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今、そこにいる不器用な子(´・ω・`) ~『まどマギ』とか『AB』とか『うみねこ』とか…

2011年08月17日 | 思考の遊び(準備)
最近、気に入った“不器用な子”キャラを並べてみました。…最初、自分のフィーリングを優先して“アホの子”と表題しようかとも思ったんですが、僕はアホの子ってそんな悪い印象で使っていないのですが、まあ、あんまりキツい受け止め方になってもよくないので、今回は控えておこうかと(汗)
今回、不器用な子と題して、下記に『魔法少女まどか☆マギカ』~『AngelBeats!』~『うみねこのなく頃に』のヒロインたちをリストして行きますが、僕はこれをちょっと『面白い』共通項を見いだせると思っているのです。

1.近年の複雑化する『物語』を代表するような入り組んだストーリーである事。
2.物語全体が謎に包まれていて、それらを明らかにして行く展開が含まれる事。
3.用意された謎の焦点にヒロイン格のキャラクターが置かれている事。

そして4.そこに置かれたヒロイン格のキャラクターは、真相が分かると「恐ろしく不器用な子」である事、その不器用さもかなり言語を絶する程不器用である事(言語を絶するは言い過ぎかな?w)が判明する事…です。最初は、すごくクールでミステリアスな女の子として登場して主人公を惑わせるのだけど、事が明らかになってみると「ミステリアスなのは不器用で、気持ちを伝えるのが上手く行っていないからでした!<(`・ω・´)」…みたいな感じと言えばいいのか。
これは、今後、さらに複雑化して行く……こともあるであろう(ハッキリしないな!)『物語』構造として、ちょっと興味深い“形”に思います。複雑化したストーリー、謎が多いストーリーは、最終的に辻褄が合わないと受け手の納得は得にくいわけなんですが、キレイに辻褄の合う範囲だと、すぐに読まれたり、あんまり飛躍した楽しさの無い物語になり勝ちでもあると言えます。

その複雑になったストーリーのある種の歪みをワン・キャラに全て載せて「この子はこういう子なんだ!」ちょっと……いや、相当、変わっているけど、それはしょうがないんだ!(`・ω・´)みたいな感じの形に、意識無意識を問わず、その形に落ち着いているのは、ちょっと『面白い』かなと思っています。
いや、最初僕は彼女たちのキャラが、どうにも、腑に落ちなかったんですけどね(汗)…なんか気になって…というか焦点のキャラですからねえ……じっくりコトコト(煮詰める音)と、考えを巡らせて行ったら、ある一線で、ふと、「ああ、そうなんだ。この子、不器用なんだ」でキャラの像がガチッとはまったって話なんですけどね。
それが何度か同じ傾向で続いたので、それを書き留めておきます。今後、このパターンがまた出てくるかはわかりませんが、一つの類型として覚えておきます。

■『魔法少女まどか☆マギカ』~暁美ほむらさん



ほむら「繰り返す。私は何度でも繰り返す。同じ時間を何度でも巡り、たった一つの出口を探る…」

『魔法少女まどか☆マギカ』は、不思議な生物・キュゥべぇとの「魔女と闘う魔法少女になる契約」を巡る、少女たちの『物語』…という説明でいいのかな?キュゥべぇは確信的にその契約の本当の意味を伏せていますが、もう一人、その契約の意味の全てを知りつつ、たった一人での解決を目指して時間跳躍を繰り返すヒロインが暁美ほむらさんです。彼女の目的も当初伏せられている。

いや、この物語の真相が観えた時、僕は「いや、それならもう少し賢く、仲間の協力を仰ぐ手段はあったんじゃない?」と暁美ほむらさんに対してそう思ったんですよね。ちょっと上手く行かなかった時点で、早々にそれをあきらめて、一人で何とかする事を決意してしまうんですが、そこはもうちょっと何とかならなかったのかなあ?と。
そこらへん含め、端々の行動で、暁美ほむらというキャラクターが、僕はどうにも呑み込めず悩んでいたんですが、ふとGiGiさんが「ほむほむ(ほむらの事)は、アホの子だよ?」と言った発言をしていて「ああ、そうか」と目からウロコが落ちるものがあったんですよ。…いや、アホの子ってそんな悪い意味で使ってないですよ?(汗)

そうなんですよねえ…。登場時のミスティアスで、クールで、カッコいい立ち振る舞いから、てっきり“賢い子”をイメージしてしまったのですが、彼女の物語が明らかになる10話を観れば、そうではない事が丸分かりになるんですよ。
アホの子というか……応用が利かない子とか、融通が利かない子とか、そういう表現の方がいいかもしれませんが。ともかく、他が視えなくなってしまう子で、“時間跳躍”という無限の可能性世界を与えられても、前しか視えない所があって上手く使えていないのでしょう。

「まどかを救う!わたしにはこの子しかいない!」と、まどかだけだけになってしまう所と、そのまどかを救う方法について妙にあきらめ早く、周りが見えずに嵌って行く所とは、一緒のものなんだと。…そう考えると、このキャラクターがすっと腑に落ちてきたんです。
トロくて、思い込みがはげしくて、すぐに周りが視えなくなる子。でも、だからこそ彼女が救おうとした“ただ一人の友人”~水を差すと周りが視えていない…とも言えますが~「まどかを救いたい」という願いが、唯一性の輝きを持ち得ている。そして、この物語を締めくくり得る美しさを持っているのだなあと、今は、そう思っています。今は、まどかの次に好き。(`・ω・´)

■『Angel Beats!』~立華かなでさん



音無「どんだけ不器用なんだよ……お前は」

『AngelBeats!』は、記憶を失って、どうやら死後の世界らしき場所~学校の校舎~に送られてきた少年・音無くんが、その世界でも消えて行く事に抗う“死んだ世界戦線”のメンバーとともに、“天使”と呼ばれる美少女にして消滅の導き手…のような存在と抗争を繰り返す『物語』でしょうか?
その世界がどうしてあるのか?が物語キーで、その世界の意味を見出した時、それを受け入れ得るか?肯定し得るか?というのがポイントでしょうか。

これもね、真相が分かった時、「それが目的でこんな(抗争を繰り返す)事態になるのかなあ?」とは思ったんですよねw…いや、天使(かなで)ちゃん、以上におっちょこちょいといか、早とちりとか激しそうなユリ(死んだ世界戦線のリーダー)と、絶妙の錯綜をすれば、そうなるかな?まあ、イメージは沸くかな?とも思うんですが、それにしても言語を絶する不器用さだと思うんですよね。

しかし、これもね。ず~っと潜って行ってみると、ある一線から分かるような気になって来る。逆に淡々と自分の“決めた事”をやり続ける姿勢はちょっと感動するというか。…自分が不器用という自覚はあるようで、その上で、徹底してポーカーフェイスなんですが、どうも内心では傷ついたり、落ち込んだりしている、でも、やっぱり“決めた事”を止める事はしない…。
つまり、それって不器用じゃないとできないというかね。それは僕は佳い事だと思うというか、けっこう尊敬してしまう事でもあります。心臓を患ってろくに生きてもいない子だけど、喜怒哀楽凡て飲み込んで納得していて、淡々としていて、いつでも成仏できる子なんだけど、決めた事があるから残っている。それはカッコいいなと。

■『うみねこのなく頃に』~ベアトリーチェさん



戦人「馬鹿野郎ぉぉぉ…。……お前の謎はさ、……捻り過ぎなんだよ……!!」

『うみねこのなく頃に』は、六軒島で起こった謎の連続殺人事件を解決するため、事件の“被害者”である右代宮戦人くんが、真犯人の“仮存在”である魔女ベアトリーチェに繰り返し繰り返し、六軒島の可能性世界の事件をいくつも見せられ、その全ての事件の真相を暴くことを強いられるという、PCゲーム…………何を言っているのか分からないかもしれないが、俺も何を言っているのか分からなねえ…ッ!!(`・ω・´)おお、ポルナレフ……とまあ、全く知らない人には一口で説明するのが、相当難しい『物語』なのです。

その上、物語が全て終了した今も、事件の真相は明示的に明らかにされていない。ただ作者から「推理は可能である」と宣言されているだけ。そんな物語なのですが、これを僕なりに推理(?)し、大体、こういう感じの真相かなあ?という自分なりのの答えにたどり着きはしました。しかし、そこに到った時に得た感想は大体、戦人くんと一致するんですよね。

曰く、「捻り過ぎなんだよ……!!」…いやwなんかほんとにそんな感じなんですよね(汗)真相から大体の犯人が見えてくると、大体、動機もイメージできるようになってくるのですが…“捻り過ぎ”はそっち側の方が重要というか、その為にこれほどの大掛かりな事件を起こしたの?と思わなくもない。
しかし、犯人ベアトリーチェが何を考えていたのか、ず~っと潜って行ってみると、ある一線から分かるような気になって来る。ちょっと、ネタバレですが、結局、ベアトリーチェは自分の話を戦人くんに聞いて欲しくて、聞いて欲しくて、仕方がない。そして、戦人くんとず~っと遊んでいられる事を考えると、事件の内容は“捻り過ぎ”にならざるを得なかったという事なんですけどね。

これを常識線上に持って帰って語ろうとすると「ベアトさんは、ちょっと頭のネジが一本外れた子……アホの子?」みたいな話になって来るという。でも、その頭のネジの外れ具合が全部、「戦人さん好き!」に注がれているかと思うと、なんかすんごい萌えるというかね。
『うみねこのなく頃に』は僕は好きなキャラはけっこう、右代宮縁寿、絶対の魔女・ラムダデルタは、忘れ難く好きなんですが、ベアトは最初、そんなでもなかったのが、最終的には彼女らに比肩する程、好きになっていました。…というか(戦人に気を惹くために?)奔放な悪女から、決然たる決闘者、貞淑な淑女まで様々な相(かお)を見せた素晴らしいヒロインだったと思います。


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