新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

世界各国の紙・板紙の消費量が何を示すか

2014-11-23 08:16:41 | コラム
紙・板紙の1人当たりの消費量の大きさがその国の文明とICT化のバロメータ-か:

昨日採り上げた世界上位30ヶ国の国民1人当たりの年間紙・板紙の消費量は先進工業国では毎年減少し、中国が代表する紙パルプ産業の新興勢力の諸国では増加傾向が続いている事実が明らかだった。

私はこの消費量は依然としてその国の文明と言うべきか、鉱工業等のバロメーターであることは変わっていないとは思う。だが、最早それだけでその度合いが測れる時代は終わっている事実を、私が採り上げたRISIの統計が示していると見ている。即ち、欧米の諸国や我が国では少数の例外を除いて年々その数が減少する一方で、中国、韓国、インドネシア、インド、タイ、ベトナム、ブラジル、ロシア、トルコ、イラン等では成長が維持されているのだった。

アメリカ等はそのマイナス成長の最たるもので、インターネットに圧されて印刷(紙)媒体の衰退が続き、新聞用紙などは過去10年間にその需要が約60%も減少してしまっていた。即ち、極言すればICT化が進んだ国ほど紙・板紙の中で印刷用新需要が激減したということだ。そのために、その国での印刷用紙の衰退がICT化の進み具合、即ち最も近代的な文明の発展の度合いを示していると見て良いのではないのかと言いたいのだ。

RISIによれば、世界全体(175ヶ国)でも56.5 kgで▲0.5%だったので、中国の73.2 kgで+1.4%の成長などはその文明が未だ発展途上にあることを示していると思うのだ。

地域別には欧州(42ヶ国)が115.8 kgで▲0.8%、アジア(30ヶ国)が45.2 kgで+0.8%、中東(13ヶ国)が35.5 kgで+3.1%、オセアニア(8ヶ国)が111.4 kgで▲8.1%、北米(2ヶ国)が218.3 kgで▲1.0%、中南米(33ヶ国)が46.0 kgで▲0.6%、アフリカ(47ヶ国)が8.1 kgで▲0.9%だった。これらの数字からも文明とICT化の度合いが読めるのではないか。


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