新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

イヤな日本語

2017-06-27 08:15:46 | コラム
テレビ局の軽佻浮薄さの象徴だ:

テレビを見ていると(見過ぎると)否応なしにおかしな表現を聞かされてしまう。私のような昭和一桁生まれには到底受け入れがたいイヤな言葉が乱発・濫用されている。私には戦後間もなく若者が衒って使っていたバンドマンの言葉に似たような感覚で捉えている。真似をして使うと格好が良いような響きがあった。それらは今でも芸人たちが使っている言葉をひっくり返しにしているものや、音符を数字のように使った「ツエー万ゲー千」の類いである。

屡々聞こえてくる例を挙げてみれば「野菜がゴロッと入ったカレー」は所謂「食レポ」などで使われるが、私には下卑ているとしか聞こえない。「~さんが完食」というのは珍しくも漢字が使われているが「全部食べました」ではいけないのかと思ってしまう。「マジっすか」、「ガチで」等は芸人が多用している。日本中の誰でもが解ると思って使っているのか、それとも下品でイヤだと思う当方が老化しただけか。

スポーツ関連で気に入らないのが、身長が高いか跳躍力に優れている選手の動きを形容して「高さがあります」との表現だ。「身長が高いことを活かして」とか「素晴らしい跳躍力を見せた」と具体的に伝えるのがアナウンサーか説明者(解説者とも言うが)の使命ではないのか。ヴァレーボールやサッカーで何人かの選手が並んで防御の態勢を取ることを何人と言わずに「~枚」とアナウンサーが言うのも気に入らない。人間を紙のように言うな。あれはその業界の専門語で、それを彼らがしたり顔で真似る必要などないと思うが。

政治の面では以前にも取り上げて批判したが、英語の”bilateral”(=2国間の)という意味の言葉を政治家どもが「バイで」などと短縮して言うのは未だ仕方がないとしても、メデイアまでが図に乗って「バイ」と言うことはないと思う。二国間交渉であれば正しくそう言えば良いことだ。これなどは政界の俗語か隠語で”slang”であるから、公共の電波を使って言って欲しくない。「知ったかぶりするな」と言いたくなる。事の序でに言っておくが、「一方だけ」か「単独の」は”unilateral”と言う。

こういう種類の俗語か隠語に属する言葉は他にも沢山使われていると思うが、今回は思いついただけを取り上げて論じた。テレビ局も芸人も政治家もこういう種類の言葉を広める努力をして貰う必要は余りないと思う。


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