犬養万葉今昔―犬養孝先生著「万葉の旅」を訪ねて

犬養孝先生名著「万葉の旅」記載の万葉故地309箇所を訪ね、先生が撮られれたのと同じ場所に立った写真撮影を目指す紀行。

■日めくり万葉集Vol・2(159)秋萩の

2012年12月05日 | 日めくり万葉集
NHK教育TVで「日めくり万葉集」第2弾が始まりました。
平日の午前中ということで 勤めの方は 見る機会に恵まれません。
また 見落とされた方も 居られるやも知れません。
そこで ここで取り上げて 訳し・「みじかものがたり」を 掲載したく思います。
ご覧下さい。

【十一月四日】放映分
秋萩あきはぎの 散りゆく見れば おほほしみ 妻恋つまごひすらし さを鹿鳴くも
秋萩あきはぎが 散って行くのん さみしいて はぎつま呼んで 雄鹿おじか鳴きよる》
                           ―作者未詳―(巻十・二一五〇)

【万葉歌みじかものがたり】秋萩あきはぎしのぎ》

 鹿鳴き】
鹿をしとうて あきはぎ咲けば
萩を求めて 鹿鳴きしき
鹿 と秋萩 連れ合い同士
散るのしいと 声響かせる

秋萩の 咲きたる野辺のへは さを鹿ぞ 露をけつつ 妻問つまどひしける
おす鹿しかが つゆえだ別けて かよたんは ここの秋萩 咲いてる野ぉや》
                           ―作者未詳―(巻十・二一五三)

秋萩あきはぎの 散り過ぎゆかば さを鹿は わび鳴きせむな 見ずはともしみ
《秋萩が 散ると雄鹿おすしか わびびしいに 鳴くんやろうな もう逢えんから》
                           ―作者未詳―(巻十・二一五二)
  
秋萩あきはぎの 散りゆく見れば おほほしみ 妻恋つまごひすらし さを鹿鳴くも
秋萩あきはぎが 散って行くのん さみしいて はぎつま呼んで 雄鹿おじか鳴きよる》
                           ―作者未詳―(巻十・二一五〇)
  
雁はぬ 萩は散りぬと さを鹿の 鳴くなる声も うらぶれにけり
《雁来たで はぎ散ったでと 雄鹿おじか鳴く その声なんか さみし聞こえる》
                           ―作者未詳―(巻十・二一四四)
  
秋萩の 咲たる野辺のへに さを鹿は 散らまくしみ 鳴き行くものを
秋萩あきはぎの 咲いてる野ぉで おす鹿しかは はぎ散るして 鳴きとおるんや》
                           ―作者未詳―(巻十・二一五五)
  
なぞ鹿の わび鳴きすなる けだしくも 秋野あきのの萩や しげく散るらむ
《なんで鹿 わびし鳴くんか そらきっと 秋野あきの咲くはぎ ろ散るからや》
                           ―作者未詳―(巻十・二一五四)
  
さを鹿しかの 妻ととのふと 鳴く声の 至らむきはみ なび萩原はぎはら
おす鹿しかが い呼ぼと 鳴く声が 届く果てまで なびけよはぎよ》
                           ―作者未詳―(巻十・二一四二)
  
君に恋ひ うらぶれれば しきの 秋萩あきはぎしのぎ さを鹿鳴くも
がれして しょんぼりどきに 野ぉの秋萩はぎ 押し別け雄鹿おじか 鳴く声わびし》
                           ―作者未詳―(巻十・二一四三)



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