新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

1月7日 その2 トランプ大統領の政治手法

2020-01-07 15:24:19 | コラム
“unpredictable”だけではない:

今回のイラン革命防衛隊のソレイマニ司令官殺害の挙に出られた件について、ある専門家が「トランプ大統領の判断の基準は『選挙の再選』か『損か得か』だけではなかったようだ」という解説をしていた。私は事がイランを相手にした場合には、勿論「損も得」もありとは思うが、それどころではない世界中に大きな波紋を巻き起こすという大きな影響が既に発生しつつあると見たい。即ち、早速世界の方々の株式市場で下げ相場になり、比較的安定と見られている円が高くなり、国内ではガソリン価格が上がり気味という具合だ。


トランプ大統領はイランが報復に出れば52箇所の云々と言い返されたが、なるほど確かにあの大使館占拠の件がアメリカでは余程腹に据えかねておられるようで、取られた人質の数を引用しておられた。私のように最早注意力が散漫になった高齢者でも、近頃アメリカとイランが言わばジャブ(余談だが、このボクシング用語の綴りを初めて確認したが“jab”だった)の交換をしている程度は承知していたが、トランプ大統領がいきなり真っ向からストレートを打ち込まれるとは考えてもいなかったのは、矢張り“unpredictable”かと感心している場合ではないようだ。

一説には「アメリカには常に武器商人たちを喜ばせねばならないという時と場合が来る」そうだが、トランプ大統領は戦争を望んでははおられないタイプの大統領だという報道があったように記憶する。だが、イランではソレイマニ司令官の棺を囲んで数万人が「アメリカ、死ね」と大合唱をしているところを見せられては、ここから先が如何なる事態になっていくかは色々と予想はできる。だが、アメリカとイランでは戦力が違い過ぎるので勝敗の帰趨は明らかではあると思う。しかし、相手になるのがイラン一国ではなくイスラム教圏内の諸国であれば、容易なことではなくなるのではと危惧する。

トランプ大統領とその腹心の如くに見えるポンペイオ長官が、この事態に如何に対処、適応して行かれるかが、世界に与える影響な非常に大なるものがあるとしか考えられない。報道によれば、トランプ大統領はソレイマニ司令官殺害には反対だったとのことだ。それが実行に変わられるに当たっては、その影響がいかばかりかを何処まで考慮されたのだろうか。再選に如何なる影響を及ぼすかは当然計算されたのだろうが、あの非知識階層がイラン(とイスラム教の国々)と事を構えることを評価する見識があるのだろうか。それとも、その勇気を礼賛させるのか。

何れにせよ、私は暫くの間はトランプ大統領が講じられるだろう次なる一手か二手と、イランその他のアラブ諸国の出方を注視していくだけかと思っている。



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