本の迷宮

漫画感想ブログです。「漫画ゆめばなし」(YAHOO!ブログ)の中の本の感想部分だけを一部ピックアップしています。

夢みる機械 (諸星大二郎)

2008-05-28 08:49:18 | 漫画家(ま行)
1974年~1981年の間に描いたSF短編集。

あとがきで作者は
「夢みる機械」や「地下鉄を降りて・・・」の新宿高層ビル街が当時と全然違っていたり、
世界総人口が雑誌掲載時は35億、初版の単行本では45億、そしてこの本では55億と増えているところなどから、
時の流れを感じると書いている。

そういう表面的なものから見ると確かに古い作品かもしれない。
しかし、物語の本質的な面白さというものは今読んでも十分に面白い。
こういう作品はきっと日本だけでなく世界にも通用する面白さだと思うし、
今後何十年経っても残る作品なんだと思う。

表題作「夢みる機械」では、現実世界は自分ソックリの身代わりロボットに任せて自分自身は自分の希望する夢を見続けるというお話。
ちょっと「マトリックス」をイメージしてしまったけど、もちろんこっちの方が古い。

厳しくても現実を生きる方がいい・・・というのが本当はいいのかもしれないけれど・・・
楽しい夢の世界でずっと生きるのもちょっといいなあって思う私はちょっと精神的に病んでるのかなあ?