新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

英語の言葉の分類

2019-05-15 10:10:32 | コラム
Slangとは:

私は実用性という点だけでも余りにも効果が挙がらないと見える我が国の英語教育の在り方を憂いている。その問題点というか欠陥は私に言わせれば「英語を恰も科学か数学のように学問的に教えようとしていること」であると思う。しかも近年ではその成果が挙がらないことを補うべく、小学校3年生の子供に早くから教えようと言い出す始末である。私はこれまでに機会ある毎に私の独自の英語の勉強法を述べてきたが、今回は学校教育では教えられていないと看做している「言葉の分類」を採り上げて、“English”とは如何なるものかを論じてみたい。

英語の言葉の分類:

ここに採り上げるのは、文法に言う「品詞」(=“a part of speech”)である名詞や動詞等ではなく、文法とは別個の分類の仕方である言葉の種類を解説してみようというものである。具体的には「口語」=Colloquialism、Spoken language、「俗語」=slang、(通用語、専門用語、隠語、符丁等)、「慣用語句」=idiom、(成句、熟語)、「汚い言葉」=Swearword、(罵り言葉)を私が知る限り説明してみようという狙いで、かなりな難しい課題だとは思うが、敢えて挑戦してみようと思う。

既に“swearword”は採り上げてあったので、「口語」と「慣用句」は後日論じるとして、ここでは屡々これと混同される傾向がある“slang”を解説していこうと思う。

Slangとは:

俗語」のことである。これが我が国で最も広く誤解というか誤認識されている言葉である。即ち、重ねて言うが残念なことにslangと上記の汚い言葉であるswearwordとを混同しておられる方が誠に多いという意味である。その結果、アメリカ人は「下品なスラングを多用する」と蔑視する方向に進むのだった。かの大作家松本清張氏が「アメリカ兵が下品なスラングで話し始めた」と書いておられたのはこの誤認識の良い(悪い?)例であろう。これは明らかに「汚い言葉」と混同された誤りであると思う。多くの兵隊たちは確かに両方を使って話す。だが、私には松本氏が“スラング”と“スゥエアーウワード”を識別できるほどの英語力をお持ちだったとは思えないのだ。

ここでもOxfordの助けを借りよう。そこには“slang”とは“Very informal words and expressions that are more common in spoken language, especially used by a particular group of people, for example, children, soldiers, criminals, etc.”とある。ジーニアス英和には「特定の社会や職業の通用語、専門用語。隠語、符丁、合い言葉」とある。何だ、犯罪者も使うのならば下品ではないか-と言いたいだろうが、それは既に解説済みのswearword論をあらためてお読みになればお解り願えると思う。

Slangの例を挙げて見よう。
booze. 「酒」のことだが、I don’t care for booze.といえば「酒は嫌いだ」という意味になる。「酒」の意味でかなり広く使われている。
cop=「警官」なのだが、その謂われは警官のバッジが銅製なので、“copper”(「カパー」であって残念ながら「コッパー」ではない、念のため)を短縮したと聞いたことがあった。
cabby or cabbie=「タクシーの運転手」。タクシーは“taxi cab”というから“cab”を縮めたのだろう。
pop=古い言い方では炭酸系飲料だが、soft drinkの代わりに使われている。
buzz=羽などをブンブン鳴らすという名詞だが、Give me a buzz.と言えば「電話をくれ」なのだが“buzz”が俗語である。この代わりに“ring”を使っても同じことになるので、ringも俗語に入れて良いだろう。勿論、正式には“call”と言うべきだ。
gas=ガソリンで、元は“gasoline”なのは言うまでもあるまい。故に、gas stationとなる。「ガソリン・スタンド」は和製英語だから、混同しないこと。思うに新聞等を街頭で販売する“news stand”から「スタンド」を取って合成したのだろう。

私は以下の硬貨の俗称もslangと考えているのだが。
buck=ドルである。10㌦ならば複数の“s”を付けねばならない。
quarter=25セント。すなわち、4分の1である。
dime=10セントなのだが、“a dime”とすると否定的に使って“I don’t care a dime about that matter.”で「そんなことちっとも気にしない」となって、ややidiom的な感も。
nickel=5セントになる。
penny=1セントである。
gotcha=(相手が言うことが)「解った」であり、誰かを「見付けた」ないしは「捕まえた」という意味に使う。I’ve got you.を短縮した形。これは上品ではないだろう。

これらの他にも未だ数え切れないほどあると思うが、いざとなると中々思い浮かんでこないものだ。