新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

和製英語と合成語

2008-03-12 20:20:49 | 200803

これは渡部亮次郎氏主宰のメルマガ「頂門の一針」に連載して頂いた長編のいわば延長線上にあるエッセーである。私はこういう我が国の何処かにいる造語の天才に敬意を表すると同時に、その面白いものを取り上げて楽しんでいる。
ここに掲げる三つの例も「あれ?」か「ヘー」と思って頂ければ満足である。

ソース                          Worcester sauce<o:p></o:p>


解説)ウスター・ソースのことである。外国人は日本の食堂で醤油とソースに分けて容器に入れてテーブルに置いてあるのを不思議がる。何故かと言えば、英語にすると醤油が”soy sauce”で、片や”Worcester sauce”だからである。そして、トンカツ愛好者をトンカツ屋に連れて行って「ソース」と言うと「トンカツ・ソース」が自然に出てくるのでまた驚く、という具合。<o:p></o:p>


外国人はフランス料理屋に行って美味な料理に出会うと”The sauce was excellent!”等と言う。では「ソース」とは一体何だろう?<o:p></o:p>


Oxfordによれば”a thick liquid that is eaten with food to add flavour to it”だそうである。「食べ物に風味を加える濃厚な液体」では、少なくとも何も特定していないと思う。そのソースの一種類を我が国では「ウスター・ソース」と特定するようになった経緯を私は知らない。Oxfordには「トマト」「クランベリー」「チリ」「ホワイト」「ソイ」「タルタル」というソースがあるとの例が挙げられている。<o:p></o:p>


私にとって興味深い点がある。それは日本では上記のように醤油は調味料的な存在であり、ウスター・ソースと共に独立した容器に入れられていること。だが、欧米ではソースはすでに味付けに料理の一部としてかけられているもののことである。特別の容器はない。当たり前か。
和製英語の範疇に入るかな?


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ゴーサイン                      greenlight<o:p></o:p>


解説)これは立派な日本語であるし、造語だろう。今日もテレビのニュースで使われていた。面白いのは信頼している英辞郎には載っていなかったことで、ワードでも赤線が引かれてしまうこと。英和辞典では「ゴーサインを出す」と平然として載っている。多少俗語的な雰囲気もあるが、日常的にも仕事の上でも、文字通り「ゴーサインを出す」という意味で普通に使われている。<o:p></o:p>


このgreenlightの間にスペースを入れると「青信号」になるのも面白い、実際には日本でも緑色の信号なのに。私はStop lightと言われている交通信号がこの語源だと勝手に解釈している。ここでまたOxfordを引用しよう。”permission for a project, etc. to start or continue”とある。英辞郎、何をしている!ワードもだ!<o:p></o:p>


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ブレークする                    breakthrough<o:p></o:p>


解説)多分これで良いと思っている。これはテレビ局並びにタレントたち御用達語である。思うに「大成功」、「躍進」という意味で使っているのだろうが、後半のthroughの発音が難しくて省略したかそのまま「ブレークする」としたのだろうと想像するのだ。故岡田真澄がこの言葉を使ったのを聞いて眉をひそめて「何でそんな言葉使うの?それは壊れるという意味だよ」と窘めたのが忘れられない。彼はthroughが「する」に変わったとは考えられなかったのだろうか。<o:p></o:p>


分類としては合成語に入れたいのだが、言葉の誤用でもある気がする。矢張り「大躍進した」か「大成功した」と素直に日本語を使ったらどうだろう。それともタレントたちは漢字が読めなかったか?<o:p></o:p>




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