なぜベストを尽くさないのか Why don't you do your best? ── 日本科学技術大学教授 上田次郎
最近では、徐々に少なくなってきましたが、
しかし、たまーに、見かけてしまうものがあります。
それは、旧式の銀行ATM。
そう、ゲームはPS3やら"ハイデフ"なXBOXやら、
テレビは地上デジタルハイビジョンな液晶世紀。
携帯電話ですらワンセグ対応で美麗画面が楽しめる昨今。
そんな中、タイムスリップでもしたかのように、
マイコン時代に取り残されてしまったかのように、
あからさまに色数が少ないATM、ありますよね。
大手銀行からは、徐々にその姿を消していますが、
地方銀行や、郵便局なんかには、まだまだ多数の勢力がありますね。
そんな色数が少ないATM、
色数が少ないだけなら、「年代モノなんだね」で済ませられるんですが、
その事態を悪化させているのが、受付嬢らしき女性の絵でしょう。
2007年の今、あえて指摘することではないですが…
しかし、なんだアレはっ…！
なんだ、あの同時発色数が8色な感じの、
ファミコン並、いや、ファミコン以下の絵はっ…！！
むしろ表示しない方がいいんじゃないのかっ…！
たしかに、ATMの機能としては、銀行業務さえ出来れば良いので、
そこに力を入れる必要はないですが。
だがしかし。
その、たとえ8色の絵だったとしても、
なんつうかその、もうちょっとマシに書くことはできなかったのか。
そりゃないぜ！！
ま、それには様々な理由が考えられますが、
しかしまあ、ベストを尽くしていないのは、ATMのみならず、
モチロンのこと、ゲームにも、そういうものは多々ありますよね！
昔の話を蒸し返すならば、
ファミコン版ファイアーエムブレムなんかは、
これまた…ベストを尽くしてない代表格とも言える存在のように思えます。
ファミコン後期、
FF3以後であるにも関わらずの、鮮烈なグラフィック。
それはきっと、DS/Wii時代のエムブレマーにとって、
美麗キャラに惚れこんでしまったティーンエイジャーのハートを
ズバンと撃ち抜き、粉々にしてしまう破壊力を秘めていること、間違いなしでしょう。
ま、このゲームの場合、ベストを尽くさないと言うよりも、
「そりゃないだろ」感が強かったわけですが…。
プレイステーションでFFシリーズがリリースされ始めた頃なんかは一時期、
一部のユーザは、「ゲームは絵じゃない」などと、
呪文のように唱え続けていた時代もありました。
しかし、かと言って、
「あまりにも頑張らなさ過ぎているゲーム」
というのは、それはそれで問題がありますよね！
それは、絵のみならず、システム、サウンドを含めれば、
未だに該当するゲームも、まだまだ見受けられるのでは。
WiiやPS3や、ハイデフなXBOXになってさえ。
なぜベストを尽くさないのか。
