令和・古典オリンピック

令和改元を期して、『日本の著名古典』の現代語訳著書を、ここに一挙公開!! 『中村マジック ここにあり!!』

家待・越中編(一)(15)鄙(ひな)に名懸(か)かす

2011年02月22日 | 家待・越中編(一)友ありて
【掲載日:平成23年1月28日】

天離あまざかる ひなに名かす
          越のなか 国内くぬちことごと・・・



〔池主のやつ 漢詩得手えてと 思いきに
 和歌やまとうたも なかなかやるではないか
 ようし 今度は あの立山たちやまじゃ〕

立山たてやま
それは 越中えっちゅう随一の霊峰れいほう
連なる峰々は  朝日に輝き
頂く雪は  真夏にも
ここ 国府こくふの地から 東方に望む雄姿ゆうし
家持の  歌心を 捉えて止まない

天離あまざかる ひなに名かす 越のなか 国内くぬちことごと 山はしも しじにあれども 川はしも さはに行けども 
《都から とおに離れた こしの国 そのこしくにに 山や川 仰山ぎょうさんあるが そのなかに》
皇神すめかみの うしはきいます 新川にひかわの その立山たちやまに 常夏とこなつに 雪降り敷きて 
ばせる 片貝川かたかひがはの 清き瀬に 朝夕よひごとに 立つ霧の

《神さん宿る 立山たてやまは 夏さ中も 雪おお
 裾めぐってる 片貝かたかいの 川瀬朝夕 霧が立つ》
思ひ過ぎめや ありがよひ いや毎年としのはに よそのみも 振りけ見つつ 万代よろづよの かたらひぐさ
《その山と川  忘られん 来る年毎に 見に来るで 遠くからでも 眺めるで ずうっとずっと 伝えるで》 
いまだ見ぬ 人にも告げむ 音のみも 名のみも聞きて ともしぶるがね
《見てない人に 言いぐで 噂と名前 聞くだけで うらやましがる 決まってる》
                         ―大伴家持おおとものやかもち―〔巻十七・四〇〇〇〕

立山たちやまに 降り置ける雪を 常夏とこなつに 見れどもかず 神柄かむからならし
立山たてやまに 冬降った雪 夏でも 素晴らし見える 神山かみやまやから》
                         ―大伴家持おおとものやかもち―〔巻十七・四〇〇一〕
片貝の 川の瀬清く 行く水の 絶ゆること無く ありがよひ見む
片貝かたかいの 川の瀬きよて 水えん 絶えず見によ この立山たてやまを》
                         ―大伴家持おおとものやかもち―〔巻十七・四〇〇二〕
                                 【四月二十七日】 


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