NHK教育TVで「日めくり万葉集」第2弾が始まりました。
平日の午前中ということで 勤めの方は 見る機会に恵まれません。
また 見落とされた方も 居られるやも知れません。
そこで ここで取り上げて 訳し・「みじかものがたり」を 掲載したく思います。
ご覧下さい。
【十一月十五日】放映分
沫雪の 消ぬべきものを 今までに 流らへぬるは 妹に逢はむとぞ
《雪みたい 消え相になって 生きてるは あんた会いたい 思てるからや》
―大伴田村大嬢―(巻八・一六六二)
【万葉歌みじかものがたり】《継ぎて相見む》
神亀五年(728)夏 大宰府からの急使
旅人赴任同行の 妻大伴郎女死去の知らせ
次いで 家持からの 要請文
《父 旅人の 落ち込み 只事では ありませぬ
叔母上の 下向 乞い願うばかり》
時に 家持十二歳 必死の願い文
前年 宿奈麿を亡くし 寡婦の身の坂上郎女
生した 大嬢 二嬢の 幼子を抱えていた
急遽のこと 田村大嬢の 宿下がり願い出
二人を託し 筑紫へと急ぐ
留守宅を 預かる 田村大嬢
忠実忠実しい 世話の中
同母妹とも見紛う絆が この時生まれた
(何年か後)
やがて 佐保邸家刀自となった 郎女
大嬢 二嬢は 引き取られる
田村邸に 一人残る 田村大嬢
大嬢への 募る思慕
外に居て 恋ふれば苦し 我妹子を 継ぎて相見む 事計りせよ
《離れてて 焦がれん辛い ねえあんた 会える手立てを 考えてえな》
遠くあらば わびてもあらむを 里近く 在りと聞きつつ 見ぬが術なさ
《遠いとこ 居るんやったら 仕様ないが 近く住んでて 会えんの何で》
白雲のたなびく山の 高々に 我が思ふ妹を 見むよしもがも
《首伸ばし あんた会いとて 堪らんで 会える手立ては 無いもんやろか》
いかならむ 時にか妹を 葎生の 汚なきやどに 入りいませてむ
《むさくるし この荒ら屋に あんたをば 何時になったら 迎えられんや》
―大伴田村大嬢―(巻四・七五六~九)
係累の無いまま 生母実家 飛鳥奈良思岡に 引き籠った田村大嬢
大嬢への 思慕は続く
茅花抜く 浅茅が原の つほすみれ 今盛りなり 我が恋ふらくは
《ツボスミレ 花が満々 咲いとおる うちも満々 焦がれとるんや》
―大伴田村大嬢―(巻八・一四四九)
故郷の 奈良思の岡の 霍公鳥 言告げ遣りし いかに告げきや
《奈良思岡 郷ホトトギス 遣らしたが ちゃんとあんたに 伝えたやろか》
―大伴田村大嬢―(巻八・一五〇六)
我がやどの 秋の萩咲く 夕影に 今も見てしか 妹が姿を
《夕暮れの 咲いた秋萩 見とったら あんたの姿 見となったがな》
我がやどに 黄変つ鶏冠木 見るごとに 妹を懸けつつ 恋ひぬ日は無し
《庭先の 赤い楓を 見る度 あんたのことが 思えてならん》
―大伴田村大嬢―(巻八・一六二二~三)
老境 田村大嬢に なお大嬢への思慕は尽きない
沫雪の 消ぬべきものを 今までに 流らへぬるは 妹に逢はむとぞ
《雪みたい 消え相になって 生きてるは あんた会いたい 思てるからや》
―大伴田村大嬢―(巻八・一六六二)
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【古事記ものがたり】への誘い
古事記編纂1300年を期し 一大叙事詩を作ってみました
こちらを ご覧下さい。
【古事記ものがたり】へ
【万葉歌みじか物語】はこちら
<万葉歌みじかものがたり>へ
■リンク先
平日の午前中ということで 勤めの方は 見る機会に恵まれません。
また 見落とされた方も 居られるやも知れません。
そこで ここで取り上げて 訳し・「みじかものがたり」を 掲載したく思います。
ご覧下さい。
【十一月十五日】放映分
沫雪の 消ぬべきものを 今までに 流らへぬるは 妹に逢はむとぞ
《雪みたい 消え相になって 生きてるは あんた会いたい 思てるからや》
―大伴田村大嬢―(巻八・一六六二)
【万葉歌みじかものがたり】《継ぎて相見む》
神亀五年(728)夏 大宰府からの急使
旅人赴任同行の 妻大伴郎女死去の知らせ
次いで 家持からの 要請文
《父 旅人の 落ち込み 只事では ありませぬ
叔母上の 下向 乞い願うばかり》
時に 家持十二歳 必死の願い文
前年 宿奈麿を亡くし 寡婦の身の坂上郎女
生した 大嬢 二嬢の 幼子を抱えていた
急遽のこと 田村大嬢の 宿下がり願い出
二人を託し 筑紫へと急ぐ
留守宅を 預かる 田村大嬢
忠実忠実しい 世話の中
同母妹とも見紛う絆が この時生まれた
(何年か後)
やがて 佐保邸家刀自となった 郎女
大嬢 二嬢は 引き取られる
田村邸に 一人残る 田村大嬢
大嬢への 募る思慕
外に居て 恋ふれば苦し 我妹子を 継ぎて相見む 事計りせよ
《離れてて 焦がれん辛い ねえあんた 会える手立てを 考えてえな》
遠くあらば わびてもあらむを 里近く 在りと聞きつつ 見ぬが術なさ
《遠いとこ 居るんやったら 仕様ないが 近く住んでて 会えんの何で》
白雲のたなびく山の 高々に 我が思ふ妹を 見むよしもがも
《首伸ばし あんた会いとて 堪らんで 会える手立ては 無いもんやろか》
いかならむ 時にか妹を 葎生の 汚なきやどに 入りいませてむ
《むさくるし この荒ら屋に あんたをば 何時になったら 迎えられんや》
―大伴田村大嬢―(巻四・七五六~九)
係累の無いまま 生母実家 飛鳥奈良思岡に 引き籠った田村大嬢
大嬢への 思慕は続く
茅花抜く 浅茅が原の つほすみれ 今盛りなり 我が恋ふらくは
《ツボスミレ 花が満々 咲いとおる うちも満々 焦がれとるんや》
―大伴田村大嬢―(巻八・一四四九)
故郷の 奈良思の岡の 霍公鳥 言告げ遣りし いかに告げきや
《奈良思岡 郷ホトトギス 遣らしたが ちゃんとあんたに 伝えたやろか》
―大伴田村大嬢―(巻八・一五〇六)
我がやどの 秋の萩咲く 夕影に 今も見てしか 妹が姿を
《夕暮れの 咲いた秋萩 見とったら あんたの姿 見となったがな》
我がやどに 黄変つ鶏冠木 見るごとに 妹を懸けつつ 恋ひぬ日は無し
《庭先の 赤い楓を 見る度 あんたのことが 思えてならん》
―大伴田村大嬢―(巻八・一六二二~三)
老境 田村大嬢に なお大嬢への思慕は尽きない
沫雪の 消ぬべきものを 今までに 流らへぬるは 妹に逢はむとぞ
《雪みたい 消え相になって 生きてるは あんた会いたい 思てるからや》
―大伴田村大嬢―(巻八・一六六二)
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【古事記ものがたり】への誘い
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