牛コラム

肥育牛と美味しい牛肉のはなし

繁殖意欲の兆し

2009-02-05 20:08:04 | 繁殖関係


繁殖頭数を増やす絶好のチャンスと記述したが、一昨日昨日行われた薩摩中央家畜市場における子牛相場の平均競り価格は、雌牛が50万円を越し、去勢牛は45万円で、これまでの雌雄の価格が逆転した。
平茂勝号を始めとする主要な種雄牛を繋養している主産地であることから、優秀な繁殖素牛を導入する機運が集中したため雌牛高に繋がったものと判断している。
同時に繁殖意欲の機運が高まりつつあることも伺えてくる。
この機運が、全国的に広がってくれることを願っている。
素牛の供給が需給量を常に僅かばかり下回る状況があり、一方で血統や発育の優れた子牛を否が応でも入手したいがため、自ずと相場を引き上げるという状況がダブることで、去年までの高騰の一因となっていた。
昨秋からは、それらの要因とは異なる社会現象のあおりのために、子牛価格は、現況の通り下げた状態となっている。
これからの和牛経営では、繁殖頭数を増加し、生産頭数が需給のバランスを満たすことにより、和牛を取り巻く産業が安定すると睨んでいる。
生産者の飼養意欲の高まりに合わせるように、政府や農水省は絵に描いた餅のような施策でなく、食糧自給率の向上が現実のものとなるような取り組みを実現して貰いたいものである。


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10 コメント

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二極化 (繁殖Bクラス生産者)
2009-02-06 07:34:24
この不況に売上・利益を上げているのがマクドナルド・ユニクロ・ニテリなど低価格商品を提供している会社だ。動物産業も一考する必要がある。高級品を目指すのもいいがニーズは生産者にズレはないか?冷静に判断しないと借金付けになる。行政頼りでは畜産業界はいつまでも振り回わされる。コストのかからない牛肉生産を消費者は待っているような気がする。
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導入 (九州の最北端)
2009-02-06 09:17:32
私も、この子牛価格低迷をチャンスととらえ、今月末に曽於に素牛導入に出かけようと思っています。
金幸と勝忠平を導入しようかと思っています。
良い血統の素牛に良い種を付けて、尚且つ発育が優れないと高値で取引してもらえない時代となりました。
このピンチを乗り切った時、今頑張って素牛を更新した繁殖農家が将来生き残っていけるものだと信じています。
良い子牛にはまず良い親牛を!!
時代は又繰り返します。
必ず和牛を取り巻く環境は好転するもの思って頑張っていきます。
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自分の能力 (考える民)
2009-02-06 11:48:23
素牛導入を考えた場合、いくら稼ぐか設定しておかなければ予算が組めない。自分の能力にあった経営したい。ヴィトン・ベンツ・レクサスなど高級嗜好はもう昔の話、第一次産業ばかり政治は予算は組まないと思います。和牛枝肉は平均75万円で逆算したい。90万以上で計算した場合は失敗する!
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チャンス (Piyo)
2009-02-06 19:35:06
(・ω・)/
以前も書き込みましたが、
うちの牧場はじっと我慢で少しずつ放牧地を広げ少しずつ母牛の数を増やしていくつもりです。

今月のセリに上場予定の内の一頭は県有牛×県有牛。
2005年~2007年と、
3年連続で一頭の平均価格が八重山の平均を大きく上回る50万以上を維持していた時の種付けで、
その時は♂で40~45万はいけるつもりでしたが、
今や30万も危うい組み合わせです。
県有牛で良い結果を出して欲しいとの気持ちもあっての種付けだったのですが…。
地域全体での取り組みがしっかりとしている市場はやはり強いですね。
基金の発動はなさそうです。

さて、
和牛業界のみならずあらゆる業界が不振なこんな時こそ、
政治家がその手腕を振るうチャンスだと思うのですが、
相変わらず政治屋さん達の勢力争い足の引っ張り合い…。
プロがその自覚を持ってプロの仕事をする。
これを目標にがんばって来ましたが、
説教してやりたいですね!?

(`∀´)/
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適正頭数 (ピンチの牛飼い男)
2009-02-06 20:25:49
以前は母牛を増やせば儲かったが、飼料が高騰し素牛が下落して気が付いた。もう数の時代は終わった少数精鋭でいかなけばと、家族で効率的に飼えるのは50頭が丁度いい!年間売上は1800万を目標に頑張ります
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繁殖Bクラス生産者さんへ (kuroiusi)
2009-02-06 22:01:44
今みたいに和牛の肉質をブランド化する以前ことですが、安くて美味しい牛肉生産を考えたことがあります。
和牛肉は何故高いか、低コスト生産することで、消費者の皆さんへ満足して貰える牛肉生産を実現しようと考えたのが、ホル黒F1牛の生産とその肥育でした。
コストを押し上げている最大の要因は、和牛の素牛価格であり、母牛をホルスタイン種にすることで、和牛の20%以下で素牛が入手出来るため、かなりの低コスト生産が実現することになります。
70年代の頃、これらの研究が始まり、その一因として恩師の指導を受けながら関わりました。
近くの酪農家に和牛の精液を持ち込んで、人工授精をさせて貰い、生まれた仔牛を2~3万円で引き取り、哺乳から育てて育成し、去勢牛は肥育し、雌牛はさらに和牛を交配してF2牛を作出しました。
肥育の結果は、ホルスタイン種(乳用種)去勢牛の枝肉より優れ和牛肉に近いものでした。
そして、枝肉単価は低価格でしたが、素牛価格が安い分、和牛の肥育と同等の差益がありました。
雌牛については、F1牛の繁殖能力についても検討しました。
これらの取り組みは、酪農関係者にかなりの影響を与え、以来F1子牛の生産が全国的に普及しました。
これらの取り組みは、牛肉の低コスト生産として、思惑通りに推移し、これらの交雑種の肥育産業が定着しました。
ところが我が国にも発生しましたBSEの発症が基で、牛肉の差別化が図られるようになり、F1やF2牛、乳用種の枝肉には厳しい制度となりました。
これらは、品種として差別され、枝肉でも同様に差別されるようになりました。
和牛の血液を持っていても、肉質が和牛と同等や良くても評価は低く、和牛肉とは差別され、国産牛肉として扱われるようになりました。
貴兄が案じておられるように、高級牛肉だけでは、消費者に納得して頂けません。
交雑種や乳用種の牛肉生産も重要な産業であることは否めません。
様々に政府支援や価格保証制度が有りますが、それはそれとして、自らの低コスト策を構築する必要があります。


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九州の最北端さんへ (kuroiusi)
2009-02-06 22:09:56
私も同様に意識しております。
努力だけでなく、チャンスを生かすことと、決断だろうと思っています。
曽於で、良い子牛が入手できますよう期待しています。
頑張って増頭して下さい。
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考える民さんへ (kuroiusi)
2009-02-06 22:32:15
今のように、生産も肥育も状況が厳しい時こそ、石橋を叩いて、現況を乗り切るのも一案かと思っています。
石橋を叩くのは、増頭を抑えると言うことではなく、例えば、子牛導入に際しては、欲しいがままにボタンを押し続けることではなく、自らの経営方針があり、その意識に合致する品質の見分けとそれに見合うセリ価格を設定して、その範囲で競り落とすことが肝心なことだろうと思います。
「販売額を設定して牛飼いをする」実に格好いいです。
私は、このフレーズが大変気に入りました。
牛飼いでなくても、あらゆる生産者の範になる基本的な考え方でもあり、本分を全うされて成果を高めて頂きますよう期待します。
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piyoさんへ (kuroiusi)
2009-02-06 23:22:01
本来、県有の精液を利用するのが常道のはずです。
県は、県民の税金を使うからには、県民のために優れた種雄牛を県民に提供する必要があります。
和牛県と言われている鹿児島県や宮崎県などは、バックポーンが大きいために、それなりに種雄牛の掘り起こしが出来ているように思っています。
しかし、大方の府県の場合、既成の優秀種雄牛の交配内容を模倣して自県産を作出されているようですが、なかなか思うようには優秀な種雄牛は誕生しません。
例えば、平茂勝号が優れているから、同じ両親の弟を育成しても、思い通りにはいきません。
遺伝力のなせる技でしょうか。
以前より、育種価・期待育種価などの情報が手にはいるようになり、その手法は科学的手法に近付きつつありますが、結果は難しいようです。
あまりに、県有を信頼したため、平均価格より、10~15万円も安く評価されて、やる気が失せたという生産者が続発して、子牛市場開設すら危なくなりそうな箇所が実在します。
つまり、行政関係者は、県民の産業発展に寄与するが本分でありますが、結果的に、自らの業績がための仕事と取られても仕方ないなどは、以ての外で、ましてや、生産者の生産意欲を低下させるなどは、なんとか泥棒と言われても仕方ありません。
県民の側も、その様にならないような行政関係者との前向きなコミュニケーションが不可欠ではないでしょうか。
また交配種雄牛を選択する能力も、牛飼いの能力の一つだと思っています。
piyoさんは、こつこつと確実に増頭され、取り組みの方針がぶれておられないので、5年先、10年先が楽しみです。
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ピンチの牛飼い男さんへ (kuroiusi)
2009-02-06 23:45:01
和牛の繁殖経営の場合、家族の労働力次第で、どれぐらいの頭数が最も適しているかは、自らの経営体験でしか、判断できないのだろうと考えています。
その上で、貴兄が50頭で年間売上1,800万円を目標とされていることに、実に堅実で具体的な目標を持たれていると、私も参考になりました。
目標が定まっていますから、1年後にはその結果が出ます。
その結果をもとに、また新たな目標が立てられます。
繁殖の場合、更新頭数10%として、子牛の生産頭数は、母牛頭数の80~90%が一般的だといいます。
最近は、確実に年1産させることで、90%以上が得られるとも聞きました。
平均価格が45万円以上で、目標は楽珍ではないでしょうか。
期待しています。
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