新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

カタカナ表記の面白さとおかしさ

2023-05-10 08:36:42 | コラム
ロスアンジェレス・エインジェルスなのだけど:

毎朝テレビのニュースを見ると、先ず出てくるのが「ロサンゼルス・エンゼルス」の大谷翔平が投げたか打ったかの関連なのだ。それはそうだろう、彼らが誇るMLB随一で唯一である「二刀流」の彼の大活躍ぶりのお知らせなのだから。だが、当方は何時も「何故、こうなってしまったのだろうか。誰が如何なる権威の下に原語とは異なる表記にすると決めたのだろうか」と、不思議なことに思えてならないのだ。

元の英語ではLos Angeles Angels名のだから「ロスアンジェレス・エインジェルス」とするのが最も原語に近いのだ。Los Angelはスペイン語の聖母マリアのことだとは辞書に出ている。スペイン語では「アンヘル」だろうかと思うが、アメリカでは「エインジェル」のように発音する。それが、我が国に入ってくると「ロサンゼルス・エンゼルス」になってしまったのだが、何故かNHKは「エンジェルス」と表記している。

このようにローマ字読み風ではないようなカタカナ表記は案外に数多くあるので、ローマ字式と共に、気が付いている他の例をいくつか挙げてみよう。私は長年極めて単純に「何故、元の英語の通りにしようとは考えなかったのか」と不思議なことだと思ってきた。序に指摘しておくと「ロス」というのは日本語で、ジーニアス英和もそのように指摘している。アメリカ人たちが使う略称は”LA”だと思う。ロスアンジェレス空港はLAXと表記されている。

アスレチックス:
Athleticsのことで、同じMLBのアメリカンリーグ所属のOakland Athleticsのこと。でも、如何なる配慮をしたのか「アスレテイックス」とはしないで「アスレチックス」」にされてしまった。似たような例に」「チケット」がある。これの元は「ティケット」となるべきticketだったのだ。「思うに」というよりも、疑えば、この表記を編み出した方は「日本人には日本語にはないticketの発音が難しい」と勝手に判断したのだろう」となる。

これは英語教育の問題で、私は「この点などは最初に英語を覚えるときに、キチンと『ティケット』と言えるように教えておけば良かったのに」と考えている。現に、昭和20年(1945年)4月に初めて敵性語の英語を教えられた私は、先生の真似をしただけで発音できるようになった。できるようになるまで教える努力をすべきではないのか。この点では”th”の発音についても同じ事が言える。

アルミニウム:
これもローマ字読み風だが、奇怪な表記でもある。英語ではaluminumの発音は「アルミナム」で「アルミニウム」ではないのだ。ローマ字読みにすれば「アルミヌム」となるはずだが、何故か「アルミニウム」にしてしまった。これと同様に”symposium“は「スィンポウジアム」ではなく「シンポジウム」になってしまった。「アクアリウム」も同じ事で元は”aquarium”だった。ローマ字では”u“を「ユー」とは読ませていなくても「アクエアリアム」なのだ。

オアシス:
これは典型的なローマ字読みだろう。”oasis“は「オエイシス」が最も原語に近いし、難しい発音でもないのにも拘わらず「オアシス」にしてしまった。アメリカに行けば「青木功」氏は即ちIsao Aoki「エイオキ」になってしまうし、大坂なおみさんのNaomiは「ネイオミ」にされるように、”a”の読み方は言えば千差万別なのだ。

カプセル:
これの原型が”capsule“だったと知ったときには正直に言って驚いた。偽らざるところを言えばcapsuleだとは知らなかったのだ。キングズイングリッシュの発音では「キャプシュール」で、アメリカに行っても「キャプスル」辺りだから。ローマ字読み風でもあるが、聞き取り損ない的な表記だと思う。

コラーゲン:
実は、つい最近まで英語表記が”collagen”だったとは知らなかったのだ。これはならば、どう読んでも「コラージェン」以外にはなり得ないと思う。言うなれば「エンゼルス」とは似て非なる”g“の表記ではないのか。言いたいことは「何で、コラージェンにはならなかったのか」である。

ペプチド:
これは、心不全を抱えている私が最も気にしているBNPの中のPを表している。BNPとはBrain Natriuretic Peptide(日本語で脳性ナトリウム利尿ペプチド)のことである。そしてpeptideの発音は「ペプタイド」が最も原語に近いのだ。私は中学1年の時に「終わりがeでその二つ前に母音が来る単語には、その母音はアルファベット通りの発音になる」と教えられた。その原則を無視した表記が「ペプチド」だとは、「問題が英語教育にあるのでは」ということ。



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