新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

W杯サッカーに出場が決定

2017-09-01 08:02:14 | コラム
オーストラリアに勝って本当に良かった

31日夜のW杯サッカーの最終予選の対オーストラリア戦の勝ち方はとても良かった。実は、何を隠そう、かく申す私はある程度悲観的だったのだ。それは世界にも希なフェアープレーを信条とするサッカーをする我が代表に対して、これまでのオーストラリアのサッカーはアジア太平洋地域では最も強暴で体当たりを武器とする言わば肉弾戦を仕掛けてくるからだった。

しかも、我が代表はこれまでに最終予選では一度もオーストラリアには勝てていないとの実績もあったのだ。しかし、オーストラリアでは近年は監督が替わって、何故か中途半端なパス回しを心掛けるようになってきたので、そこには勝機があるかなとは期待していた。

前半は確かにオーストラリアは60%のボール支配率で得意の?パス回しに徹してきたが、NHKのBSの解説の木村和司は「この戦法で来る限り安心だ」とそのパスサッカーの至らなさを見抜いていたのは心強かった。後半になってからのオーストラリアは1点を追って多少は本来の持ち味である乱暴な辺りには出てきたが、相変わらず「そこでも回すのかよ」と思わせるほど不毛なパスサッカーに固執していたのは意外と言うよりも、良い意味で呆れていた。

昨夜の我が代表の良かった点を挙げていこう。それは何と言っても「世代交代」である。「交替」でも良いかも知れない。事前の新聞報道では本田、香川、岡崎等の古参を使わずに乾、井手口、大迫、浅野等を使うとの予想があったので、長いこと世代交代の必要性を唱えてきた私だが、多少不安があったのだ。しかし、ハリルホジッチ監督の思いきった新世代を中心にした布陣は成功したのだった。

次に印象に残ったのが、細かいパス回しをせずに前に残った大迫、乾、浅野等に言わば縦一発式な「前へ」という積極的な攻め方をしていたことだった。その為かどうかまでは知らないが、これまでに散々非難してきた横→横→後という消極的な後陣のデイフェンスの間での無意味なパス回しがなりを潜めていたのも良かったと思う。大迫もきついオーストラリア当たりに耐えてポストプレーに徹していたのも褒めておいて良いかも知れない。

若手の中でも良かったのが井手口だった。彼は数少ないJリーグ在籍中の選手で、今頃言っても遅いが、私は密かに将来面白い存在になるだろうと期待していた存在だった。だが、申し訳ないことに余りJリーグの試合を見ないので、昨夜ほどやれるようになるほど成長していたとは知らなかった。不明を恥じねばなるまいと反省。同様に、浅野も「タダ足が速いだけでは・・・」とくさしていたので、あの1点目になったデイフェンスの裏を取って飛び出して、長友からのパスに合わせた辺りは出色の出来だったと褒めたい。

オーストラリアに1点も取らせなかった長谷部を中心にした守りも褒めておかねばなるまい。長友、吉田、昌子、酒井宏、山口蛍たちは良くやってくれたと思う。但し、攻めに回った時に酒井と前にいる者との呼吸がもう一つ合っていなかったのは気懸かりだった。乾等の新顔が多かったからだという言い訳は通用しないのではないか。

勝つ時はこういうもので、日頃批判ばかりしている私も正直なところ、手に汗握る思いで「閃き」などに依存せずに、ただひたすら勝ってくれと思って見ていたし、またその通りになったのは「誠に欣快に存じます」だった。予選は未だ一試合残っているが、これから来年の本番に向かって、長谷部主将が試合後に語ったように、あの場にいた者の誰一人としてロシアに行けると決まっていないのだ。

何やら私的な事情があるかのようなハリルホジッチ監督が来年まで指揮を執るか否かが急に不明になったかのようだが、新時代の精鋭で押していくのか、前回までの経験者の経験をどのように活かしていくかが大きな課題となるだろうし、あの23名以外が何処まで成長するかも見所だと思う。何しろ、W杯の本戦ではオーストラリアどころではない強敵がひしめいているのだから

それにしても、オーストラリアは何故あそこまで未完成なパスサッカーに拘泥したのだろう。何故、37歳のケーヒルに拘るのだろう、ハリルホジッチ監督が世代交代の手を打ったのに。



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