新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

12月14日 その2 甲子園ボウルとFIFAクラブW杯のサッカー

2015-12-14 07:27:32 | コラム
昨13日夜は冷静に観戦した:

今朝は午前10時には検査入院で病院に向かわねばならないが、寸暇を惜しんで冷静な評論家として昨日の二つのフットボールの試合を論じておかねばなるまい。

悲しかったのは聞いた限り(見た限り)のテレビのニュースでは、甲子園ボウルの結果は報じられていなかったことだ。試合の中継もNHKはBSで、夜の大阪で行われたサッカーは4チャンネルでBSではなかった。これは差別待遇だと思うが、フットボール業界も奮起して差別を撤回させるように努力する必要があるのでは。

先ず甲子園ボウルから。結果としては立命館大学が28対27と僅か1点の差と言うか4本のTD(タッチダウン)対3本で関東代表の早稲田大学を退けて5年振りとやらの優勝となった。冷静な評論家は今年の立命館は不出来な仕上がりと聞いていたし、事実6日に川崎で観戦した関西リーグ2位だった関西学院の「これが関学?」と目を疑いたくなった弱さから推定すれば、およそ立命館の完成度の見当はついていいた。

また、先月わざわざ病み上がりの体調を気遣いつつ横浜まで出向いて観戦した早稲田も、折角の早慶戦をリーグ制覇が決まっていて後でもあり、スカウティングの目を欺く為にか一軍を出していなかったので、実力を推定することも出来ていなかった。即ち、どのような展開になるのかは考えていなかったのだった。

早稲田は前半にいきなり立命館に3本のTDを連取されて「こんなものかな」と思わせてくれたが、解説の関学出身の元アナウンサーの有馬が絶賛し続けたQBの政本が長いパスとランで2本を返して接戦に持ち込んで、見る者を楽しませてくれる形にしてくれたのは結構なことだった。早稲田は言わば高校の全日本決勝戦を三連覇した早大学院の監督・浜辺氏を昇格させて力をつけたらしかったし、早稲田独特の闘争心で後半に入っては一時27対21とリードして「もしかすると」と期待させた。

だが、結局は思わぬところで実力が負の面で発揮されて「あわや再逆転か?」と思わせた局面で、政本の果敢な長距離を稼いだランの際に”Unsportsmanlike conduct”で罰退となった上に、攻めを焦って”False start”を犯して更に罰退で合計20ヤードを失って、残り3秒で3点を狙った甲子園ボウル史上最長のフィールドゴールに失敗して涙をのんだのだった。私はあの場で反則を続けたのが早稲田の実力であり、実力はあのような緊迫し緊張を強いられる場面でこそ出てくるものだと結論付けたい。

立命館の優勝を称え、早稲田の健闘を評価したい。約3時間を手に汗握りかけたほど楽しませてくれたことを感謝したい。先程も一寸触れたが、有馬の解説は甲子園ボウル制覇の経験者としては一応の価値は認めるが、あの選手たちを褒めちぎるだけの極言すれば「おべんちゃら」的な解説は感心しない。駄目なプレーがあれば「それは斯く斯く然々の理由で駄目」とハッキリ言わねば何の為に出てきているのか解らないのではないか。これはサッカーの場合の福田正博にも言えること。

さて、サッカーである。広島がアフリカ代表のマゼンベに3対0で快勝したのには大いに気分爽快にして貰えた。前回広島を余り褒めていなかったが、昨夜は前言を撤回したくなったほど見事な出来で、身体能力に優れその瞬発能力で見る者を楽しませてくれるアフリカ系アフリカ人(変な言い方だが)を言わば翻弄したのは偉いと思う。前回の乱暴なサッカーをするニュージーランド勢に3人の怪我人を出さされてしまったが、粒の揃った選手を多く養成してあったので問題を生じさせなかった森保監督の手腕も讃えねばなるまい。

冷静な評論家が見る広島の最大の長所は(昨夜だけのことでないと信じたいが)全員のトラッピング(trapping)の技術というか基礎が実に良く固まっており、代表選手の一部に見られるトラッピングの悪さから生じる球扱いの失敗がほとんど無く、後方から来たパスでも球を瞬時にコントロールして前方を素早く向き、次ぎのパスを正確に出す技術が傑出しているとみた。極言すれば「これこそが勝因である」と言いたいほどだった。

次は準決勝で南米の強豪・リバープレートと対戦だそうだが、入院中で見られるかどうか一寸疑問が残るのは不安だ。広島が善戦健闘を続けることを祈念して終わる。



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