新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

可哀想な高校生たち

2021-08-19 08:36:30 | コラム
降り続く雨とCOVID-19に悩まされる甲子園の野球:

朝日新聞社は「何としても開催しよう」と決め「オリンピックもそうだったことであり、無観客にすれば何とかなるだろう」とでも考えたのだろうか、雨が降るとの長期予報が出ていた中で、甲子園の野球を始めてしまった。オリンピックは幸いにも雨降りにも台風にも禍されずに、8月8日に無事に終了していた。

ところが、線状降水帯は無情にも甲子園の野球開催の時期に合わせたかのように停滞し、野球の日程を狂わせてしまった。私はその様子を見て「この儘に事が悪い方向に進めば、高校野球は日程の遣り繰りがつかなくなるのではないか」と予測した。その頃には、COVID-19の影響が出ることは余り想定していなかった。それと言うのも、当然大会本部も出場校も連日のようにPCR検査を実施しているだろうし、野球部員たちもあの「バブル」とやらと同様に、厳しく禁足をかけられていると思っていたから。

ところが、先ず東海大菅生高が無慈悲な降雨のために「コールドゲーム負け」となってしまった。これは既に指摘してあったが、試合開始時刻を繰り上げる措置を講じてあれば、回避できた気がしてならない。しかしながら、事はこれだけで終わらず今度は2校で感染者が出てしまった。その2校が出場するのか、させるのかは微妙であり難しい判断だと感じた。オリンピックでは感染者とそれに伴う濃厚接触者が出た南アフリカ代表のサッカーを、出場させていた先例があったのだから。野球はサッカーとは異なる「コンタクトスポーツ」ではないのであるが。

私はマスコミ報道からは、これらの2校がどのように部員たちを管理・監督していたかは知る由もない。だが、残忍なウイルスは多くの場合に、感染経路などを特定できない状態で感染しているようなのだ。しかも、目下猖獗を極めているデルタ株などは在来株よりも感染力が強いと聞かされている。そのような条件下で感染者が出てしまった2校は不運だったのだろうか。私には解らない。

だが、結論としては2校とも出場辞退となった。学校も部員たちの無念さは計り知れないものがある。NPBの野球は観客を入れてはいるが声を出しての応援は禁じているし、ベンチにいる者たちはマスク姿だ。甲子園の野球でも同様な取り決めのようだ。それでも、1校は既に勝ち上がってきていた、ノンコンタクトの試合を経験した後で感染者が出てしまった。

天気予報では「本日も近畿地方は雨」とある。大会本部は大阪桐蔭高校対東海大菅生高の先例もあることだし、無理に試合を開始しない方が安全のような気がする、あのような無情の「コールドゲーム」にしないためにも。雨には対策が打てるが、ウイルスの感染を防ぐのは、ほぼ不可能だと思えてならない。私は身近で主に車だけで移動し、リモートで仕事をしていた2名の感染者が出ていたことがあった。大会本部、高野連、朝日新聞社は再度、非常に容易ならざる判断を迫られそうな気がしてみている。

いっそのこと「普通ならば(オリンピックは)やらない」と言われた、尾身茂分科会長のご判断を仰げばどうか。



コメントを投稿