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「憲法論議封印論」の賞味期限-改憲手続き法案を阻止するために
安倍首相は2月26日、あらためて改憲手続き法案を5月3日に成立させるよう求めたといいます。首相が自分の任期中に改憲をやるといってのけても、その条件となる国民投票がまずは実施されないといけません。
安倍首相が昨年、自分の任期中に改憲をめざしたいとふれたことを受けて、2月11日に二階俊博国対委員長が与党単独にもふくみをもたせ5月3日までに成立させることを言明しました。また、すでに首相は「自衛隊が海外で活動することをためらわない」(1月12日NATO=北大西洋条約機構=理事会での講演)と公言しており、海外で武力行使ができるように集団的自衛権の行使を可能にすることが目的であることは明らかです。
これまで自・公両党と民主党は、国民投票法案について、法案は「憲法改正とは別の中立の手続法である」とか、改憲が具体的な課題となっていない今だから、「公正・中立」な手続き法をつくることができるといってきました。しかし、以上の安倍首相みずからの、そして二階堂など与党中枢の言明は、まさに彼らがねらう手続き法が日米軍事同盟にもとづく、戦争する国づくりのためのものであることを証明しています。
そこでタイトルを憲法論議封印論としましたが、これは安倍氏が改憲を参院選の争点にするといったことにたいして、争点は、格差問題だといって、いわば憲法改定、改憲手続法案の論議を封印し国民の眼からそらそうとする意見をさしています。政党間の思惑があるとはいえ、これは不可解なことだと私は受け止めました。しかし、その後の与党の動きを考えると、この議論の旨みをだれが味わったかは横に措くとして、この議論の賞味期限はまさにここに尽きたといわざるをえません。
私たちが護憲をかかげて、安倍政権による戦争をする国づくりをめざした改憲を阻止するためには、改憲とつらなった改憲手続き法案=国民投票法を廃案にして、成立をストップさせなければなりません。予断を許さない状況です。
思想・信条のちがいを超え、いまの日本国憲法の価値を認める人はみな改憲手続き法案=国民投票法案に反対の声を大きくあげることが火急の課題となっています。
◇憲法改悪反対共同センター
「国会議員請願・マスコミ要請一斉メールフォーム」はこちら
◇自由法曹団のホームページ
追伸;自民党案、民主党案の「修正」を前提に一本化の話し合いがすすめられています。(それについては別エントリーでふれました)
いずれにせよ本質はまったく変わらないのです。
また、CM野放し、資金量が改憲を左右する実態など、両法案の本質はいよいよ明らかになってきました。
上記自由法曹団の坂本修弁護士の意見には、面白い資料が添付されています。
05年衆院選時の政党広告の実態です。資金量によってわれわれの誇るべき憲法の将来が左右される、こんなことを許してならないとあらためて同論文をよんで思いました。