本の迷宮

漫画感想ブログです。「漫画ゆめばなし」(YAHOO!ブログ)の中の本の感想部分だけを一部ピックアップしています。

爆笑三國志 (シブサワ・コウ編)

2006-11-25 23:56:23 | その他
ゲームの「真・三國無双」で、すっかり「三国志」の世界にはまってしまった。

一度はまると、そういう関係の本を手当たり次第読んでいくタイプの私は一時期「三国志」の小説類、歴史書、などの関連書物に埋もれていた。(ちょっとオーバー)

・・・で、そういう中でこの本を見つけたのだが非常に面白い。
ギャグっぽい本なのだがイラストを描いている一人に「皇なつき」がいる。
美しい!!
周瑜が美しいのは当然だが、孫策も関羽も諸葛亮も・・・みんな美しい!!

副題に<歴史人物笑史>とあるように、とにかく笑える本である。
その上、「皇なつき」の美しい絵も見えるのだから、言うことない!!

「三国志」ファンにも「皇なつき」ファンにも嬉しい本だろう。

百物語 (杉浦日向子)

2006-11-25 23:49:04 | 漫画家(さ行)
(小説新潮 1986年4月号~1993年2月号掲載)


この作品は凄い!
絶対に後世に残る作品だ!!



作者が江戸の風俗を熟知しているとか何とか言う問題ではない。



ここには<江戸>というものが凝縮されて詰まっているのだ。
きっと・・・<江戸>というのは、こういうものなんだろうな~とすんなりと信じる事が出来る。
勿論、江戸時代の江戸に行った事があるわけじゃない。(当たり前)
だいたい現在の東京ですら私は数えるほどしか行った事がない。(これは関係ない?・・・笑)



まあとにかく、これを読んでいる途中で思わず、何か「原典」があるんじゃないかと調べたぐらいなのだ。



百物語なのだから、怪異譚がいっぱい出てくる訳だ。
それらは全部<江戸の匂い>がする。(勿論、江戸に行った事がないのだけど・・・)
さも、江戸時代の江戸の人が語ったんだろうな~と思える内容ばかりなのだ。



例えば、「道を塞ぐもの三話」では、
古い木と蚊帳つり狸と狢が道を塞ぐ話だが、どれも<こういうことがあった>という事のみを淡々と語っているだけだ。

山の一本道を歩いていると
長あい帯のぶら下がっているのに出くわす。
ただ下がっているだけで
別にどうするわけでもありませんがね。
そんなものが
下がった日には
気味の悪いものです。

くどくどと解説もなければ、オチもない。



そもそも、昔話だとか古典だとかはそういう語り口のものが多いと思う。
今は、くどいぐらい懇切丁寧に書くのが流行っているのかもしれないが、
そういうものばかり見ているとこの杉浦日向子の「百物語」などを読むとある種清々しささえ感じてしまう。(笑)



読み手側の<想像力>がないと、こういうものは物足りなく思ってしまうのかもしれないが、
想像力のたくましい者、或いは物事を素直に受け止める事の出来る者には、
最高に怖くて楽しいお話になっていると思う。