新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

2016年の我が国の広告費

2017-03-22 07:58:52 | コラム
我が国の広告費は5年連続でプラス成長:

電通は毎年「日本の広告費」を集計して発表しており、この度2016年の実績を発表した。それによると、広告費は緩やかな景気拡大にともなって増加し、対前年比で1.9%の6兆2,880億円で5年連続の増加となっていた。その中で製紙産業にとって遺憾だったことは、紙系統というか印刷媒体のシェアの後退傾向には歯止めがかかっていなかった点だった。

広告費の推移をGDPと比較すれば、16年度にはGDPが5,373,112億円で対前年比+1.3%で、広告費は62,880億円で対前年比+1.9%、対GDP比では1.17%だった。15年度にはGDPは5,305,452億円で対前年比+3.3%で、広告費は61,710億円で対前年比+0.6%で、対GDP比が1.16%となっていた。

次に16年の広告費を媒体別に分析してみると、

マスコミ4媒体が28,596億円で対前年比△0.4%で、15年度の△2.4%よりはやや改善されていた。この中で新聞は5,431億円で対前年比△4.4%と前年の△6.2%よりはましだったと言えよう。雑誌は2,223億円で対前年比△9.0%と大幅の落ち込みで、前年度の△2.3%よりも更に悪化していた。ラジオは1,285億円で対前年比+2.5%で前年度の△1.4%より改善されていた。テレビは19,657億円と+1.7%と前年度の△1.2%から3%近く改善されていた。

問題のインターネットは13.0%の伸びで13,100億円となり、15年度の10.2%をも上回った。しかし、これでも広告費全体に占めるシェアーは20.8%で、マスコミ4媒体の45.5%の半分以下だった。インターネットを分析すれば、媒体費が10,378億円で対前年比+12.9%、広告制作費は2,722億円で対前年比+13.4%となっていた。

上記以外ではプロモーションメディアが21,184億円で対前年比△1.1%で前年に続いて減少していた。その中でフリーペーパー紙誌は2,267億円で対前年比△1.6%と前年度の△0.6%から続けてマイナス成長だったのは、個人的にはやや意外な感があったし、紙媒体(=印刷媒体)の衰退が続くのは時代の流れとは言え、悲しいものがある。

参考資料:紙業タイムス社刊 FUTURE誌 17年3月27日号


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