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令和・古典オリンピック

令和改元を期して、『日本の著名古典』の現代語訳著書を、ここに一挙公開!! 『中村マジック ここにあり!!』

巻七(雑歌・比喩歌・挽歌)編(11)箱根飛び越え

2012年07月27日 | 巻七(雑歌・比喩歌・挽歌)編
【掲載日:平成24年7月27日】

足柄あしがらの 箱根飛び越え 行くたづの ともしき見れば 大和やまとし思ほゆ



近江 若狭は 畿内に近い
気楽気持が ただよい見える
東山道とうさんひがし さすがに異郷いきょう
見聞き のすべて 珍し見える

 東山道 近江】
近江あふみの海 港は八十やそち 何処いづくにか 君が舟て 草結びけむ
近江おうみ海 港多数よけある その何処どこに あんた船め 宿してんやろ》
                            ―古集―(巻七・一一六九)
楽浪ささなみの 連庫山なみくらやまに 雲れば 雨ぞ降るちふ 帰り我が背
連庫なみくらの 山くも出たら 雨やう 帰っといでや なぁお前さん》
                            ―古集―(巻七・一一七〇)
大御船おほみふね ててさもらふ 高島の 三尾みをの勝野の なぎさし思ほゆ
《見えてるん 大君おおきみふねの 風待ちの 三尾の勝野の あのなぎさやで》
                            ―古集―(巻七・一一七一)
                           (大君が行幸時に雲の具合で船待ちをした三尾)
何処いづくにか 舟乗りしけむ 高島の 香取かとりの浦ゆ 漕ぎる舟
《あの船は 何処どこの港を 出て来たか 香取かとりの浦を とおり漕ぐんは》
                            ―古集―(巻七・一一七二)
高島の 安曇あど白波は さわけども 我れは家思ふ いほり悲しみ
安曇川あどがわの 白波なみ騒がしが 耳そぞろ わし家恋し 旅さみしいて》
                            ―古集―(巻七・一二三八)

 北陸道 若狭】
若狭わかさなる 三方みかたの海の 浜きよみ い行きかへらひ 見れど飽かぬかも
若狭わかさくに 三方みかたの海は 浜清い 行きつ戻りつ 見きん景色》
                            ―古集―(巻七・一一七七)

 東山道 飛騨】
飛騨ひだ人の 真木まき流すといふ 丹生にふの川 ことかよへど 舟ぞ通はぬ
飛騨人ひだひとが 流す丹生川にうは 瀬ぇはげし 声届くけど 船かよわんで》
                            ―古集―(巻七・一一七三)

 東海道(東) 常陸・下総・相模】
あられ降り 鹿島かしまの崎を 波高み 過ぎてや行かむ 恋しきものを
鹿島かしま崎 波高いから 素通すどおりや 寄って行きたい おもとったのに》
                            ―古集―(巻七・一一七四)
なつ引く 海上うなかみがたの 沖つに 鳥はすだけど 君はおともせず
海上潟うなかみの 沖の砂州さすには 鳥つどい 五月蝿うるさいが あんたおとし》
                            ―古集―(巻七・一一七六)
足柄あしがらの 箱根飛び越え 行くたづの ともしき見れば 大和やまとし思ほゆ
足柄あしがらの 箱根を越えて 鶴行くで 大和こてる わしうらやまし》
                            ―古集―(巻七・一一七五)



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