犬養万葉今昔―犬養孝先生著「万葉の旅」を訪ねて

犬養孝先生名著「万葉の旅」記載の万葉故地309箇所を訪ね、先生が撮られれたのと同じ場所に立った写真撮影を目指す紀行。

■日めくり万葉集Vol・2(158)そき板持ち

2012年12月01日 | 日めくり万葉集
NHK教育TVで「日めくり万葉集」第2弾が始まりました。
平日の午前中ということで 勤めの方は 見る機会に恵まれません。
また 見落とされた方も 居られるやも知れません。
そこで ここで取り上げて 訳し・「みじかものがたり」を 掲載したく思います。
ご覧下さい。

【十一月三日】放映分
そき板もち ける板目の あはざらば いかにせむとか 我が寝けむ
いまえが あとわへんて なったとき どうおもて うち共寝たんやろ》【寄物陳思】
                          ―作者未詳―(巻十一・二六五〇)
                         (そき板=薄くそいだ板 これでいた板目いためは合いにくい)

【万葉歌みじかものがたり】《打てどもりず》

独りごち歌 くくるのは
他男ほか共寝る児に がれる男
あと思わんと 共寝仕舞た女
どこまでりん こいやっこ

ころも りといめに見つ うつつには いづれの人の ことしげけむ
《結ばれた 夢見たけども じつとこ 誰とも噂 立たへんのんや》【寄物陳思】
                          ―作者未詳―(巻十一・二六二一)
                               (ころもを着る=結婚する)

あま飛ぶや かるやしろの いはつき 幾代いくよまであらむ こもづまぞも
かる神社やしろ まつつき神木 永久とこしえや 内緒ないしょの妻は いつまでやろか》【寄物陳思】
                          ―作者未詳―(巻十一・二六五六)
  
こもの したに恋ふれば らず 人に語りつ むべきものを
むねなかで こらえてた恋 たまらんで しゃべって仕舞しもた たあかんのに》【寄物陳思】
                          ―作者未詳―(巻十一・二七一九)
  
我妹子わぎもこが なにとも我れを 思はねば ふふめる花の に咲きぬべし
《気にすらも あの児んので れて仕舞て めたむねなか 出て仕舞しまや》【寄物陳思】
                          ―作者未詳―(巻十一・二七八三)
  
しるしなき 恋をもするか ゆふされば 人の手まきて らむ子ゆゑに
《何でまあ こんな詰まらん 恋するか ばん他男ほかのと 共寝るあの児やに》【正述心緒】
                          ―作者未詳―(巻十一・二五九九)
  
そき板もち ける板目の あはざらば いかにせむとか 我が寝けむ
いまえが あとわへんて なったとき どうおもて うち共寝たんやろ》【寄物陳思】
                          ―作者未詳―(巻十一・二六五〇)
(そき板=薄くそいだ板 これでいた板目いためは合いにくい)
おも忘れ だにもえやと 手握たにぎりて 打てどもりず 恋といふやっこ
《せめて顔 忘れさそかと どついても 恋のやっこめ りんとるわ》【正述心緒】
                          ―作者未詳―(巻十一・二五七四


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