牛コラム

肥育牛と美味しい牛肉のはなし

複雑な血統が功を奏している?

2012-04-20 19:21:16 | 素牛

肥育現場でなかなか思い通りに行かないのが、素牛選定である。
最近、僅かではあるが肥育成績が好転しつつある。
肥育牛の飼養管理は従前通りであるが、好転の兆しが出始めた決定的な理由が定かでない。
一般的には、素牛の能力、餌の給与パターンに何らかの変化などが考えられる。
このうち、素牛選定については、産地や産地で利用されている主要種雄牛の影響、子牛の育成技術などの関わりが考えられる。
これらの他に競り価格も重要なポイントになる。
この半年間に出荷した肥育牛について、素牛の競り価格が大まかに50万円以上、40万円台、30万円台、それ以下について、差益について集計した結果、30万円台が最も高い差益を得ていることが判明した。
これらの各ランクでの上物率も30・40万円台が高い値であった。
ただ、BMS値の平均は競り価格が高いほど高い値となり、販売価格も高いが、差益となれば逆転している。
この最大の理由は、素牛価格の差に対して販売価格に同様の差がないことである。
飛び級クラスがあって平均的には数値を引き上げているが、どのランクからも等級の分布が均等で似かよって大差ない。
これは、和牛の血統が全国的に斉一化されてきたことも、その一因と判断している。
このところ、50万円台が3等級になる一方で、30万円台の素牛が連続してBMS10を記録した。
購買担当者は複雑な面持ちのようであるが、高額牛が赤字と言うことではないことから、高額牛の見方を変える必要はない。
当方に限っては、結果的に、子牛市場における平均価格を「中」とするならば、「中」および「中の下」程度の素牛がねらい目と結果が出た次第である。



最新の画像もっと見る

1 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
受精卵素牛の結果 (黒鉄ヒロ)
2012-04-21 18:21:37
黒牛さんの話、解るような気がします。以前は育成素牛市場で日令と体重が離れたDGのいい素牛を高値で落札してましたが、購買金額と枝肉結果がつりあわず、現在は熊本の受精卵素牛市場で3~4ケ月令のスモール牛で結果を出してます。育成素牛の体重がある牛は粗利益が悪く、中の下が粗利益率がいいと内容です。受精卵スモールは生産者の色付けが無く、いい枝肉、高BMSが期待出来ます。育成素牛の繁殖生産者の、餌の過剰給与は永遠に治らないと思います。残念…
返信する

コメントを投稿