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日本の参院選、有権者は「安全と安定」選択!

2016-07-14 11:21:52 | 政治(国内・海外)
不安定な政治的情熱によって動揺する世界にあって、日本はそれとは無縁の孤立した島です。

 10日投開票された参院選で、当初の開票結果では、安倍晋三首相率いる連立与党が過半数議席を伸ばし、憲法改正発議に必要とされる議席も確保し。既に政権を担当して3年半、安倍氏は少なくとも2018年まで在任する公算が大きいようです。

 日本の人口は減少し、成長は横ばいで、低賃金の非正規労働者がかつてないほど増えています。現状維持に対する「反発」の条件は存在しています。それは先月、欧州連合(EU)から離脱を決めた英国、あるいはドナルド・トランプやバーニー・サンダースといった非伝統的な政治家に目を向ける米国と似た反発条件です。

 なぜ日本ではそうした反発が起こらないのでしょうか? 一つ挙げられるのは、他国で不満をかき立てたスタグネーション(景気停滞)はここ日本では全く目新しいことではないことです。この国は、四半世紀以上前のような経済的けん引役であることをやめてしまい、金利とインフレは1990年代末以降ゼロ近辺になっています。

 安倍氏の包括的経済政策、つまり「アベノミクス」は、抜本的な金融緩和や、企業の社外取締役増加などビジネス慣行変更などを盛り込んでいますが、日本を急速な経済成長に戻すことはありませんでした。しかしそれは株式市場と企業利益を押し上げました。最近逆転しているとはいえ円安のおかげだったのです。その結果、安倍氏はバラ色の数字を、少ないながら吹聴できたのです。

 最初の1.3%は、日本の総人口に占める非日本人の割合です。それは深刻な移民問題を醸成するクリティカル・マス(臨界質量)にはほど遠いものです。つまり、メキシコとの間に壁を構築するというトランプ氏の提案につながった反移民感情、ドイツの州選挙で反移民政党が過去最高の投票率を記録するに至った雰囲気、そしてブレクジット(英国のEU離脱)運動を勝利に導いた状況などとは無縁なのです。

 東京の民間シンクタンクを主宰する船橋洋一氏は「日本の最大の弱点、つまり閉鎖された労働市場は、実際には逆説的に多大な恩恵を日本にもたらした」と述べました。「彼らは移民に責任を押しつけられない」のです。

 もう一つの数字、350万ドルについて。これは時価総額で日本最大の企業であるトヨタ自動車の豊田章男社長の直近の年俸です。それはトヨタが200億ドルを上回る純利益を計上し、自動車販売台数が世界一になった年の年俸です。ちなみに、米ゼネラル・モーターズ(GM)のメアリー・バーラ最高経営責任者(CEO)の2015年の総報酬は2860万ドルで、前年比77%増でした。

 野党陣営の候補者たちは、アベノミクスは金持ちを優遇していると非難しました。だが、反エリート主義的な攻撃目標自体が欠如しており、それが、野党陣営に政治的な得点を稼がせるのを難しくしたのです。

 批判者を封じ込めるため、安倍氏はほとんどすべての経済公約について、介護施設の数や高齢者介護者数の引き上げといった提案に終始しました。野党民進党の牧山弘恵参院議員は安倍氏のそうした出方について、民進党の政策を模倣していると批判しました。

 選挙後のアベノミクスは、こうした家族問題や財源問題に集中する公算が大きい。一方で、安倍氏は外国投資家に関心のあるテーマ、例えば解雇を容易にする労働市場改革や、非熟練労働者(訳注=外国人労働者)の大量受け入れ問題については慎重に動くでしょう。

 10日の選挙結果が現状維持の追認に該当するのであれば、両陣営の選挙レトリックも現状維持の追認だったわけです。

 長野県の古い城下町・松本の駅前で開かれた投票数日前の野党集会で、21歳の学生活動家ホンマ・ノブカズさんは、安倍氏が日本の平和憲法を権威主義的な憲法に変えようとしていると非難しました。ホンマさんは聴衆(主として年配の人々だった)に対し、彼の目的は第2次世界大戦終了以降に永続して来たものを大切に守ることだと述べました。彼は「わたしがここに立っているのは、それを守りたいからだ」と語りました。

 最後のスピーカーが演説を終了して数分後、野党の支持者たちは、次に与党陣営による集会が予定されているため礼儀正しくその場を立ち去りました。すると安倍氏を乗せた車がやって来て、演説のためバンの上に登りました。

 安倍氏は、憲法改正について何もいませんでした。安倍氏は、日本の確立された秩序に対する本当の脅威は、野党陣営から来ていると述べました。そして与党に投票することは、60年間続いている日米同盟と、この国の自衛隊の力を堅持する投票を意味すると述べました。また安倍氏は、自衛隊は自然災害後に人々を支援することが主要な任務だと語っています。

 10日夜、選挙の勝利を祝いながらも、安倍氏は憲法改正問題を討議するのは国会だと述べるにとどまり、これを質問しようとするインタビュアーにおおむね拒絶的な発言に終始しました。

 安倍氏が憲法改正を議論したくないのは、この種の話をしたら同氏を追認したばかりの有権者がろうばいする恐れがあるからです。権力の座にとどまるため、安倍氏は日本を再び偉大にする必要はない。安定を求める人々の希望を満たすのに十分な状態に保つだけでいいのです。(ソースWSJ)

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