美術と本と映画好き...
徒然と(美術と本と映画好き...)




二十年ぶりかぁ... 初めて読んだ時には若者の風俗に気を取られてあまり気にしていな かったのですが、二十年ぶりに読んで気づいたのは全篇をつつむ死 の気配です。こんな作品だったかなぁ...最新作の『1Q84』でも死の 臭いがむんむんとしているのですが、その質感はだいぶ違うものの ように思います... 昨日、紹介したインタビューにも書かれていましたが、『ノルウェ イの森』はちょうど端境期の作品です . . . 本文を読む

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先日、村上春樹の『ノルウェイの森』を再読しました。 二十年ぶりかぁ... 学生時代に村上春樹にはまっていた時期がありました。いろいろ読 んでいたのですが、リアルタイムで読んだのは『ノルウェイの森』 が初めてでした。ただ、読後感が良くなく、個人的な印象は薄かっ た作品です。 先日、モンキービジネス vol.5 に掲載された村上春樹のインタビュ ーを読んだのですが、その中で『ノルウェイの森』をリ . . . 本文を読む

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この小説にはあちこちにこどもやこどもの頃の思い出が出てくるけ ど、とってもひりひりします。最近、ダブルバインドという言葉に ついて考える機会があったので、この小説自体がそのための仕掛け のようにも読めました。 # でも、村上春樹ってこんなに露悪的だったっけ...(^^; もう少し読みたかったのは物語の発端になった劇中の小説『空気さ なぎ』がリライトされる場面や、宗教団体さきがけのリーダーがリ ー . . . 本文を読む

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山本周五郎の『虚空遍歴』を読んだ。武士の出ながら芸事に嗜み、 端唄の作者として名を知られるようになった男。それだけでは足り ず、新しい時代の浄瑠璃作家の道を行くために、江戸、大阪、京都、 金沢と遍歴を続けていく... さまよう前の導入部、自信に満ちた主人公がとある座敷で即興の歌 を求められる。出された文句に節がつけられず負けを認める主人公。 その場面には斬り合いのような緊迫感があってはらはらさせ . . . 本文を読む

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辻邦夫さんの『春の戴冠』をようやく読み終えました... メディチ家の盛衰を通奏低音に、刻々と動いていく時代の中で、移 ろうもの、変わらないもの、聖と俗、善と悪...そんなせめぎ合うも のたちが渾然と描かれています。 主人公はフィレンツェ... 社会人になって実家を出るときに、父親から『これは面白いから読 んどいた方がいいぞ』と持たされて十五年、一度もページを開くこ とのなかった本です。夏休み . . . 本文を読む

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講談社が出版しているフリーな雑誌です。 今月の表紙は町田久美さん。 連載『現代アートの現場から』で、高階先生が町田さんを紹介しています。 . . . 本文を読む

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今日は関西に日帰り出張...九月だというのに仕事は暑くなるばかり です... # 九月に夏休み取れるかなぁ...(^^; とはいえ新幹線、往復の五時間で読んでた雑誌... ・芸術新潮九月号 ニューヨーク 美術館をめぐる冒険 そう、遅い夏休みをどこで取ろうか考えていて、ついつい手に取っ てしまった一冊です。フリック・コレクションは観たことありませ ん。ノイエ・ギャラリーはクリムトの『アデーレ・ブ . . . 本文を読む

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というわけで極私的時代小説ブームの続編です。 ○隠し剣孤影抄 (藤沢周平) 死闘...ということばがぴったりな短編集です。立ち回りの描写の迫 力はとても厳しい...時にやりきれないような思いのする描写もあっ たりするのですが、よくぞこれだけ秘剣を編み出せるなぁ...と感心。 ◎たそがれ清兵衛 (藤沢周平) そんな剣法に重きを置く隠し剣シリーズから、より人情味に重きを 置いたのがこの短編集。なく . . . 本文を読む

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時代小説はほとんど読まないのですが、ここ一ヶ月、通勤の友とし て三冊ほど... ○憑神 (浅田次郎) 何となく『ものがたり』が読みたいなぁ...と書店をさまよっている 時に手に取った本。浅田次郎は泣かせそうな感じで読まず嫌いだっ たのですが... 人生にツキがない主人公はひょんなきっかけで祠に手を合わせます。 拝んだ神様はなんと憑神様...憑神というのは貧乏神に疫病神に... といった破天荒な . . . 本文を読む

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デュシャンを初めて意識したのは二年前、横浜美術館で開催された、 『マルセル・デュシャンと20世紀美術展』です。デュシャンのレデ ィメイドな作品と、それをモチーフにした現代作家たちの対比がと ても面白かったのをまだ覚えています... 昔はただの便器だと思っていたのですが... 目に見えるイメージを表現することがお約束の美術の世界に、作る ことをやめて見せたことが、まず、凄いなぁ...と思います。 . . . 本文を読む

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十五年前はあちこちの本屋にあったのに、いつも立ち読みで済まし ていたメイプルソープの花の写真集、正方形のソフトカバーでとて もきれいな装丁でした。本屋の洋書売場で同じ内容の本は見かける のですが、まっしろいつるつるの紙で、花もペラペラした印象です。 何だか味気なくて... 先日、久しぶりでリブロの洋書売場を物色してたらメイプルソープ の写真集が出ていました。その名も『The Complete F . . . 本文を読む

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木村カエラさんの写真集です。先日、奈良さんの『Studio Portrait』 を買ったときに、森本美絵さんからの連想で何気なく手にとってみ たらいい感じ。思わず買ってしまいました。木村カエラさんはミカ バンドのボーカルをしていたイメージくらいしかないのですが、写 真集は以前から気になっていました。時々読んでるブログのこんな 記事にも反応したりして... ・カエラ(Hash Blog) 前半はレ . . . 本文を読む

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日本国内では現役最強の絵描きである宮崎進さんが本を出しました。 タイトルの『鳥のように』には宮崎さんの願いが込められているよ うに思います。二十代前半の四年間をシベリアに抑留されていた著 者は、描くことをよすがにしていました。ツンドラの荒野にも春が くる。空が青く見えたことも何度となくあったでしょう。そんなと きにふと浮かんだフレーズなのではないかな... 重く沈んだ記憶は、時には散文として、時 . . . 本文を読む

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今日買った写真集... これは奈良美智さんの制作風景を撮影した写真集です。とはいえ、 単にアーティストを写しただけのポートレイトではありません... 2001年、ドイツから帰国したばかりの奈良さんはアトリエで個展の 準備をしています。横浜美術館で開催される大きな個展。森本美絵 さんのカメラは、そのすべてを新作で構成しようという意欲的な試 みを、半年あまりにわたって撮影しています。 写真集は編 . . . 本文を読む

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樋口一葉はとても好きな作家です...以前、こんな作文を書いたこと があります。 ・樋口一葉を読む そんな樋口一葉を主人公に、封建的な社会に生きる女性たちを描い た井上ひさしの戯曲... 空想の好きな一葉はとても一途な女の子です。ぎこちなくなっても 忘れられない師匠、半井桃水に寄せる思いや、女学校を作って日陰 の女性を救ってやろうという気持ち... そんな生真面目さから、現世に未練を残す花蛍な . . . 本文を読む

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