♦️109の1の6『自然と人間の歴史・世界篇』無線電信の発明(1895)

2018-11-19 21:53:08 | Weblog

109の1の6『自然と人間の歴史・世界篇』無線電信の発明(1895)

 

 20世紀前夜、電気や磁気が空間を伝わることを、イギリスのマイケル・ファラデーや、イギリスのジェームズ・マクスウェルらが予言し、理論化していた。

 その後、ドイツのハインリヒ・ヘルツは、実験によって電波が空間を伝わることを発見していた。 

 イタリアのグリエルモ・マルコーニ(1874~1937)は、この電波が空間を伝わるというヘルツの結果を知り、これを利用して離れた場所での通信に応用することを考えた。まずは1895年、1700メートルほどの距離での無線通信実験に成功した。それからは、次第に通信距離を伸ばしていく。同時に、「マルコーニ無線株式会社」を設立、おもに船舶との交信を目指して実用化研究を進めていく。

 そして迎えた1901年12月12日、マルコーニはカナダのニューファンドランド島にいて、約2700キロメートル離れた対岸のイギリスのコーンウォール地方ポルデューからの信号音が到達するのを待っていた。やかて迎えた昼過ぎ、「かすかにではあるが、間違いなく「ピッピッピッ」という音が聞こえた」(ジョン・ケアリー編・仙名紀訳「歴史の目撃者」朝日新聞社、1997)という。

(続く)

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♦️521『自然と人間の歴史・世界篇』真空管からトランジスタへ

2018-11-19 20:46:18 | Weblog

521『自然と人間の歴史・世界篇真空管からトランジスタへ 

 1936年、ウィリアム・ショックリーは、アメリカのベル電話研究所に請われてはいる。1947年12月23日、そのベル電話研究所のウォルター・ブラッテンは、増幅器となりそうな物質を特定しようという実験の途中で偶然、結晶の増幅作用を発見する。

 1948年、ショックリーは、ブラッテン、バーディンというベル電話研究所のふたりの協力者とともに、最初のトランジスタを発明した。それは、デルマニウムの結晶の小片にホイスカー電極とよばれる細い金属の針を2本極めて接近させた位置に立てただけのものだった。ところがこの結晶は、真空管と同じように弱い電流を強くする増幅作用を持っていた。

 ただし、ショックに弱い。そこで彼らは、さらに努力を続ける。1950年には、この結晶を針をたてない形に作り変え、エミッタ、ベース、コレクタという三つの領域がこの同じ結晶の中に含まれるようにした。ちなみに、今日ではシリコン、ゲルマニウムなど、トランジスタに使われる結晶のことを総括して「半導体」と呼ぶ。

 こうして発明されたトランジスタは、それまでの真空管より効率性において大いに優れている。なぜかというと、真空管を使った電子回路を動かすには、フィラメントを電熱する、そのことでかかるフィラメントの中から真空中に出てくる、その、出てきた電子の流れをコントロールして増幅現象を起こすことが必要であり、そのためにはたくさんの電力を必要とするからだ。

(続く)

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