マックンのメモ日記

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海に眠るクリーンエネルギー“波力発電” 波の力をエネルギーに変える!

2014-02-03 18:15:17 | 宇宙・サイエンス・科学技術
日本近海の波の潜在エネルギーは、日本全体の発電能力を上回る約3億キロワットと言われています。そんな日本の“秘めた資源”から、高い効率で電力を生み出そうと、「波力発電」プロジェクトを推し進めているのが、三井造船の中野訓雄さん、43歳です。

実は、世界中で50年以上前から研究されている波力発電ですが、波の運動をどれだけ電力にできるか、という「エネルギー変換効率」が、実用化の壁となってきました。中野は波の力を最大限に受け止めて回転運動に変える、独自の制御技術を開発。それまで中野たちの研究では、17%が限界だった波のエネルギー変換効率を、最大59%にまで引き上げることに成功したのです!

打ち寄せる波はどうして生まれるのか?その答えは風。風が海面を揺らし、それが波となって海に波を作っているのです。もちろん月の引力なども関係していますが・・・。世界的な波エネルギーは、1~10tW(テラワット)と見積もられています。これは、世界中の電気の需要に匹敵するほどです。波エネルギーは、海岸または海域1m幅当たりのエネルギー量で示します。ヨーロッパでは海岸1m幅当たり平均で40kWもの波エネルギーがあります。緯度が高いのでつねに風が吹いているため、強い波が打ち寄せているからです。

日本では海岸1m幅当たり平均6~7kWで、いちばん大きい場所も10kWほどです。ヨーロッパと比べると少ないエネルギー量ですが、日本の海岸線の総延長は3万5000kmもありますから、波エネルギーの総量は3100万~3600万kWにもなります。これは日本の年間発電量の約3分の1に相当するのです。

波のエネルギー変換率を半分の50%としてもだいたい1500万~1800万Kwに相当するわけで日本の年間発電量の約6分の1に相当することになるわけです。波は常に波打っているわけですから、波は永久不滅のエネルギーとも言えるのです。このプロジェクトが神津島で行われているのです。人口は2000人の小さな島です。ここの電力は100%火力発電で賄われており、ディーゼルを回して発電していて都内の倍以上のコストがかかっているのですが、そのコストを今は電力会社が負担しているから生活が成り立っているのです。しかし将来のことを考える不安があります。

そこで島の目の前にある波で電力を作り、使う電力を賄おうと考えているのです。つまり“地産地消型のエネルギー”です。波の高さは年間平均1,4メートル。基本的には1~1,5メートルはほしいので1,4メートルならいい場所なのです。実は、この波力発電は古くから世界中の科学者が実用化に臨んできたのですが、本格的な商用化には失敗してきました。最大の原因はエネルギー変換率が悪く波の力を効率よく電気に変えることができなかったのです。中野さんはこうした変換効率の壁を破って実用商業化を目指しています。

それは発電フロートが上下して電気に変えようというものです。その仕組みは装置の内部で歯車を使い上下運動を回転運動に変換。これで直接発電機を回して電気を作ると言うものです。それにある技術を加えることで発電効率を飛躍的にあげることに成功したのです。従来は、フロートは波に乗るだけで多くのエネルギーを逃してしまっていました。これをコンピューターで制御し波の力を貯めることでエネルギーを最大59%まで引き上げたのです。この技術で17%が限界だったエネルギー変換率を最大59%まで引き上げたのです。

直径2メートル長さ20メートルの鋼鉄製の胴体は発電機のフロートの棒の部分に当たります。ここに8メートルのフロートを取り付け全長40メートルの発電装置が出来上がるのです。1基当たりの発電量は最大100Kw、一般家庭の使う電力の24軒分です。めざすは世界でも例のない波力発電の本格的な商用化です。波力は最後の再生可能なエネルギーなのです。

中野が目指すのは、日本中の海に面した町で、波力で生み出す「地産地消エネルギー」。その実現に向け、いよいよ海上で本格的な商用化を視野に入れた実証実験が始まります。果たして、波力の明かりで、地域を輝かせることはできるのでしょうか?