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ねにもつタイプ・・・ですか?

2013-02-22 | 本にまつわる話
  【お雛様を飾りました】


 

突然ですが、ねにもつタイプ好きですか?

『ねにもつ』とは、いつまでも恨みに思って忘れないという意味ですが

今回のこれは、本のタイトルです。

2007年に講談社エッセイ賞を受賞した岸本佐和子著ねにもつタイプを読みました。

あまのじゃくな性格のせいか、話題になっている本を読みたくないという

めんどくさい性格で、散々人にいいよといわれてからでないと

○○賞受賞作品とかいう本を読むことがありません。

その「いいよ~!」と言ってくれる人の一人に作家の小川洋子さんがいます。

彼女の心の本棚にある名作から毎週一冊を選び
音楽と共に紹介してくれる彼女のラジオ番組
「Panasonic Melodious Library」
で紹介されたものでした。

何より惹きつけられたのは、昔のミシンの思い出を書いているエッセイです。

・・・子供の頃、家にある調度品の中でひそかに尊敬し、憧れていたのはミシンだった。
   ゴブラン織り風のカバーをかけらていて~略~
頭の中に、「サンダーバード」のテーマソングを聞きながら
ずっしりと思いその本体を・・・


この部分が朗読された後、→サンダーバードの曲が紹介されたのです。

そうです!
これこれ!

昔、ミシンが天板を開いたあとの穴の中から回転して出てくるのをみていると
この音楽が頭の中を流れたものでした。


※イメージ画像

同じことを考えていた人がいるんだ!!!

そう思ったら、いてもたってもいられなくなり

ネットで図書館のサイトを開き早速予約したのでした。

このほかにも、そうそう!同じ同じ!
私もそう思っていたのよ!

数回乗っただけの小田急線なんですが、
その沿線の描写など、もう大笑いしながら読んでしまいました。

こんなこと考えているなんて、人には言えないわ・・・
なんて思っていたことが、活字となって読めると思ってはいませんでした。

このひと(岸本佐和子さん】ちょっと変わってるわ~!
そう思うところもありますが、思わず膝を打って笑い転げてしまう文章が溢れていました。

可笑しいから笑うのではなく、本の中に人に知られたくない自分を見つけて嬉しくなるから笑う。

そんな感じでしょうか。

この本の中にあるねにもつとは、恨みを持つという感覚ではなく

ずっと気にしていて頭から離れないというものという感覚でしょうか。
(例外もありますが、この例外の憎き相手というのも笑えてしまうんです。)

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      :::::::ねにもつタイプ (ちくま文庫)::::::

             コアラの鼻の材質。郵便局での決闘。
             ちょんまげの起源。新たなるオリンピック競技の提案。
             「ホッホグルグル」の謎。パン屋さんとの文通。
             矢吹ジョーの口から出るものの正体。
             「猫マッサージ屋」開業の野望。
             バンドエイドとの正しい闘い方―。
             奇想、妄想たくましく、リズミカルな名文で綴るエッセイ集。
             読んでも一ミクロンの役にも立たず、教養もいっさい増えないこと請け合いです。
             岸本 佐知子
             筑摩書房

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岸本佐和子さんは、元々翻訳家なんですが

この言葉と一日中向き合って、イマジネーションを膨らませるのが仕事という立場だからこそ
生まれる文章なのかもしれません。

笑えます^^
 
面白いのは、この本を読んでいたら

母が、「ねにもつタイプ?・・・・私の事?」というのです。

しばらくすると、今度は夫が

「ねにもつタイプ?・・・・私の事?」ですって!

ねにもってることって、誰にもあるのかもしれませんね。

いやはや、久しぶりに肩の凝らない面白エッセイを読ませて頂きました♪





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