(2004年発行)
ほっこりと寂しくて・・・
はんなりと優しい・・・。
声高に「戦争反対!」と叫んでいる訳ではない。
戦争の悲惨な描写もほとんどない。
戦後10年。
広島の街では
身体だけじゃなく心に傷を抱えたまま生きている多くの人々がいる。
原爆症で倒れた皆実は終いには目も見えなくなってしまう。
その描写で、1ページ半に渡って白いコマのみが続く。
目が見えないという描写なら、真っ黒いコマにすることも出来るのに、
敢えて、「白いコマ」にした所が
何故か・・・哀しい・・・。
その白いコマに皆実の気持ちが書かれている。
嬉しい?
十年経ったけど
原爆を落とした人はわたしを見て
「やった!またひとり殺せた」
とちゃんと思うてくれとる?
ひどいなあ
てっきりわたしは
死なずにすんだ人かと思ったのに
ああ 風……
夕凪が終わったんかねえ
作者はあとがきでこう語っている。
「遠慮している場合ではない、
原爆も戦争も経験しなくとも、
それぞれの土地のそれぞれの時代の言葉で、平和について考え、
伝えてゆかねばならない・・・」
人々が「戦争」をすっかり忘れてしまうと、
また「戦争」が起こってしまうような気がする。
うわべだけの「戦争反対論」にはウンザリするが、
こういう心の底からじわーっと何かが溢れてくるような
そういう作品は、とってもいい。
「あとがき」より
「夕凪の街」を読んで下さった貴方、
このオチのない物語は、三五頁で貴方の心に湧いたものによって、
はじめて完結するものです。
これから貴方が豊かな人生を重ねるにつれ、
この物語は激しい結末を与えられるのだと思います。
う~~ん。私にとっての
この物語の「激しい結末」ってどういうものだろう?
まだまだ、豊かな人生を重ねていないのか・・・
どうも明確な結末は浮かんでこない。
ただただ・・・
「茫洋とした哀しみ」のみが胸に広がっていくばかり・・・。
ほっこりと寂しくて・・・
はんなりと優しい・・・。
声高に「戦争反対!」と叫んでいる訳ではない。
戦争の悲惨な描写もほとんどない。
戦後10年。
広島の街では
身体だけじゃなく心に傷を抱えたまま生きている多くの人々がいる。
原爆症で倒れた皆実は終いには目も見えなくなってしまう。
その描写で、1ページ半に渡って白いコマのみが続く。
目が見えないという描写なら、真っ黒いコマにすることも出来るのに、
敢えて、「白いコマ」にした所が
何故か・・・哀しい・・・。
その白いコマに皆実の気持ちが書かれている。
嬉しい?
十年経ったけど
原爆を落とした人はわたしを見て
「やった!またひとり殺せた」
とちゃんと思うてくれとる?
ひどいなあ
てっきりわたしは
死なずにすんだ人かと思ったのに
ああ 風……
夕凪が終わったんかねえ
作者はあとがきでこう語っている。
「遠慮している場合ではない、
原爆も戦争も経験しなくとも、
それぞれの土地のそれぞれの時代の言葉で、平和について考え、
伝えてゆかねばならない・・・」
人々が「戦争」をすっかり忘れてしまうと、
また「戦争」が起こってしまうような気がする。
うわべだけの「戦争反対論」にはウンザリするが、
こういう心の底からじわーっと何かが溢れてくるような
そういう作品は、とってもいい。
「あとがき」より
「夕凪の街」を読んで下さった貴方、
このオチのない物語は、三五頁で貴方の心に湧いたものによって、
はじめて完結するものです。
これから貴方が豊かな人生を重ねるにつれ、
この物語は激しい結末を与えられるのだと思います。
う~~ん。私にとっての
この物語の「激しい結末」ってどういうものだろう?
まだまだ、豊かな人生を重ねていないのか・・・
どうも明確な結末は浮かんでこない。
ただただ・・・
「茫洋とした哀しみ」のみが胸に広がっていくばかり・・・。