ユニーク古典現代訳(大阪弁万葉集改題)

日本の古典を訳します。そのままストンと腑に落ちる訳。なんだ、こうだったのかと分かる訳。これなら分かる納得訳。どうぞどうぞ

旅人編(25)筑紫懐かし 友無き侘びし

2010年10月25日 | 旅人編
■平成22年10月25日■
万葉集に詠われた歌を 作者別に採り上げ 人となりを「大阪弁」で訳します
いわく 「大阪弁万葉集」
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★帰り来て 都任務の 傍らで 筑紫の友が ふと甦る

わがころも 人になせそ 網引あびきする 難波なには壮士をとこの 手には触るとも
《この衣 漁師まがいに 着さすなよ 漁師まがいの 難波壮士あんたえが》
                         ―大伴旅人―〔巻四・五七七〕 

 
今よりは やまみちは 不楽さぶしけむ わがかよはむと 思ひしものを
《大宰府へ  通う山道 楽し無い 今までずっと 楽しかったに》
                         ―葛井大成ふぢゐのおほなり―〔巻四・五七六〕
天地あめつちと 共に久しく 住まはむと 思ひてありし いへの庭はも
《いつまでも  いついつまでも 住みたいと 思うてたんやで あんたの庭に》
                         ―大伴三依おおとものみより―〔巻四・五七八〕

君がため みしまちざけ やすの野に ひとりや飲まむ ともしにして
《友無しで  独り飲むんか この酒を あんたのために 造ったいうに》
                         ―大伴旅人―〔巻四・五五五〕 

まそ鏡 見かぬ君に おくれてや あしたゆうへに さびつつらむ
《気心の 知れたあんたに 置いてかれ さみしいこっちゃ 朝夕ずっと》
ぬばたまの くろかみかはり 白髪しらけても 痛き恋には ふ時ありけり
《黒い髪 しろなるほどに 年齢とし取って こんな苦しい 恋するやろか〔相手男やのに〕》
                         ―沙弥満誓さみまんせい―〔巻四・五七二、五七三〕

ここにありて 筑紫つくし何処いづち 白雲しらくもの たなびく山の 方にしあるらし
《都から 筑紫何処どこやと 見てみるが 雲の棚引く 遥かかなたや》
くさの 入江に求食あさる あしたづの あなたづたづし ともしにして
《毎日を  心もとのう 暮らしてる お前さん言う 友置いてきて》
                         ―大伴旅人―〔巻四・五七四、五七五〕 



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