新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

低い一山を越えただけのことだった

2016-09-07 07:36:31 | コラム
勝ち方が悪かった:

申すまでもなく、6日夜にタイで行われたW杯最終予選の第2戦目のタイ国代表相手のサッカーのことだ。テレビもスポーツ新聞も「勝った、勝った」と大喜びだ。確かに勝ったのは大変結構だったが、相手は如何にホームゲームだったとはいえ遙か格下である。最初からある程度以上は引いて守ってくると解っていたにも拘わらず攻めあぐねて、点が取れるまでに18分を費やす出来だった。後半の後半には相手が疲れてきて思うように攻め立てたが、2点目が取れたのが75分目だったし、2点で終わってしまったのは情けなかったし、得点能力不足を露呈した。

実は、昨夜22:09の時点で「閃きがなかったが」と題して「如何に何でも負ける相手ではあるまい。前半が終わって10:05の時点では勝てるとは思っているが、取れるべきところで外しすぎたのが気懸かりだ。それと相変わらずハリルホジッチ監督の選手起用に疑問を感じる。浅野に岡崎の代わりが務まる訳がない。岡崎は得点感覚があるが、浅野は起点になる動きしか出来ていない。それに矢張りイラン人の審判は怖い。」と載せていた。

私はこの最終予選に入る前から「多くは期待しない」と言ってきたが、その通りの結果で少しだけ期待を満たしてくれたに過ぎない勝ち方だった。試合中ずっと頭にあったのは「所詮はこの程度のテイームで、矢張り多くは望めない」と「いや、いや、十分な準備期間(欧州組を早めに帰国させて長期の合宿をしてという意味)を与えてやれば、もっとましな試合が出来て予選を突破するだろう」の分裂した思考だった。

改善を要する点は多々あるが、第一は「シュートの正確性を増すことと、思い切りを良くして蹴ること」」ではないか。昨日は何度ここぞという時に外したかを数えてはいなかったが、あの相手に17本も蹴って2点しか取れなかったのは論外だ。次は矢張り引いて守ってきた相手に対して工夫がなさ過ぎたと見える攻め方の改善だ。相手は中盤は放棄したかと見えたほど当たってこないにも拘わらず、暇さえあれば綺麗なバックパスをバックスに供給し、そのバックス間で無意味にパスを回している間に前線では誰も動き出していないのだ。あれでは相手も安心してみていられただろうと、皮肉の一つも言いたくなった。

後方へのパスの多用も不満だが、直ぐそばにいる味方に細かく繋ごうとし過ぎるので相手にはパスの出し手の意図が丸見えで、何度奪われたことか。余計なお世話だがアナウンサーは「パスをカットされた」と言いたがるが、実態は奪い取られたのであってカタカナ語を使いたければ「インターセプションされた」の方が正確だろう。私は以前から細かく繋ごうとすること即ち責任逃れで、自分で何とかその場を切り抜けて(キープして)行こうとしない点を批判してきた。その欠陥を格下の相手にも読まれていたのだ。今後当たる格下ではない相手にはもっと痛い目に遭う危険性があると危惧する。要改善だが、問題の根は精神構造と育ちにある気がする。

矢張り気になった点は香川も本田も存在感が薄いことだ。ずっと考えていたが「この両名が目立たなくなったのは周りの連中の技術が両名に徐々に追いついてきただけではなく、欧州で半ば補欠扱いであったり使われていない状態の両名が最早周りに使われているようにさえ見えるところまで来てしまったのか」と考えていた。特に私の目には本田はやることなすこと全て中途半端で、拾って繋いでチャンスを作りたいのか点を取りたいのか、意図が見えないサッカーをやっていたのが気になった。

さて、ハリルホジッチ監督の選手起用である。浅野は足が速いことは悪くはないがサッカーの技術は未熟の部類に止まっているし、経験も不足だ。原口にしても善戦健闘で前半の得点も褒めてやっても良いが、あの場合の酒井宏樹のセンターリングは今世紀最高の出来だったことを忘れてはならないと思う。何度も指摘してきたことだが、マスコミは点を取った者を褒めるが、サッカーではそこまで組み立てた者たちがいてこその得点で、視聴者や読者を誤解させる報道姿勢を改めるべきだ。私は精一杯監督に味方して、岡崎と清武を休養させたのだと解釈することにした。

当然のようで厳しいようなことを言えば「これで先ず低い一山を超えただけのことで、これから先には未だ未だ高い山が待っているのだ。特にオーストラリアの乱暴狼藉とでも形容詞体当たりを中心にするサッカーが最高峰かと懸念する」ものでである。

最後に審判は矢張り怖かった。森重だったかに出たイェローカードも不可解だったが、何とタイ国の守備陣に一発レッドカードが出たのには驚かされた。その場面も再生された画面でも見たが、何故あれが退場になるかは解り得なかった。今後も8試合だったかが残っていれば、何時何時また中近東の審判に出遭うかは予測のしようもないが、余程注意して当たりに行く必要があると思わせられた。それは対戦相手も同じ条件かも知れない。だが、言いたくないし言ってはならないことかも知れないことは、アジアの協会の問題点がその辺りにある気がしてならない。浅野は昨夜に最終予選での2点目を取ったのかも知れないのだから。



1 コメント

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Unknown (kazk)
2016-09-07 21:54:43
酷いゲームでしたねえ。
日本の悪いところが凝縮したような試合だったと思います。確かに相手は力つけてるとはいえ遥か格下なんですからいい意味でもっと馬鹿にしたゲームをすべきだったでしょうね。「勝ち易きに勝つ」ということが全然分かっていない。どんな相手にも「自分たちのサッカーを…」なんて行ってたら馬鹿です。

WCの本番だってスペインやブラジルがオランダやドイツにボロ負けを食らうことがあるんですよね。あんな物相手の戦術に乗らず勝ちやすい方法のみを考え添えれを実行した結果でしょう。言うだけ虚しくなるけど、速攻をせず相手のDFの下がりを許して(というよりは待って)球をこねくり回してシュートコースを消させその上で何本シュート打っても入らない、それを、「決定力不足だ」なんて正直知能指数が疑われるレベルでしょう。

あんな物小生だって対策が立ちます。相手にボールを預けて中盤を支配させ相手のDFを上げさせた所でボールを奪い長いの一発のカウント狙いです。ペナルティエリアは愚かゴールエリアに何んもDFが集まってる所でシュートが入る訳ありません。相手GKが良いプレイをしたなんて言ってる馬鹿がいますがシュートコースを限定してるんだから難しくはありません。

日本の得点は酒井のクロスから原口のヘディングでしたか、あの場面は基本的に原口とGKが1対1の場面でしょう。酒井からのセンタリングが信じられにような精度だから入ったゴールです。原口は徹底的に走りまくり相手を撹乱してましたからまあ努力賞でしょうか。プレイの荒っぽさは相変わらずですがひたむきな所は買えます。金崎のような生意気さがないのはいいことです。もう1点はカウントからの浅野の飛び出しでしょう。最後結局GKと1対1です。こういう場面を作ればシュートって入るんですよ。小生が見る限り良い得点というのはパス3回以下でシュートに至ったものがほとんどです。簡単に点は入るように見えなければいけないんです。

今の代表はなぜか知らないけれど、中盤からのパス回しをくどくどやり狭い所を抜くというサッカーばかり志向している気がしてなりません。代表監督はそれを見て言葉は違いますが高いところの球どりとか、ショートカウンターとか行って手数を減らせと散々言ってるはずです。それが全然分ってない。岡崎や本田や香川はおそらく密集戦のパス回し要員でしょう。コンディションがいい時の連中ならそれが出来るんだが全然ダメなときは全く機能しない、だから打つ手がなくなるし無駄なシュートの乱発になります。他のチームは対策は簡単だろうと本当に思います。日本に中盤を支配させ日本のFWの前に必ずDFを置きコースを消させるそれを繰り返せばいいんです。これで攻撃要員は自陣から長いボールを蹴れるやつ1人、足が早くて一対一を嫌がらない点取り屋1人を入れておけばいい。何の事はない、昔のイタリア代表のバッジオとインザーキあたりの小型版がいればいいだけです。

今回のタイだってシュートは2本だけオンターゲットは2本、西川が悪くなくてよかったですね、というのは皮肉ではないはずです。あんなサッカーをもっと高精度でやらかしゃいいんですよ。そして前半で3点もとって、後はゆっくり遊んでりゃあいいんです。連中に一番必要なのはテクニックでも体力でもない、脳みそだろうとほんと真剣に思います。
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