新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

老後の田舎暮らしは不人気だとか

2014-06-04 16:20:52 | コラム
老後の田舎暮らしは不便だった?

昨3日に5月後半に欧州(含むUK)で2週間にわたって友人や大学関係者を訪れていたYM氏と懇談した。海外の話しも勿論興味深いものがあったが、ここでは視点を変えて「何故都内に続々と新築される高層マンションが売れているのかという話し」を採り上げよう。

YM氏は「その理由は会社なり自営業なりを引退された方々で美しい景色、綺麗に澄んだ空気、優しい地元民、晴耕雨読等々に希望を託して地方で理想の生活を楽しんでおられた方々が、それに飽きたか失望したか、馴染めなかったか、意外に不便な生活だったか等々で、近年続々と都会、それも主に都内の高層マンションを新たに購入されるか賃貸をも厭わず、敢えて俗な表現を用いれば「Uターン」されているのだ」と言う。

この傾向は一昨年辺りから大手不動産業者からも聞かされていたし、3.11以後は海岸線に近いところの土地ないしは嘗ての有名別荘か高級住宅地帯の地価が続落し始めており、これなども「Uターン」に拍車をかけているなどと解説されていた。

私は長年都会だけに暮らされていた方には「田舎暮らし願望」があるのを何となく理解出来なくはない。だが、都会と長閑な田園地帯と何処が違うかを弁えずに地方に出て行かれることは危険だと感じていた。現実には20数年を夜だけ過ごした?藤沢市の北部は落ち着いた優れた住宅地帯で、良い方ばかり住んでおられた。だが、駅前の中規模のスーパーに行くだけでも徒歩最短でも10分だったし、コンビニなどの進出は遅い方だった。

その点を現在の新宿区と比較すれば環境も良く、空気も綺麗で長閑に暮らせるのは家内と子供たちだけのことで、年間の3分の2以上をアメリカを含めて国内にも出張していた私には余り恩恵がなかった。即ち、既に地方から2時間近くもかけて都内に通っている不便さだけを感じているのと同様だった気さえしていた。

畏友SM氏はアメリカの市民権もとうの昔にとってLA郊外の住宅地帯に暮らしておられるが、近年その周辺を終の棲家と決められていた同胞の多くが「何処に行くのもドライヴで、高齢化した身には厳しくなった」等々の不便さを苦にされて、続々と日本に戻って行かれる傾向があると語っていた。それと我が国と同一には論じられないかも知れないが、似ているという気がする。

私などはこれまでの生涯で都会から離れたことがないので、田舎暮らし願望は皆無で、何の刺激もない土地で景色や澄んだ空気を楽しむ生活は絶対向いていないと家人に保証されている始末だ。現に何度か休暇を取ってサイパン島のホテルで過ごしたが、第一日目から退屈して「早く帰ろう」と言い出して家内に「そらご覧なさい」と嘲笑されたものだった。

田舎暮らし願望の問題は別にして、あれほど多くの高層アパートが続々と建っていくのを見ると恐ろしい気がする。現にここから山手線や西武新宿線の線路を隔てた空き地には、住友不動産の26階で1棟に300数十戸を収容するアパートが2棟、凄まじい勢いで建設工事が進捗している。聞くとことでは、新築で耐震建築であればドンドン埋まっていくとか。

このような現象がアベノミクスの真の効果で景気がそれに伴って順調に回復していけば大変結構なのだが、一方では年金の支給開始年齢の再度の引き上げが検討されているとの報道もある。マスコミ報道では安倍内閣は年中正念場にあるようだ。憲法改正、集団的自衛権、景気回復も是非とも強力に推進して頂きたいと念願している。


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