美術と本と映画好き...
徒然と(美術と本と映画好き...)




今年のアートフェア東京、賛否両論があったようですが、私はとて
も楽しめました。中でも『脱ガラパゴス化 日本のアートをもっと
元気に』というトークイベントが熱かった...

もっとも興味深かったのが吉井仁実さんの現状認識でした。吉井さ
んは日本(あるいはアジア)と欧米との格差が教育にあると説きま
す...

吉井さんにはお子さんがいて、美術館のような堅苦しい場所には行
きたがらない。そんな子どもを GEISAI に連れて行ったら『お父さ
ん、アートってこんなに自由なんだね』と生き生きとしていたのだ
そうです。アートのど真ん中にいる自分に、何が与えられるのだろ
うと...

また、吉井さんはいわゆる『ヒルズ族』とも付き合いがあったそう
です。だけど、折角1000万の作品を買っても、周囲に『なんでこん
なもの買ったの?』と言われてはモチベーションが下がってしまう
だろうと...それはそうですよね...お金持ちも同じだなぁ...(^^)
# ちょこっと堀江貴文さんの名前が出たのですが、ヒルズ族の流れ
# からか...あるいは何か買ったのか...(興味津々...)

オークションについては必要悪だとばっさり。ただ、欧米のオーク
ションは社交の延長線にあって、いろんな泥くさいことを薄めてい
るけれど、日本のオークションはただの商品を売る場になっている
のではないかと...

また、アートフェアについてはライブな感覚が必要だと言います。
コアなアートファンや富裕層ばかりでなく、一般の人を楽しませる
工夫。海外での成功例としてロンドンの Frieze Art Fairをあげて
いました...

Frieze の会場はリージェント・パーク。地元の人に根付いたイベン
トなのだそうです。子どもも楽しめるし、美味しいものも食べられる...
六本木アートナイトはそれに近いかな...?やっぱりイベントは楽し
くないと!

そんな吉井仁実さんが今注力しているのが美術教育への取り組み。
アートが社会に役立つという信念を持って取り組んでいるとおっし
ゃっていました。これからどんなことをされるのか、とても興味が
あります。

そんな吉井さんは今回のアートフェア東京に出展されていませんで
した。その理由をご本人は無言の圧力をかけるためとおっしゃって
いました。参加しないことで、いろんな人と、なぜ、どうして、と
いったコミュニケーションが生まれるから、お休みしたことが良か
ったとも...

あと、建畠晢さんの話も興味深く聴きました。キュレーター、本来
は専門職なのに日本では学芸員と訳したおかげでゼネラリストな仕
事になっていて、海外のキュレーターと人事交流することが難しく
なっているそうです...

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