新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

8月13日 その2 トランプ大統領の問題点を探る

2017-08-13 14:35:20 | コラム
トランプ大統領は矢張りself-controlが出来ていないdisasterのようだった:

目下の所、アメリカ対DPRKの対立というか、売り言葉に買い言葉的な展開は世界中でなければ、少なくとも北アジアにおいては極めて不安定であり、一触即発かとも言えるようなかなりな緊張状態を醸し出している。私はこの状況を見ていて、元の同僚が「もしもドナルド・トランプ氏が共和党の大統領候補に選ばれればdisasterだ」と指摘したのを思い出さすにはいられない。

トランプ大統領の政策と性格には多くの難点があるとしか思えないし、未だに個人会社のCEOだった頃の感覚から抜けきっておられないようで、自分の思うように動かない事態や、動いてくれない相手に対しては自制心を失ったかの如き精神状態になってしまうようだ。そういうことをすれば如何なる事態を引き起こすかに全く配慮せずに、言いたい放題である。その最たる例が「アメリカはDPRKに対して何時でも軍事行動を取れる」と言い放ってしまう辺りだ。

私はトランプ氏が大統領就任前から、アメリカが中国と我が国に対する貿易赤字が大きいことを、恰もこれらの両国が悪いかの如きことを言っておられたことを「全く自国の産業界の欠陥というか問題点を弁えずして他国を非難するとは、国際的取引について無知だからだ」と批判した。特に「我が国の対米自動車輸出が多いのに対して、アメリカ車が日本で売れていない事実を我が国が悪いが如くに言うとは、見当違いも甚だしい」とも言った。

事をを単純化して解りやすく言ってみれば、「一方では対日輸出に携わってもいなかった方が数字だけを見て「アメリカファースト」の精神で保護貿易主義的な発言をしているのであり、私は20年以上もアメリカの会社の一員として対日輸出で苦労を重ね、如何にすれば世界で最も小うるさい日本市場に受け入れられるかで辛酸をなめてきた者が言っている」という違いがあるのだ。

今回も中国に対して知的財産権を侵害し続ければスーパー301条の発動をUSTRに命じたなどと言うのは、一部には如何にも小気味よく聞こえるかも知れないが、、それが対DPRKの制裁について彼が期待したほど習近平が動かないことにご立腹だったことが原因のようである。これなどは「自制心(self-control)を失っておられるのでは」としか思えない。

極論的に批判すれば「アメリカファーストを実践する為には同盟国を含めて他の周辺の諸国が多少の火の粉を浴びるのも止むを得ないことだ」と言っておられるのと同じだ。報道によれば、彼が何か極端な声明を出している傍らにはテイラーソン国務長官が控えていて、その発言を否定してかかるか和らげるようにしている由だ。だがしかし、その国務長官も辞任するとかの噂も流れている。もうそろそろ、トランプ大統領も世界を広く見る視点に立って、物事を考えられるような時期に入ってもおかしくはないと思うが、どうやらこれは無い物ねだりのようだ。

最後に、参考までにOxfordによる英語の講釈を。Disasterは”an unexpected event, such as a very bad accident, a food or fire, that kills a lot of people or causes a lot damage”とある。Self-controlは”the ability to remain calm and not show your emotions even though you are feeling angry, excited, etc.”とある。後者の方がよりトランプ大統領に当てはまっていると思うが、disasterの2番目には”a very bad situation that causes problems”とあり「なるほど、そうだったか」と納得してしまう。矢張り、このままをトランプ大統領に捧げて自制心の発揮を待ちたい。



コメントを投稿