犬養万葉今昔―犬養孝先生著「万葉の旅」を訪ねて

犬養孝先生名著「万葉の旅」記載の万葉故地309箇所を訪ね、先生が撮られれたのと同じ場所に立った写真撮影を目指す紀行。

■今昔291をとめ塚・求女塚

2009年07月03日 | 今昔(9)山陽(一) 山陽(二)
<今昔290の続き>

血沼壮士ちぬをとこ その夜いめに 見取りつつき 追ひ行きければ 後れたる 菟原壮士うはらをとこい 
天仰あめあふぎ 叫びおらぴ 足ずりし 牙喫きかたけびて 如己男もころをに 負けてはあらじと 
懸佩かけはきの 小剣をだち取りき ところづら め行きければ
 
《夢でこれ知る 血沼壮士ちぬおとこ 遅れてなるかと 死出の旅 後で気の付く 菟原の壮士うはら おとこ
 負けるものかと おっとり刀 あの世までもと 後を追う》

親族うからどち い行きつどひ 永き代に しるしにせむと 遠き代に 語り継がむと 
処女墓をとめづか 中に造り置き 壮士墓をとこづか 此方彼方こなたかなたに 造り置ける
 
《残る家族は 悲しみ集い 処女おとめのお墓を 真ん中に
 それを挟んで 壮士墓おとこづか 悲劇伝えに 造り置く》

故縁ゆゑよし聞きて 知られども 新喪にひもごとも 哭泣ねなきつるかも

いわれ聞き 見知りの人では 無いけれど 思わず知らず もらい泣き》
                    ―高橋虫麻呂歌集―(巻九・一八〇九)





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