新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

10月19日 その2 クレデイットカード払いによる軽減税率適用に思う

2018-10-19 16:06:05 | コラム
クレデイットカード物語:

嘗てはアメリカでは「クレデイットカードも持てないようでは、金融機関に経済的に信用されていないことだ」と言われていた。だが、21世紀の現代では Alipay などという決済方法が現れたし、スマートフォンその他でも小売店で通用するようになって、クレデイットカードどころではない時代に突入した。そういう時代の変化はさて措いて、この際クレデイットカードでの経験を回顧してみよう。

当方がお世話になっていた日本の会社は旧富士銀行の系列にあったので、何時の間にやらかの格式高きダイナースクラブの記名の法人として個人名のカードを与えられていた。ところが、1972年6月末を以て辞職してアメリカの会社に転出することになり、富士銀行の支店にカードの返却を依頼した。すると窓口で「アメリカの如何なる会社に転出するのか」と尋ねられ、当時はアメリか第5位の紙パルプメーカーのM社と告げ、偶々手元にあった会社概要を提示した。すると「それならば個人会員に切り替えましょう」となって、企らまずして晴れて格式高き個人会員に昇格してしまった。寧ろ呆気にとられた思いだった。

その後、1975年に業界第2位というか常にトップスリー以下とはならなかったW社に転じて数年経った後で、 American Expressのアメリかと日本の両方の事務所から頼んでもいないこれまた格式高き「ゴールドカードが自宅宛に送られてきた。狐につままれたような思いがしたので、東京の事務所に「頼んでいないよ」と苦情を言うと「W社の社員の方だから資格十分」などと言って受け入れるように半ば懇願された。流石CIAの国アメリカで、何処かで個人情報を入手したのだなと察した。

尤も、我が事業部の副社長などは事業部の本部長に昇進した後で、「州内の取引もない複数の支店からローン付のATMのカードやクレデイットカードが送ってこられた」と言っていたが、アメリカ国内ではかかる個人情報を集めては一定以上の信用がある会社の幹部にはそういうことをしてくるものらしいのだった。と言うのは、当時のW社は無借金経営で格付けは AAA(=トリプルA)だったのだから、その社員も信用されていたのだろう。でも、どうやって個人情報まで入手するのだろう。

しかし、我が国では相変わらずクレデイットカードの取得には細かい申込書への記載が必要だし年収も書かねばならず、審査も几帳面に行われているようだ。そういう事情がありながら、カード払いにすれば軽減税率適用ともなれば、カード取得を目指す人が増えるだろうし、そうなれば審査する方も大変だろうと思う。そうかと言って、アメリカのように何処かから個人情報を入手して一方的にカードを送りつけるという方式など取れまい。もしも「カード払いで云々」などとなれば、予期せざる混乱が生じるのではないのかななどと密かに懸念している。



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