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ユニーク古典現代訳(大阪弁万葉集改題)

日本の古典を訳します。そのままストンと腑に落ちる訳。なんだ、こうだったのかと分かる訳。これなら分かる納得訳。どうぞどうぞ

歴史編(20)歴史の波に翻弄されて

2009年10月13日 | 歴史編
■平成21年10月13日■
万葉集に詠われた歌を 歴史の流れに沿って 採り上げ 「大阪弁」で訳します
いわく 「大阪弁万葉集」
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大友皇子つれ失くし 悲し運命さだめの 十市皇女とおちひめ 大岩いわに願うは 永遠とわの命か
河のの ゆつ岩群いはむらに 草さず 常にもがもな 常処女とこをとめにて
《川の岩 草も生えんと 変わりない 姫さんあんたも 変わらずって》
                         ―吹黄刀自ふきのとじ―〔巻一・二二〕

★不慮の死を 嘆けど遅し 姉上を 守れず悔し 異母弟高市皇子おとうとたけち
山振やまぶきの 立ちよそひたる 山清水やましみづ みに行かめど 道の知らなく
《山吹の 花咲く清水 かえり水 みたいけども 道わかからへん》
                         ―高市皇子―〔巻二・一五八〕 






常処女とこおとめにて】へ


歴史編(19)流れ流されここまでも

2009年10月08日 | 歴史編
■平成21年10月8日■
万葉集に詠われた歌を 歴史の流れに沿って 採り上げ 「大阪弁」で訳します
いわく 「大阪弁万葉集」
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とが受けて 麻続王おみのおおきみ 流される 因幡・板来や 伊良虞いらごの島へ

打つを 麻続王をみのおほきみ 海人あまなれや 伊良虞いらごの島の 玉藻たまもります
粗末衣ぼろ着てる 麻続王おみのおおきみ 漁師あまやろか 伊良湖の岸で ってはる》
麻続 王をみのおほきみを見た人―〔巻一・二三〕

うつせみの 命を惜しみ 浪にぬれ 伊良虞いらごの島の 玉藻刈り
仕様しょうなしに 伊良湖の島で 波に濡れ 藻ぉうんは 死にとないから》
麻続 王をみのおほきみ―〔巻一・二四〕




【伊良虞の島の】へ


歴史編(18)天下分け目の決戦や

2009年10月06日 | 歴史編
■平成21年10月6日■
万葉集に詠われた歌を 歴史の流れに沿って 採り上げ 「大阪弁」で訳します
いわく 「大阪弁万葉集」
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★陣頭指揮する 高市皇子たけちのおおじ 勇猛果敢さ 目に浮かぶ

かけまくも ゆゆしきかも はまくも あやにかしこき 明日香の 真神まがみが原に
ひさかたの あま御門みかどを かしこくも 定めたまひて かむさぶと 磐隠いはがくります 
やすみしし わご大君の 

《言葉にするのは はばかられもし おそれも多いが 真神まがみの原に
 都造られ やがてのことに お隠れなされた 天武のみかど
きこしめす 背面そともの国の 真木まき立つ 不破ふは山越えて
高麗剣こまつるぎ 和射見わざみが原の 行宮かりみやに 天降あもいまして
 
《都の北の 不破山ふわやま越えて 和射見わざみが原に 陣敷きまして》
あめの下 をさめ給ひ す国を 定めたまふと とりが鳴く 吾妻あづまの国の
御軍士みいくさし給ひて ちはやぶる 人をやはせと 服従まつろはぬ 国を治めと 
皇子みこながら よさし給へば

《天下しずめて 泰平たいへい得んと あずまの国から 軍隊集め
 そむきの心 改めさせろ 逆賊討てとの 命令下す》 
大御身おほみみ大刀たち取りかし 大御手おほみてに 弓取り持たし 
御軍士みいくさを あどもひたまひ

大刀かたないて 弓取り持って 全軍指揮する 高市皇子たけちのおおじ
ととのふる つづみの音は いかづちおとと聞くまで 吹きせる 小角くだおとも 
あた見たる とらゆると 諸人もろひとの おぴゆるまでに

《並ぶ太鼓は 雷みたい 響く笛の 敵見てうなる 虎の吼声こえかと 怖気おじけを誘う》
ささげたる はたなびきは 冬ごもり 春さり来れば 野ごとに きてある火の 
風のむた なびくがごとく

ささげる旗は 真紅になびき 風にはためく 野を焼くほのお
取り持てる 弓弭ゆはずさわき み雪降る 冬の林 に 飃風つむじかも い巻き渡ると 
思ふまで きのかしこ

《弓のつる鳴り 冬吹く旋風つむじ 耳に恐れの 渦巻きわたる》  
引きはなつ 矢のしげけく 大雪の 乱れてきたれ 服従まつろはず 立ち向かひしも 
露霜つゆしもなばぬべく 行く鳥の あらそふはし

《放つ矢しげく 吹雪のごとく あだなす敵は 意気消え果てて
 慌てふためき 争い逃げる》 
渡会わたらひいつきの宮ゆ 神風かむかぜに い吹きまどはし 天雲あまくもを 日の目も見せず
常闇とこやみおほひ給ひて 定めてし 瑞穂みづほの国を

《伊勢の神風 呼び寄せ吹かせ 天雲あまぐも起こして 太陽隠し
 敵を闇へと ほうむり去って 平和に戻した 瑞穂みずほの国くにを》
神ながら 太敷ふとしきまして やすみしし わご大君おほきみの 天の下 まをし給へば 
万代よろづよに しかもあらむと 木綿花ゆふはなの 栄ゆる時に ・・・

《治めなさって 引き継ぎ行けば 今のさかえは 万代よろずよまでに 続かんものと 思えはしたが》
                         ―柿本人麻呂―(巻二・一九九前半) 






【不破山越えて】へ


歴史編(17)雪山越えて嶺こえて

2009年10月02日 | 歴史編
■平成21年10月2日■
万葉集に詠われた歌を 歴史の流れに沿って 採り上げ 「大阪弁」で訳します
いわく 「大阪弁万葉集」
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★吉野へ逃れ 再起期し 壬申乱を 制し今 神となりしは 天武帝
み吉野の 耳我みみがみね
 時くぞ 雪は降りける
  間くぞ 雨は降りける
   その雪の 時無きがごと
    その雨の なきがごと
     くまもおちず 思ひつつぞ
       その山道を 

耳我みみがの嶺を 越える時
 つぎつぎに降る 雪や雨 
   行っても行っても けわし道
    先の見えへん のがれ旅
     あの嶺越えて 今がある》 
                         ―天武天皇―〔巻一・二五〕 



【耳我の嶺に】へ


歴史編(16)みんなそれぞれ往ってもた

2009年09月30日 | 歴史編
■平成21年9月30日■
万葉集に詠われた歌を 歴史の流れに沿って 採り上げ 「大阪弁」で訳します
いわく 「大阪弁万葉集」
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★稀代英雄 天智が崩御 有りし日偲び おおきみ詠う
かからむの おもひ知りせば 大御船おおみふね 泊てしとまりに しめはましを
《こうなんの 分かってたなら あんたる 場所に標縄しめなわ 〔悪霊入らんよう〕張っといたのに》
                         ―額田ぬかたの おほきみ―〔巻二・一五一〕

★鏡山御陵での 奉仕を終え それぞれが去って行く 私ももう 去らねばならぬのか
やすみしし わご大君の かしこきや 御陵みはか仕ふる 山科の 鏡の山に 
よるはも のことごと 昼はも 日のことごと のみを 泣きつつありてや 
百磯城ももしきの 大宮人は き別れなむ

天皇すめらみことの 墓守りと 鏡の山に 集まって 夜昼なしに 泣きつづけ
 終わってしもて みんなぬ 散り散りなって 帰ってく》
                         ―額田ぬかたの おほきみ―〔巻二・一五五〕





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歴史編(15)頼むからもう一寸生きててや

2009年09月28日 | 歴史編
■平成21年9月28日■
万葉集に詠われた歌を 歴史の流れに沿って 採り上げ 「大阪弁」で訳します
いわく 「大阪弁万葉集」
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両親ふたおや兄弟 死なせた人の 終りに臨み きさきとしての 見取りは続く
あまの原 振りけ見れば 大君おほきみの 御寿みいのちは長く あまらしたり
《空見たら 広がりずうっと 続いてる まだ安心や あんたの命》 
                         ―倭大后やまとのおおきさき―〔巻二・一四七〕

★祈り空しう 別れの御霊 雲に棚引き 隠れ行く
青旗あをはたの 木幡こはたの上うへを かよふとは 目には見れども ただに逢はぬかも
木幡山こはたやま あんたの霊魂みたま ただようて 見えてるけども もうわれへん》
倭大后やまとのおおきさき―〔巻二・一四八〕

きさきやまとの 複雑こころ
人はよし 思ひむとも 玉蔓たまかづら 影に見えつつ 忘らえぬかも
ほかの人 忘れてもえ うちだけは まぶた浮かんで 忘れられへん》
倭大后やまとのおおきさき―〔巻二・一四九〕

★暮れる湖 嘆きは深い 苦楽を共の 人生哀歌
鯨魚いなさ取り 淡海あふみうみを 沖けて ぎ来る船 附きて 漕ぎ来る船 
沖つかい いたくなねそ つ櫂 いたくな撥ねそ 若草のつまの 思ふ鳥たつ

《琵琶湖をとおる 沖の船 岸辺漕いでく そこの船 どっちも ばしゃばしゃ がんとき
 あの人の 好きやった〔霊魂たましい宿ってる〕鳥 飛び立つやんか》
倭大后やまとのおおきさき―〔巻二・一五三〕






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歴史編(14)うちとあんたにアキが来た?

2009年09月24日 | 歴史編
■平成21年9月24日■
万葉集に詠われた歌を 歴史の流れに沿って 採り上げ 「大阪弁」で訳します
いわく 「大阪弁万葉集」
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★天智の来訪 遠のく額田王ぬかた 鎌足亡くした 姉鏡王女かがみ
君待つと わが恋ひをれば わが屋戸やどの すだれ動かし 秋の風吹く
《あっすだれ 動いたおもたら 風やんか あんまりうちが 焦がれるよって》
                         ―額田王―〔巻四・四八八〕 


風をだに 恋ふるはともし 風をだに むとし待たば 何かなげかむ
うらやまし 風と間違まちごて うちなんか 待つ人おらんで なげかれへんわ》
                         ―鏡王女―〔巻四・四八九〕 





【すだれ動かし】へ


歴史編(13)貰うろた貰ろた!

2009年09月22日 | 歴史編
■平成21年月日■
万葉集に詠われた歌を 歴史の流れに沿って 採り上げ 「大阪弁」で訳します
いわく 「大阪弁万葉集」
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★豪胆鎌足 頬紅い
われはもや 安見児やすみこ得たり 皆人みなひとの 得難えかてにすといふ 安見児得たり
《わしろた 安見児ろた 誰もみな しい思おもてた 安見児貰ろた》
                         ―藤原鎌足―〔巻二・九五〕 





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歴史編(12)春がええんか秋やろか

2009年09月17日 | 歴史編
■平成21年9月17日■
万葉集に詠われた歌を 歴史の流れに沿って 採り上げ 「大阪弁」で訳します
いわく 「大阪弁万葉集」
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★春の花 秋のもみじの いづれが良いか 漢詩競いの 優劣つかず 
判定さばき任され おおきみ詠う


冬こもり 春さり来れば        《冬ってもて 春来たら
 鳴かざりし 鳥も鳴きぬ      鳴けへんかった 鳥も鳴く  
  咲かざりし 花も咲けれど       咲けへんかった 花も咲く  
                       そやけども  
   山をしげみ 入りても取らず      山茂ってて はいられん 
    ふかみ 取りても見ず        草深いから 取られへん 

秋山の 木の葉を見ては       秋山はいって 葉ぁ見たら
 黄葉もみちをば 取りてぞしの       紅葉こうようした葉は え思う
  青きをば 置きてぞなげ        けど青い葉は つまらへん 
 
そこしうらめし              そこが かなんな

秋山われは               〔うう~ん・・・〕秋やな うちは》 
                         ―額田王―〔巻一・一六〕 




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歴史編(11)まだ惚れてんか元カノに

2009年09月15日 | 歴史編
■平成21年9月15日■
万葉集に詠われた歌を 歴史の流れに沿って 採り上げ 「大阪弁」で訳します
いわく 「大阪弁万葉集」
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★兄に取られた おおきみ見つけ 近づく大海人おおあま とがめる額田
あかねさす 紫野むらさきの行き 標野しめの行き 野守のもりは見ずや 君が袖振る
《春野摘み 野守りが見るで して こっちを向いて 袖振ってたら》
                         ―額田王ぬかたのおおきみ―〔巻一・二〇〕

★委細構わず 大海人皇子おおあまおおじ 駒近づけて 呼びかける
紫の にほえるいもを 憎くあらば 人妻ゆゑに われ恋ひめやも
《そういな かわいいお前に 連れ合いが るん承知で さそたんやから》
                         ―大海人皇子おおあまのおうじ―〔巻一・二一〕




【茜さす】へ


歴史編(10)別れの旅や顔見せて

2009年09月11日 | 歴史編
■平成21年9月11日■
万葉集に詠われた歌を 歴史の流れに沿って 採り上げ 「大阪弁」で訳します
いわく 「大阪弁万葉集」
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★明日香を捨てて 大津の宮へ 政務重視の 中大兄皇子おおえのおうじ 額田王おおきみ嘆く 三輪山別れ

味酒うまざけ 三輪みわの山 
あをによし 奈良の山の           《三輪山 奈良山 遠ざかる 
山のに いかくるまで 
道のくま いもるまでに           道まがるたび 隠れ行く 
つばらにも 見つつ行かむを         見つめときたい いつまでも  
しばしばも 見けむ山を          振り向き見たい 山やのに  
こころなく 雲の かくさふべしや        心無い雲  隠してしまう》 
                         ―額田王―〔巻一・一七〕 

三輪山を しかも隠すか 雲だにも こころあらなむ 隠さふべしや
《あかんがな うちの気持ちを 知ってたら 雲さん三輪山 隠さんといて》 
                         ―額田王―〔巻一・一八〕 





【雲だにも】へ


歴史編(8)三角かんけえ昔も今も

2009年09月07日 | 歴史編
■平成21年9月7日■
万葉集に詠われた歌を 歴史の流れに沿って 採り上げ 「大阪弁」で訳します
いわく 「大阪弁万葉集」
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★新羅征討の軍船 一路西へ 差しかかる 印南沖合い
 昔語りを思い出す 中大兄皇子

香久山かぐやまと 耳梨山みみなしやまと ひしとき 立ちて見にし 印南国原いなみくにはら 《香久山と 耳成山が〔畝傍山取りあいして〕 揉めたとき   〔出雲の神さん〕ここまで来たんや 印南いなみの地まで》
                         ―天智天皇―〔巻一・一四〕

香久山かぐやまは 畝火うねびしと 耳梨みみなしと あひあらそひき
神代かみよより かくにあるらし 古昔いにしへも しかにあれこそ 
うつせみもつまを あらそふらしき

《香久山は 畝傍うねびのお山 可愛かいらしと 耳成さんと 喧嘩した
 ようあるこっちゃ 昔から 今もするんや 妻あらそいを》 
                         ―天智天皇―〔巻一・一三〕

★船は 夕日を追って 一路西へ

わたつみの 豊旗雲とよはたぐもに 入日し 今夜こよひ月夜つくよ さやけかりこそ
なびぐも 夕日射し込み 輝いて え月照るで 間違いなしに》
                         ―天智天皇―〔巻一・一五〕





【畝傍を愛しと】へ


歴史編(7)帰るよってに待っててや

2009年09月03日 | 歴史編
■平成21年9月3日■
万葉集に詠われた歌を 歴史の流れに沿って 採り上げ 「大阪弁」で訳します
いわく 「大阪弁万葉集」
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★有間皇子は 言い放つ 「天と赤兄あかえとぞ知る 吾 もはら知らず」と

磐代いはしろの 浜松がを 引き結び 真幸まさきくあらば またかへり見む
《松の枝 結んで祈る 無事ならば 礼に寄ります 岩代いわしろの神》
                         ―有間皇子―〔巻二・一四一〕 

家にあれば に盛るいひを 草枕 旅にしあれば しひの葉に盛る
《家ならば うつわに供えて 祈るのに 旅先やから 椎しいで供える》
                         ―有間皇子―〔巻二・一四二〕 






【浜松が枝を】へ


歴史編(6)開けたらアカン恥ずかしやんか

2009年09月01日 | 歴史編
■平成21年9月1日■
万葉集に詠われた歌を 歴史の流れに沿って 採り上げ 「大阪弁」で訳します
いわく 「大阪弁万葉集」
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★中臣鎌足 中大兄皇子から 鏡王女を 賜る
意気軒昂な 鎌足



玉くしげ おほふをやすみ 開けていなば 君が名はあれど わが名し惜しも
ふたあって 隠してたのに 明け(開け)て出る あんた好うても うち恥ずかしい》
《内緒やと 気ィ許したら 遅朝おそ帰る あんたうても うち困るんや》
                         ―鏡王女―〔巻二・九三〕 
                    ※妻問いは夜が明ける前に帰るのがルール

玉くしげ 御室みむろの山の さなかづら さ寝ずはつひに ありかつましじ
櫛笥くしげ開け 中身なかみ見たのに つるみたい 腕からまして 寝ないでおくか》
《気ィ許す お前そば置き そのまんま 手をこまねいて 寝ん手があるか》
                         ―藤原鎌足―〔巻二・九四〕 





【玉くしげ】へ


歴史編(5)どっちの恋がホンマもんやろ

2009年08月28日 | 歴史編
■平成21年8月28日■
万葉集に詠われた歌を 歴史の流れに沿って 採り上げ 「大阪弁」で訳します
いわく 「大阪弁万葉集」
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中大兄皇子なかのおおえのおおじ 純な鏡王女かがみのひめみこに 恋をする


妹が家も ぎて見ましを 大和なる 大島のに 家もあらましを
高安山たかやすに お前の家が あったらな お前おもうて ずっと見られる》
                         ―中大兄皇子―〔巻一・九一〕 

秋山の の下かくり く水の われこそさめ 御思みおもひよりは
《木の下を くぐって流れる 水みたい うちの思いが 深いであんた》
                         ―鏡王女―〔巻一・九二〕 




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