■平成21年10月6日■
万葉集に詠われた歌を 歴史の流れに沿って 採り上げ 「大阪弁」で訳します
いわく 「大阪弁万葉集」
―――――――――――――――――――――――――――――――――
★陣頭指揮する 高市皇子 勇猛果敢さ 目に浮かぶ
かけまくも ゆゆしきかも 言はまくも あやに畏き 明日香の 真神が原に
ひさかたの 天つ御門を かしこくも 定めたまひて 神さぶと 磐隠ります
やすみしし わご大君の
《言葉にするのは 憚られもし 畏れも多いが 真神の原に
都造られ やがてのことに お隠れなされた 天武の帝》
きこしめす 背面の国の 真木立つ 不破山越えて
高麗剣 和射見が原の 行宮に 天降り座して
《都の北の 不破山越えて 和射見が原に 陣敷きまして》
天の下 治め給ひ 食す国を 定めたまふと 鶏が鳴く 吾妻の国の
御軍士を 召し給ひて ちはやぶる 人を和せと 服従はぬ 国を治めと
皇子ながら 任し給へば
《天下鎮めて 泰平得んと 東の国から 軍隊集め
背きの心 改めさせろ 逆賊討てとの 命令下す》
大御身に 大刀取り佩かし 大御手に 弓取り持たし
御軍士を あどもひたまひ
《大刀を佩いて 弓取り持って 全軍指揮する 高市皇子》
斉ふる 鼓の音は 雷の 声と聞くまで 吹き響せる 小角の音も
敵見たる 虎か吼ゆると 諸人の おぴゆるまでに
《並ぶ太鼓は 雷みたい 響く笛の音 敵見て唸る 虎の吼声かと 怖気を誘う》
捧げたる 幡の靡は 冬ごもり 春さり来れば 野ごとに 着きてある火の
風の共 靡くがごとく
《捧げる旗は 真紅に靡き 風にはためく 野を焼く炎》
取り持てる 弓弭の騒 み雪降る 冬の林 に 飃風かも い巻き渡ると
思ふまで 聞きの恐く
《弓の弦鳴り 冬吹く旋風 耳に恐れの 渦巻きわたる》
引き放つ 矢の繁けく 大雪の 乱れて来れ 服従はず 立ち向かひしも
露霜の 消なば消ぬべく 行く鳥の あらそふ間に
《放つ矢繁く 吹雪のごとく 仇なす敵は 意気消え果てて
慌てふためき 争い逃げる》
渡会の 斎の宮ゆ 神風に い吹き惑はし 天雲を 日の目も見せず
常闇に 覆ひ給ひて 定めてし 瑞穂の国を
《伊勢の神風 呼び寄せ吹かせ 天雲起こして 太陽隠し
敵を闇へと 葬り去って 平和に戻した 瑞穂の国を》
神ながら 太敷きまして やすみしし わご大君の 天の下 申し給へば
万代に 然もあらむと 木綿花の 栄ゆる時に ・・・
《治めなさって 引き継ぎ行けば 今の栄は 万代までに 続かんものと 思えはしたが》
―柿本人麻呂―(巻二・一九九前半)
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万葉集に詠われた歌を 歴史の流れに沿って 採り上げ 「大阪弁」で訳します
いわく 「大阪弁万葉集」
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★陣頭指揮する 高市皇子 勇猛果敢さ 目に浮かぶ
かけまくも ゆゆしきかも 言はまくも あやに畏き 明日香の 真神が原に
ひさかたの 天つ御門を かしこくも 定めたまひて 神さぶと 磐隠ります
やすみしし わご大君の
《言葉にするのは 憚られもし 畏れも多いが 真神の原に
都造られ やがてのことに お隠れなされた 天武の帝》
きこしめす 背面の国の 真木立つ 不破山越えて
高麗剣 和射見が原の 行宮に 天降り座して
《都の北の 不破山越えて 和射見が原に 陣敷きまして》
天の下 治め給ひ 食す国を 定めたまふと 鶏が鳴く 吾妻の国の
御軍士を 召し給ひて ちはやぶる 人を和せと 服従はぬ 国を治めと
皇子ながら 任し給へば
《天下鎮めて 泰平得んと 東の国から 軍隊集め
背きの心 改めさせろ 逆賊討てとの 命令下す》
大御身に 大刀取り佩かし 大御手に 弓取り持たし
御軍士を あどもひたまひ
《大刀を佩いて 弓取り持って 全軍指揮する 高市皇子》
斉ふる 鼓の音は 雷の 声と聞くまで 吹き響せる 小角の音も
敵見たる 虎か吼ゆると 諸人の おぴゆるまでに
《並ぶ太鼓は 雷みたい 響く笛の音 敵見て唸る 虎の吼声かと 怖気を誘う》
捧げたる 幡の靡は 冬ごもり 春さり来れば 野ごとに 着きてある火の
風の共 靡くがごとく
《捧げる旗は 真紅に靡き 風にはためく 野を焼く炎》
取り持てる 弓弭の騒 み雪降る 冬の林 に 飃風かも い巻き渡ると
思ふまで 聞きの恐く
《弓の弦鳴り 冬吹く旋風 耳に恐れの 渦巻きわたる》
引き放つ 矢の繁けく 大雪の 乱れて来れ 服従はず 立ち向かひしも
露霜の 消なば消ぬべく 行く鳥の あらそふ間に
《放つ矢繁く 吹雪のごとく 仇なす敵は 意気消え果てて
慌てふためき 争い逃げる》
渡会の 斎の宮ゆ 神風に い吹き惑はし 天雲を 日の目も見せず
常闇に 覆ひ給ひて 定めてし 瑞穂の国を
《伊勢の神風 呼び寄せ吹かせ 天雲起こして 太陽隠し
敵を闇へと 葬り去って 平和に戻した 瑞穂の国を》
神ながら 太敷きまして やすみしし わご大君の 天の下 申し給へば
万代に 然もあらむと 木綿花の 栄ゆる時に ・・・
《治めなさって 引き継ぎ行けば 今の栄は 万代までに 続かんものと 思えはしたが》
―柿本人麻呂―(巻二・一九九前半)
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