新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

所変われば品変わる

2023-01-16 07:49:07 | コラム
アメリカには「エルメス」はなかった:

アルファベットを使っているアメリカやヨーロッパの諸国では、我が国には独得のローマ字読みがあるのと同じで、その国独特の読み方があるので面白い。先日も我が国の紳士たちが尊重されるフランスのブランド“Hermes”(=エルメス)をアメリカではアッサリと英語読みで「ハーミーズ」となっている事を取り上げたばかりだった。言ってみれば「所変われば読み方も変わる」のである。

一般論として、アメリカ人たちは平気でアメリカ語式に読むのだから、“Christian Dior”は「クリスチャン・ディオーア」になってしまう。同様に“Gucci”を「グーシ」のようにいう人は多い。こういう調子だからRoppongi(六本木)は「ロッパンジ」になってしまうし、大坂なおみ(=Osaka Naomi)は「オサーカ・ネイオミ」になるし、「アイサオ・エイオキ」というプロゴルファーが存在したりするのだ。

なお、これは私が何度も取り上げてきた「“a”の発音に注意」の例であり、アメリカ語では多くの場合にローマ字読みのような「ア」ではなくて「エイ」になってしまう事を表している。

スペイン語というのかラテン系の名字であるHernadezは「エルナンデス」ではなく「ハーナンディズ」になるし、Fernandesは「ファナンディス」になっている。Gomezが「ゴームズ」となったりするのだ。阪神にいた「マルテ」(Marte)の場合は、MLBにいる同姓の選手は「マーティー」と呼ばれている。

私が最も気に入ったのがJesusという南アメリカ出身のサッカーの選手は、Jリーグに来れば「ジーザス」ではなくて「ヘスス」だったこと。キリスト教の国の人なのに「イエス様」を「ヘスス」というのが凄いと思わずにはいられなかった。実は、これはJesusをスペイン語読みにしただけの事だが。

英語の読み方しか知らないと、曲者なのが“j”や“g”や“h“の扱い方。スウエーデン人はJujo Paper(十條製紙)を「ユーヨー・ペーパー」と発音したし、スペインに行けば「非常口」の意味の“salida emergencia”は「サリダ・エメルヘンシア」と発音するのだった。ご存じの方は多いと思うが、“h”は「サイレント」になるから「エルメス」であり「エルナンデス」なのだ。

私が最も気に入らなかったのがJリーグのブラジル出身のDouglas選手が「ドウグラス」とよばれていたこと。ウエアーハウザーに永年在籍していた者にとっては到底認めがたい話で、我が社の主力である樹種のDouglas firを「ダグラス」ではなくて」「ドウグラス」というとは何事かと怒り心頭だった。そうかといって「ベイマツ選手」とする訳にも行かないだろうが。



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