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労働時間規制の意味
ホワイトカラーエグゼンプションは、労働時間規制の問題をあらためて考えるきっかけをつくってくれました。エグゼンプションとは、適用除外という意味ですから、現在の「1日8時間、週40時間」という労働時間規制の適用から、労働者をはずすことをむろん意味しています。要するに、これ以上働きたくないと思っていても、残業野放しの状態がつくられるということです。
日本で8時間労働制が定められたのは1947年に制定された労働基準法によってです。労働者はいうまでもなくロボットではありません。人間は、必要な休息をとって健康を維持し、社会生活を営み、仕事もする。これらがちょうどよいバランスが保たれていてはじめて人間らしい生き方といえるのかもしれません。しかし、労働者一人の力では、経営者と同等の関係をつくるのは実際に容易でないために、すべての雇われて働く人たちに「人たるに値する生活」(労働基準法第1条1項)を保障するために、最低の労働条件として1日8時間労働、週40時間労働がうちだされたのでした。労働基準法は、このように経営者が守るべき最低の基準を示したものです。
8時間労働制が定められた背景には、労働者自身の権利獲得のためのたたかいの歴史があります。たとえば、周知のようにメーデーは、8時間労働制を要求してたたかったアメリカの労働者に連帯した国際的な運動としてはじまっています。
もっとさかのぼれば、労働時間規制のはじまりはイギリスにありました。1802年、同国で「徒弟の健康および風紀に関する条例」です。そこでは、9歳以下の児童労働の禁止、徒弟の労働時間の規制(1日12時間まで)がうたわれています。
国際的には労働条件を改善するための機関として国際労働機関(ILO)が設立されています。ILOは1号条約で「1日8時間かつ週40時間」を労働時間の上限と定めています。そして、この1号条約以降も、8時間労働制の基準は発展させられています。しかし、日本政府は、この1号条約すら、いまだに批准していないのです。
労働基準法で「1日8時間労働、週40時間労働」を定めているのに、なぜ批准できないのか、奇妙な感じがします。それは、労働基準法が一方で、労使が協定を結べば残業させることができるように定めているのです。
政府がILO1号条約を批准しないのは、この残業への規制がかかるのにたいする財界の意向が働いているからです。
労働時間規制がどのような意義と歴史をもっているのか、ふりかえってみると、ホワイトカラーエグゼンプションを導入しようという政府と財界の意向は容易に推測されます。まさに残業代が問題になるのは8時間労働制があるからです。
このホワイトカラーエグゼンプションは残業代不払いと残業の野放し、労働の健康破壊をもたらすものと、労働組合から厳しく指摘されてきました。以上のこれまでの財界の対応はそこに狙いがあることを端的に物語っています。「管理職には残業はつかない」というのが日本の常識とされていますが、これとて本来の法の立場にたてば残業の適用除外の範囲はきわめて限られてくるのです。ホワイトカラーエグゼンプションは、こうした労働時間規制の歴史に逆行するものであるだけでなく、別エントリーでふれたように、賃金が労働時間によって決定されるという大原則を崩すものといえるものともいえそうです。