものはこういう為にあるのであって、こと報道に関しては国家的な重大事である衆議院解散の優先順位を低く設定していることを自ら証明してくれたと思っている。

ニューズウィーク日本版 11.25

2014-11-18 13:15:51 | コラム
興味深い読み物:

本18日は8時半から国立国際医療研究センター(NCGM)・循環器科での採血と定期検診との間の長い待ち時間に読んだ11.25号のトップ記事「アベノミクスの正念場」(Whither Abenomics?=アベノミクスよ、何処に行く)は筆者がジョージ・ウエアフリッツ(元東京支局長)と横田孝(編集長)で、結構な読み物でした。私は野党が一斉にアベノミクスを批判していることがまさしく奇妙に聞こえると読みました。

それに加えて、私にはフレッド・カプラン(米外交問題評議会研究員)の”さあ、「大国の責任」の話をしよう”(Let’ Make a Deal)で米中関係を論じていたのが興味深い記事でした。私がこう言うからには、習近平の批判もありますし、オバマ大統領もそれなりに貶され褒められてもいます。

私はアメリカ人が我が国について書く記事は往々にして多少見当違いなこともあると思っています。だが、彼等は我が国に遠慮する必要もなく且つ又情緒的に流れないので、「へー、アメリカではそう見るのか」と学習できることがあります。また、このような日本語版は言葉の負担も少ないので、定期検診で採血との間の長い長い待ち時間に買い求めて読んでいます。この号ではその他にもイスラム教圏の国々の記事も興味深いものがありました。

と言う次第で、敢えてご紹介する次第です。

7~9月期のGDPも-1.6%

2014-11-17 09:46:30 | コラム
又もやマイナス成長だった:

偶然に見ていたテレ朝では、内閣府詰めの記者から速報値がデスクに電話で知らされたとして「-1.6%」がフリップ・チャートに描き込まれている画が出てきた。

私は遺憾ながらこのマイナス成長を示す数値には驚きも何もなかった。私はずっと「紙パルプ産業」という眼鏡を通して見た景気回復度合いが誠に芳しくないと言い続けてきたからだ。しかし、私の悲観論は決してそれだけに基づいていたのではなく、街を見て歩いた実感からも景気回復未だしと語ってきたのだ。

例えば、この新宿のアパートの周辺に路上駐車して油を消費するのではなく売っているタクシーの数の急増を連日見ているし、語り合った商社マンの情報では「経費を節約すべくタクシーを使用した場合にはその乗車が当日の行動予定表と一致していた場合のみ経費として承認される仕組み」を導入した会社があるとも聞かされていた。企業では景気回復が芳しくない昨今では、ここまでして諸経費の削減を図ったいる例があるのだ。

世界では原油価格の下落が報じられてはいるが、未だに石油・石炭・天然ガスに頼って発電をしている大きな途上国であり世界第2の経済大国もあれば、文字通りの途上国からの化石燃料の需要が増すばかりでは、我が国でもエネルギー価格を削減する方法などあり得ないのが現実だ。その最中にあって、原発を全部止めた政権の後始末をすべきなのに、未だに道半ばにも至っていないのが我が国だ。

言いたくないが、民主党を選んだのは国民の皆様だったのを忘れてはならないのだ。そのツケの精算は安倍内閣でも容易に果たせないのではないか。

物価上昇が跛行的であろうと何だろうと、賃金の上昇率が追いついていなければ、買い控えになって行くのは仕方がないだろう。年金からでも何でも取りやすいところから取り立てていこうという財務省を抑え切れていなければ、個人消費が伸びないのもこれまた理の当然だろう。円安だからと言っても、肝心の輸出相手国も景気低迷に苛まれていては、理屈通りに輸出が伸びないのである。貿易赤字だって出るのだ。

私は安倍総理が消費税率引き上げ後の2四半期続いたこのマイナス成長をどのように判断されるか、解散に持って行かれるかにはさしたる関心はない。仮令解散総選挙に持って行かれても、新内閣が10%への消費税率引き上げを延期された後で、本当に景気を回復させる政策を打ち出せるかに深い関心がある。

金融緩和であるとか、補正予算であるとかの手は打たれたが、その結果としての実際の生きた経済の面での朗報が少ないのでは何にもなるまい。私が指摘し続けた「経営者の劣化」は政策では改善できない。好ましくない経営陣に任せた結果で、世界的にも著名な大手企業が何社低迷したか。そこにも問題がありはしないのか。だから思い切って給与を増額するような手が打ていない凡庸な経営者が多くはないのか。

解散は何れされるのだろうが、そこで再選されてくる議員たちは現在の不況と長引く景気低迷の責任者たちだったとしたら、どうなる。政治資金の管理もろくに出来ないような議員をまた選んできてしまったらどうなるかなどと考えていると、悲観論者の私は気が重くなるのだ。

沖縄県知事選の結果に思う

2014-11-17 08:24:09 | コラム
翁長新知事は本当の県民の意向なのか:

大方のマスコミの予想した通りと言うか何と言うべきか、翁長前那覇市長が当選してしまった。あの得票差ではあの結果が沖縄県民の総意を表していることになるのだろうか。沖縄県には明らかに一党一派に偏した新聞が複数あると聞いている。多くの県民が米軍の基地が無くなることを望んでいるとも報じられている。鳩山元総理が「最低でも県外」と言ったのも承知している。

私は民主党政権下であの3.11の大災害が発生した後では地方主権とやらが蔓延り、政府が派遣した大臣が県知事との会談で直立不動の姿勢で挨拶し、県知事が着席したままという画を何度もテレビのニュースで見た。特に沖縄県では仲井間知事が起立している画を見た記憶が無い。私は如何に民意で選ばれたとは申せ、企業に喩えれば本社の部長との会議でその県の営業所長が座ったままなどは考えられないなと思っていた。

だが、その反対が現実で、民主党政権下では県知事、市長、村長の中央の大臣や各省庁の幹部に対する立ち方(立場では無い)が、限りなく上昇させられたのかなと思って、そういう会談の報道を見ていた。

しかし、政権が自民党に戻って既定通りに普天間基地を辺野古に移転させる方向に進んでいる。そして沖縄県民も含めた勢力がオスプレーの配備に反対し、それを支持する新聞も現れたかと思えば、この度の普天間基地移転に反対する翁長氏の当選である。私は矢張りこれから先も営業所長が本社の役員会の決定に反対する姿勢で臨むのかと、大いなる関心と寒心を持って見守っていこうと考えている。

ずっと以前からある、沖縄県と県民の基地を数多く変えている負担の意味を私が知らない訳では無い。私はそう言うことを論じていく気では無く、陳腐な言い方を選べば「かかる下克上的な地方の中央の決定に対する抵抗を許して良いものなのか」に疑問があるのだ。私の独断的偏見ではかかる地方主権尊重的な風土を演出したのは、民主党政権の失政であると断じたい。もしかして橋下大阪市長の政策の影響もあるのかとすら考えてしまう。

私はアメリカとの合意が厳然として存在する限り、安倍内閣がごく普通に基地の移転を進めていって貰いたいと思うのだ。だが、その前に私の目には歪んでいるとしか見えてこない地方の首長の中央に向かっての姿勢を正していくことにも着手して貰いたいのだ。民主主義の下には多数決の大原則があると聞く。原則論だが、中央政府の決定を支えた閣僚と議員を選んだ数が、その地方の民意の数よりも大きいと思うのは誤りだろうか。

紙の需要に回復の兆しなし

2014-11-16 10:02:39 | コラム
商社マンと懇談した:

『先日話を聞いた専門商社の輸出入担当者と同じで、この毎度お馴染み?の商社マンの市場の見方は本15日の天気のように暗く且つ悲観的だった。実際の市場とは離れて久しいものがある当方の捉え方と同じだったのは、誠に悲しいことである。

即ち、アベノミクスの紙市場への効果というか波及は未だしということ。特に、本日のように99円台から100円に振れた為替では、中国方面の対日輸出に注力しているメーカー筋では少なからず慌てていたとか。これは、同時にアジアでは未だに我が国は活気がある市場と見なされていることでもあるようだ!?

紙の需要の辛い点は「3.11で東北地方の大型の工場が数軒停止した際に、顕著な紙不足を来さなかったにも拘わらず、現在ではそれらの工場のほとんど全部が再稼働している辺り」にある。それでもアジアの新興勢力からは現在の為替レートでも、我が国は世界のどの市場よりも魅力的に見えるのは、世界的に紙需要というか、印刷媒体の不調が慢性化したということだろう。

他に、彼ともある程度意見が一致したことは、未だ街を歩けば大小を問わず「安売り」を標榜している小売店が多く、レストランや雑貨等の小売店が消えていたり、他の業種の店に変わっている例が多い点だった。

彼は最近マンションの売れ行きが好調だという裏には、消費税率の引き上げ前の需要も兎も角、実際にそこに居住する人がいるのではなく投機的な買いが入っていると見立てていた。

また、香港辺りの紙の相場を見れば、印刷用紙類は我が国の低価格とそれほど変わらず、アジアでも景気回復は未だしだという事実を実証しているのだった。「この不調から脱出する方法が何処にあるのか、いや解らない」を結論として懇談を終わった。再三述べてきたが、紙市場は自力では立ち直れないという宿命がある。』

実は、以上のかぎ括弧で括った部分は昨年11月15日のブログなのだが、太字にした為替レートを除けばそのまま今日に通用するのではないかと思わせてくれる。「何ともはや」という状況ではないのか。即ち、彼等が景気が好転していないと語った1年前と現在では何処が変わったのかということに思えるのだ。