新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

4月23日 その4 アベノマスクの問題点

2020-04-23 14:45:27 | コラム
マスクは有り難く受領済み:

実は我が家に配達されたのは先週の18日(金)で、当アパートの3棟の内で我が方の棟を含めて、2棟も昼間に停電して大騒ぎをしている最中の配達だったので、取り紛れていた。マスクは確かに小振りだが何らの品質問題もなく、正直なところ印象は薄かった。ただ、同封されていた取扱説明書のような印刷物には、何処を探しても原産地国の記載がないのは不思議だった。

それが日が経つにつれて、畏メル友YO氏からは具体的に我が国が製造を依頼したのだろう国が「中国、ベトナム、ミヤンマー」と知らせて頂けたし、引き受けた業者も興和、伊藤忠商事、マツオカコーポレーションとも解ってきた。この取引は「入札、それとも随契」という声もあった。ところが、話はそこまでに終わらず、毛髪等の異物が混入したり、汚れがあったマスクが数千枚もあったとの報道が出てきたのには、些か驚かされた。そんなことはあり得ないのではないかという意味だ。

その後の報道では「未配達の製品を目視で検査している」というのには、今度は呆れた。ある製紙会社のOBは「製紙会社の常識では目視で検査などは論外である」と憤慨していた。20年以上もアメリカの紙パルプ林産物メーカーで「液体容器原紙」という、飲料や食料品と直接に触れる容器となる紙を我が国に輸出してきた者としも、とても信じられない粗雑な品質管理であると信じがたい思いである。

と言うのも、紙は製造工程で高温の水蒸気が入っている何十本ものドライヤーというロールの中を通って乾燥させられた上で、次の工程では融点を超えて解けた高温のポリエチレンフィルムが両面にラミネートされているのだが、それでも1平方フィート当たりの細菌(英語では「バクテリア・カウント」と言うが)の数の規制があり、試験室では現場で採取した見本紙を厳重に科学的手法でチェックしているのだ。それほど神経を使うのが食品に直接触れる容器の紙だからだ。

ところが、マスクが直接に触れるのは人体であり、しかも口と鼻である。液体容器原紙にあれほど厳格な規制を設けている我が国で、そのマスクを目視で検査とは、正直なところ俄には信じがたいのだ。あの袋の上からの目視だったならば裏面は見えないだろうし、手で取りだしての目視をするとしたら、これまた論外である。厚生労働省や税関は何をやっていたのかと訊いてみたい衝動に駆られる。私がこんな事を言ったから不安に思われる方は、着用の前に洗剤で洗われれば良いのではないか。兎に角、杜撰な仕事をしたものだと驚いている。



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