新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

11月12日 その2 目に見えなかった壁

2019-11-12 14:28:58 | コラム
国際競技団体と付き合う難しさ:

先ほど外食から帰宅して偶然に見たフジのバイキングとやらで、日本の連盟の常務理事が「この期に及んでそんなことを言うか」と、オリンピック種目となったスポーツクライミングで選手選考方式で国際連盟との間に規定の解釈に相違があったと怒っていました。我が方はスポーツ仲介裁判所に提訴したそうです。散々すりあわせたつもりの規定の解釈を一方的に変更を通告してきたという怒りでした。

先頃のIOCによる突然の東京オリンピックのマラソンと競歩を札幌に移すという決定も、今回の国際スポーツクライミング連盟の選手選考方式の解釈でも、元々欧米人が主力になって運営されている団体の中に入っていったのですから、その中でどのように協調し、話し合い、振る舞うかを次善に余程十分に研究しておくべきだったでしょう。さもないと、今回のような突然の変更の決定の通告のような目に遭うでしょう。換言すれば、彼らの中に入りその中である程度以上の地位を確立するには言葉ができるのに越したことはありませんが、論争と対立を恐れない国際性は必須です。

言葉の点は自分では為さればそれに越したことたはないでしょうが、良い通訳に恵まれれば何とかなると補いはつくは思います。だが、文化の違いと欧米との文化と思考体系の違いの存在を知らなければ、思うように彼らと話し合い且つ自分に有利なように議論を展開して交渉を進めることは容易なことではなくなるでしょう。

そういう人たちの世界だと知らずに純真無垢にノコノコと入っていくと、日本代表が強いとなるや、過去のヴァレーボールのようにルールを変えられ、水泳のように「泳法を変えろ」という結果を生じるのです。後になって「そういう世界だったか」と知っても手遅れでしょう。私も何度か言ったように「最初からあのような世界だと承知していたら、アメリカの会社に転進などしなかっただろう」と言ったのには、そういう目には見えない厚くて高い壁があったと転進してから知ったからです。外から見ていたのでは解らない相違点があるのだと、改めて指摘して終わります。


UNのSecurity Councilの決議違反

2019-11-12 10:02:01 | コラム
古川勝久氏が指摘した我が国の問題点:

古川勝久氏は対DPRKに対する制裁問題を論じる番組に屡々登場される。昨11日の「報道1930」にも登場されて我が国の問題点を指摘しておられた。だが、私にはその経歴というか肩書きがもう一つ良く解らないので検索してみた次第。それは長くて「国連安全保障理事会 北朝鮮制裁委員会専門パネル元委員」とあった。TBSはシンガポール生まれとのみ表示するが、学歴は慶応大学出身でハーバーバードで修士号を取得しておられた。

古川氏は以前にも報道1930に出演され「我が国はUNの制裁違反を犯している国の船を寄港させており、明らかに制裁決議違反で処罰されることもあり得る」との警鐘を鳴らしておられた。昨夜は、かの金正恩委員長の問題のベンツが我が国の大阪を経由してDPRKに入って行った経路を追求されたことを語っておられた。簡単に言えば、関係させられた大阪の会社の社長が巧みに罠に嵌められたということで、彼が悪者として世界中にその存在を知らせてしまったのは気の毒だそうだが、加担する悪意はなかったということだ。

古川氏はこの件もさることながら、「UNの制裁に関して我が国では関連する各省庁間の連携が不十分で、制裁を実施する体制が整っていないだけではなく、問題を起こしている国の船舶の入港か寄港を拒否すべき法律が出来ていないのは問題である」とあらためて警告されていた。しかも、省庁間にはこの制裁措置に対知る認識が不十分であり、確実に実行する意識が欠如しているのではないかとまで指摘された。だが、現実には我が国はDPRKに罵られたように、かの国に種々の制裁を課しているのではないのかなとも思ってしまう。

だが、古川氏にそう聞かされれば、私にでも「これは国家としての一大事か」と思わせられる。しかしながら、DPRKのようにUNが厳しく言う「禁」をいともアッサリと破っている国があるのを見れば、我が国に「制裁の実施」に対する認識が何処まであるのかなと考え込まされた。何れにせよ(私はそのご威光をそれほど信じていない)UNが決議している以上、古川氏が憂慮してみせられた法整備は可及的速やかに整えておくべきではないかとは思わせられたのだった。

因みに、私は“United Nations”を「国際連合」とするおかしな訳語を嫌悪しているので UN とのみ表示するし、「安保理」という訳語も同様に排している。